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大森さん全然悪くないんだけど、若井さんが苦しすぎるね… 辛ぇぇ〜…
元貴は涼ちゃんにも彼女さんを紹介したみたいで、俺宛に涼ちゃんから「ねぇ!2人仲良いの知ってた!?お似合いだったよね〜。」とLINEがきた。
お似合い…か…。確かに、元貴と彼女さんが並ぶと、美男美女という言葉がぴったりと当てはまり、照れくさそうに笑い合う2人はとても眩しくて、幸福なオーラに包まれていた。
俺に付け入る余地なんてない。
俺は、元貴よりも大柄だし、女の子の様な柔らかさもない。あの日の彼女さんを思い出すと、勝てるところが1つもなくて打ちのめされる。
俺も女に産まれたら…。と有り得ない想像をしてしまうくらいには参ってしまっていた。
「ねぇ〜。若井みてみて。この間○○ちゃんと水族館いってきたの。可愛いでしょ。」
元貴がグイグイとスマホをみせてくる。画面の中には、イルカのぬいぐるみを持って微笑む彼女さんと、肩を抱いてる元貴の姿があった。
息が詰まりそうなのを、必死に隠し、
「へ〜いいじゃん。楽しそうで。てか最近お前惚気すぎ。笑」
と返した。元貴は満更でもない表情で、
「だってさ〜。○○ちゃん超可愛いんだもん。性格もいいし、俺の面倒臭いところも愛してくれてさ。一緒にいて心地いいんだよね。」
「今まで付き合った人達とは全然違う。運命の人?とか恥ずかしいけど、そんな感じ。 」
____辞めてくれ。それ以上は。
「俺さ、今まで生きてきた中で1番今が幸せかもしれない。」
ガタッ。勢いよく立ち上がったせいで、椅子が後ろに倒れた。
突然のことに驚いて目を見開く元貴。
やばい。やばい。やばい。
この状況を打破しないと、平然といつも通りに。
倒れた椅子を戻す手が震えてる。
「わ、わかい…?」
元貴が心配と困惑が入り交じった表情でこちらをみつめる。
「ごめん元貴。ちょっと体調良くなくて…。今日は帰るわ。」
そう言い残し、何かを言う元貴を尻目に楽屋を飛び出した。