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君の背骨に棲みたい

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君の背骨に棲みたい

78 - File78:さよならだけの人生だ

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2023年02月27日

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※この物語はフィクションです。

実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。


「そんなにカグヤちゃんに会いたかったのかしらね……」

〈File78:さよならだけの人生だ〉

朝方まで降り続いた季節外れの豪雨に冷やされ、山中の空気は吐息が凍り付きそうなほど冷えていた。

常緑樹に遮られては木漏れ日も望めない。

猫のおやつを手に、私と智世は立派な霜柱を踏みしめた。

「こんなに寒いと心配だな。諭吉くん、はやく見つかると良いんだが……」

「そうね。人懐っこい子だって話が本当だといいんだけど……」

今度の依頼は、猫探しだ。

なんでも引っ越しの途中に車の窓から飛び出し、県境の山中へ駆けていってしまったのだという。

土地勘も縄張りもない飼い猫で、しかも逃げたのは山だ。

保護の確約はできないけど、それでも飼い主は愛猫の捜索を請願した。

「智世、いい?大きな音がしたら****************************

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