コツ、コツ
靴音がただ部屋に響く
魔女狩り、天馬司は思考を巡らせた
自分は、本当にあの魔女達を消すべきなのか
いつかの友人だろうと、魔女だからと殺すべきなのかと
いままでの感覚とは全く違った
あいつを殺したくないと思ってしまった
最近捕まえた、緑髪の魔女
彼女と関係があるように思えた
何度やっても、魔法は出なかった
やはり自分は、完全な魔女にはなれなかった
ここで終わりか?
師匠は死んでしまうのか?
そうさせてはいけない
しかし、魔法は出てはくれない
コツン、と自身の前で音がした
そこに立っていたのは、ピンクのボブカットの女の子
鳳えむだ
🍬「調子はどう?類くん」
こちらの目線に合わせ、しゃがみ込んだえむは類に問いかける
魔法を使うことで体力を消費し、受け応える元気もなかった
それでも、えむは淡々と詰める
🍬「さっきの音、なんか知ってるよね」
ねぇ、と続ける
🍬「さっきの音、なぁに?」
🌟「答えろ」
腹の下に響くような低音の声
銃口を向けながら、司は問う
🌟「魔法を使ったな」
🤖「まずは状況を説明してくれない?目が覚めたら銃口向けられてて、困惑してるんだけど」
ため息をつき、司は言う
🌟「とぼけるな。魔法を使っただろう。あれはなんだ」
眉間に皺を寄せ寧々は答える
🤖「別に、魔法ってわけじゃない。わたしの魔力全部、周りに撒き散らしただけ。だから魔力切れで寝てたの」
🌟「そうか。なら目的はなんだ」
🤖「目的?」
🌟「なぜ魔力を拡散した?」
🤖「…さぁ?」
バァンッ!!
司は引き金を引き、弾丸は寧々の頬を掠めた
🌟「……」
無言で睨みつける司に、寧々は言う
🤖「言わないよ」
寧々は思い切り司を睨み返した
🤖「わたしの大切な人を守るために」
🌟「…どうせ5日後には死ぬ。お前も、その大切な人とやらも」
🤖「そうだね。…だから足掻くんだ」
🌟「無駄なことだろう」
🤖「そうかな?」
その瞬間、寧々はモザイクにかかったような姿になり、ふわりと崩れ落ちた
まるで、砂の城が崩れるように
🌟「……は?」
🍬「類くん、答えてよ」
ナイフを類の首元にあて、問う
🍬「ね、類くん」
つうっと、首に血が伝った
🎈「っ、…」
🍬「答えて?」
目からハイライトが消え、声のトーンが下がる
首への圧も、徐々に強まっていく
手足を縛られ、魔法も使えない自分は、この小さな女の子1人に対抗できない
🎈「わからない」
🍬「そんなわけないよ」
🎈「わからないものはわからないんだ」
🍬「……ね、言ってよ。あたし類くんのこと、殺したく」
?「|¿×:≪♪゛※」
🍬「へっ…?う、うごけ…」
?「類、帰ろ」
類に向かって、シルエットのような何かが、寧々の声で話しかけた
コメント
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これは…あいつか…?あいつなのか…?!