聞きなれた声が、耳に届く
戸惑いながらも、これは寧々の魔法で生み出した何かだと類は察した
🍬「ど、どういうこと、魔女さん?動けない…」
えむは困惑した様子で冷や汗をかいている
👤「殺さない方が、いいんだよね」
類は無言で頷く
自分にどれだけ酷いことをしようが、彼らの事情は知っている
仮にも幼少期を共に過ごした友人だ
死んでしまうのは嫌だった
👤「…わかった」
寧々は縄でえむを縛り、類の手を引いた
👤「行こう」
類は手を引かれ、檻の外へ駆け出した
🌟「…は?」
寧々を見失い、嫌な予感がした司は、類がいた牢獄に来ていた
🌟「えむ、おいえむ!!なにがあった」
🍬「うう〜…司くんごめんね!類くんと魔女さんが逃げちゃった〜!」
えむは不等号のような目で司に謝罪をした
🍬「司くんお願い!縄とって〜!!」
🌟「まったく…」
小型ナイフでえむの縄を切り裂き、ドスの効いた低音でえむに言った
🌟「追うぞ」
えむはそれに、ニヤリと不敵な笑みで答えた
🍬「もちろん☆」
🎈「はぁっ、はぁっ」
息が切られても、喉から血の味がしても、2人は走り続けた
👤「っう”…」
シルエットは胸元を抑え、しゃがみ込んだ
🎈「師匠…っ!」
👤「ご、ごめん…も、きつい…」
魔力も体力も底を尽きたようだった
🎈「…師匠、失礼します」
類はシルエットを横抱きし、再度走り出した
👤「る、類…!」
シルエットは焦ったように言った
類の体力も限界のはずだからだ
🎈「問題…っ、ありません」
荒い息をなんとか整え、シルエットを見つめた
🎈「あの時、…10年前、貴方は僕を助けてくださった」
生唾を飲み込み、類は覚悟を決めた
🎈「今度は、僕の番だ」
類たちの近くにある、そこそこな大きさの木
そこから顔を出したのは、同い年くらいの男女
🍬「みいつけたっ☆」
🌟「今度こそ、逃がさない」
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