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さくらさく🌸
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#めめこじ
junp_
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iw.side
正直、今の状況はかなりまずい。
「……もういい。照なんか知らない」
そう言って、阿部がリビングから出ていこうとしている。
いや、待って。
俺、まだ全然よくないんだけど。
「亮平、待ってって」
「なに」
「話そう?」
「話すことない」
「あるじゃん。めっちゃあるじゃん」
「照が勝手にすれば?」
……うわ。
今日の阿部、過去最高レベルで冷たい。
原因は、まあ、俺にもある。
昨日、約束してた時間に帰れなかった。
仕事が長引いたのは本当だけど、連絡を入れるのが遅くなったのも本当。
帰ったら、阿部はひとりで夕飯を食べ終えていて。
『ごめん』って言ったら、
『別に。俺、ひとりでも平気だし』
って。
その「別に」が全然別にじゃないのはわかってた。
わかってたのに、俺も疲れてて。
『そんな怒んなくてもよくない?』
なんて言ってしまった。
……完全に俺が悪い。
「亮平」
「……なに」
「ごめんって」
「謝ればいいと思ってる?」
「思ってない」
「じゃあ、話しかけないで」
そう言って、阿部は俺の横を通り過ぎようとした。
その瞬間。
あ、待って。
このまま行かせたら、絶対に後悔する。
「……亮平」
「だから、なに!」
振り返った阿部の顔は、怒ってるくせに、ちょっとだけ泣きそうにも見えた。
胸がぎゅっとなる。
あー……ほんと、ごめん。
でも。
こんな顔してる阿部を、どうしようもなく抱きしめたくなる俺は、たぶん相当重症だと思う。
「……ちょっと、こっち来て」
「やだ」
「お願い」
「……やだってば」
「うん。じゃあ、ごめん」
「……は?」
俺は阿部の前にしゃがみ込んだ。
「え、なに? ちょっと、照?」
そのまま、膝の裏と背中に腕を回す。
「……よいしょ」
「っ、え!?!?」
ひょい、と。
阿部の身体が浮いた。
「ちょ、ちょっと待って!? え!? なに!?!?」
お姫様抱っこ、 できちゃった。
いや、そりゃできるけど。
それよりも。
「……っ、照!! 降ろして!!」
腕の中でじたばたする阿部が、びっくりするくらいかわいい。
「えー、やだ」
「やだじゃない!! なんで!?!?」
「抱っこしたかったから」
「意味わかんないんだけど!?」
「うん。俺も今、ちょっとそう思ってる」
「思ってるなら降ろせ!!」
「あはは」
いや、笑ってる場合じゃない。
怒ってるんだよな。
俺に。
ちゃんと謝らなきゃいけない。
なのに、俺の腕の中で真っ赤になってる阿部がかわいすぎて、顔が緩むのを止められない。
「……照、ほんとに降ろして」
さっきより少し小さな声。
俺はすぐに足を止めた。
「……怖い?」
「ち、違う!」
「じゃあ、痛い?」
「違うってば!」
「……そっか」
阿部は俺の首元に手を置いたまま、視線をあちこちに泳がせている。
耳まで真っ赤。
……ああ、もう。
好き。
ほんとに好き。
「……なに笑ってんの」
「いや、かわいいなって」
「は!? 今そういう話してないでしょ!」
「うん、ごめん」
「絶対思ってない!」
「思ってる。めっちゃ思ってる」
「……っ、ばか!」
そう言いながら、阿部は俺の服をぎゅっと掴んだ。
あ。
それ、ずるい。
落ちないように掴んでるだけだってわかってる。
わかってるけど。
俺の服を掴んで、俺の腕の中にいて、俺の顔を見ないようにしてる阿部が。
もう、どうしようもなく愛おしい。
「……亮平」
「……なに」
「好きだよ」
「…………は?」
「大好き」
「ちょ、待っ……今それ言う!?」
「言いたくなったから」
「……っ、ほんっと、意味わかんない!」
「うん」
「俺、まだ怒ってるんだけど!」
「知ってる」
「じゃあ……!」
「うん。怒ってていいよ」
阿部が黙った。
俺は抱きかかえたまま、少しだけ顔を覗き込む。
「怒ってるのも、ちゃんと聞くから。昨日のことも、ごめん。寂しい思いさせたよな」
「……」
「待っててくれてたのに。連絡も遅くなって、ごめん」
阿部の指が、俺の服をきゅっと握り直した。
「……別に、寂しくなんかなかった」
「うん」
「ただ……約束してたから」
「……うん」
「……一緒にご飯、食べたかっただけ」
最後のほうは、ほとんど聞こえないくらいの声だった。
ああ。
そっか。
俺は一瞬、言葉に詰まった。
たぶん阿部は、俺が思ってるよりずっと、楽しみにしてくれてたんだ。
それなのに俺は。
「……ごめん、亮平」
今度は、ちゃんと謝った。
「次から、遅くなるってわかった時点で連絡する。約束する」
「……うん」
「あと、今度の休みは絶対一緒にご飯食べよう」
「……別に、無理しなくていいし」
「無理じゃない。俺が一緒に食べたい」
阿部が、ちらっと俺を見る。
「……ほんとに?」
「ほんと」
「……じゃあ、オムライス」
「いいよ」
「……あと、プリン」
「買う」
「……いちごのやつ」
「了解」
「…………」
「……亮平?」
「……なに」
「まだ怒ってる?」
「……怒ってる」
「そっか」
「……でも」
阿部は俺の首に回した手に、ほんの少しだけ力を込めた。
「……もうちょっと、このままでもいい」
…………。
………………。
え。
今、なんて?
「……亮平?」
「なに!」
「もう一回言って」
「絶対やだ!!」
「えー! 聞こえなかった!」
「聞こえてたでしょ!!」
「いや、もう一回聞きたい」
「……っ、照!!」
顔が真っ赤。
声も裏返ってる。
なのに、降ろせとは言わない。
むしろ、俺の首に回した腕はそのまま。
……ああ。
だめだ。
俺、今日ずっとこの子を抱っこしてたい。
「……亮平」
「……なに」
「かわいい」
「……うるさい」
「好き」
「……うるさいってば」
「大好き」
「……ばか」
「うん」
俺は笑って、阿部の額にそっとキスをした。
すると。
「っ!?!?」
阿部が目を見開いた。
「ちょ、なにして……!」
「キス」
「見ればわかる!!」
「そっか」
「そっかじゃない!!」
……あはは。
ほんと、最高。
「……照、降ろして」
「んー?」
「もう大丈夫だから」
「……やだ」
「は!?」
今度は俺が、阿部をぎゅっと抱き直した。
「もうちょっとだけ」
「……っ、なんで照が甘えてんの!?」
「亮平がかわいいから」
「理由になってない!!」
「あと、仲直りしたいから」
その言葉に、阿部が少しだけ黙った。
それから、困ったように眉を下げる。
「……もう、してるじゃん」
「え?」
「……仲直り」
……あー。
だめだ。
ほんとにだめ。
「……亮平」
「なに」
「好き」
「……うん」
「ほんとに、好き」
阿部は顔を真っ赤にしたまま、俺の肩にこつんと額を寄せた。
「……わかったから」
「うん」
「……だから、もう黙って」
「はい」
三秒後。
「……亮平」
「……なに!」
「明日も抱っこしていい?」
「…………は!?」
今度こそ、阿部が俺の胸をぽかぽか叩いた。
「ばか!! そういう意味じゃない!!」
「えー、じゃあどういう意味?」
「知らない!!」
「俺はしたいけど」
「……っ、もう、ほんとに……!」
顔を隠すように、阿部が俺の肩に埋まる。
その耳が赤いことも。
俺の服をまだ掴んでいることも。
全部、ちゃんとわかってる。
俺はその頭を撫でながら、心の中でこっそり思った。
……明日は、絶対オムライスを作ろう。
いちごのプリンも忘れずに。
それから、帰ったらちゃんと連絡して。
できれば、今日みたいに抱っこさせてもらって。
……いや。
最後のは、たぶん断られるな。
でもまあ。
断られても、きっと俺はまたお願いする。
だって。
俺は、ツンツンしてるくせに本当は寂しがり屋な、この世界でいちばんかわいい恋人を、どうしようもなく甘やかしたいのだから。
「……亮平」
「……なに」
「大好き」
「……っ、もう聞いた!!」
そう言いながら、阿部は俺の首に、ほんの少しだけ頬を寄せた。
……うん。
明日も絶対、抱っこしよう。
コメント
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Sっぽいけど受けを溺愛な性格の攻めが好きなのでひーくんはこんな感じの性格なのです🙂↕️ こんな感じの喧嘩してたらなー、と思っております☺️☺️