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#人間ドラマ
雨宮寧々
#恋愛
桜咲かな
1,037
果樹園。
長い修行を終えた渡辺は、ついに天界の果樹の前に立っていた。
プラトンが静かに口を開く。
「……条件は満たした。」
渡辺は自分の腕を見る。
何度も鍛えた身体。
何度も倒れた。
それでも、ここまで来た。
ソクラテスが言う。
「では、食べるといい。」
渡辺は果実を手に取った。
「これを食えば……俺も能力者になれるんだな。」
「そうだ。」
渡辺は迷わなかった。
果実を口にする。
――その瞬間。
身体の中を、何かが走り抜けた。
「……っ!」
渡辺の身体から一瞬、光が放たれる。
そして――
静かになった。
「……終わった?」
プラトンが渡辺を見る。
「能力は得たようだ。」
「どんな能力だ?」
渡辺は手を握る。
ソクラテスが言った。
「試してみるといい。」
渡辺は木に向かって拳を振る。
――スッ。
何も起こらない。
「……?」
渡辺が困惑する。
そのとき。
木の表面に、
ピッ。
ほんの小さな傷がついた。
そこから、わずかに樹液が流れる。
渡辺は固まった。
「……これだけ?」
プラトンも黙っている。
ソクラテスは少しだけ笑った。
「そういうことだ。」
「いやいやいや!」
渡辺が叫ぶ。
「俺、どれだけ修行したと思ってんだよ!」
腕立て伏せ。
腹筋。
走り込み。
実戦訓練。
何日も何日も鍛え続けた。
そして、ようやく手に入れた能力。
その力は――
相手に、少し血が流れる程度の傷を与える能力。
渡辺は膝をついた。
「……弱すぎるだろ……。」
プラトンは冷静に言った。
「能力の強さだけで、人間の価値は決まらない。
例で言うと天界には ゼウスジャクソンという 男がいる
お前と同様 呪を潰そうと動くものだが… 彼も能力を持っていない 、どの天人でも使える 最低限の能力しか使えない
それでも 彼は 動き続けているのだよ」
「でも……。」
渡辺は自分の手を見る。
「俺は、これで何かに立ち向かえるのか?」
ソクラテスが答える。
「それを決めるのは、能力ではない。」
渡辺が顔を上げる。
「……?」
「その力をどう使うかだ。」
渡辺は黙った。
そして、もう一度自分の拳を握る。
「……だったら。」
「この力で、どこまで行けるか試してやる。」
ソクラテスはプラトンに耳を貸させた
「私の勘違いかも知らないが 能力はまだある、
そうだろ?」
「あなたも感じたのですね…」
ソクラテスは静かに話す
「そっとしておこう…いずれ 気づくさ、自分の能力の強さに」
「ところで、
彼にゼウスジャクソンを紹介していたほうがいいですか?」
「そうだな… 彼は神の末裔 渡辺とはよいコンビになりそうだが…当の本人は何をしているか私は知らない」
「また、あそこで修行しているんだろ…」
「あそこ、か…」
渡辺の食べた果実が 急に腐り始めた
それを見た ソクラテスはプラトンに話た
「やはり…そうだ 凶悪な能力を手に入れると 食べかけの果実が腐る… 彼の能力は過去の罪人の能力かもしれん…な」
「我々は 彼の覚醒を支援し、彼の暴走を阻止しなければならないのか、」
渡辺は何も知らない それが一番だろう、
ソクラテスは腕をくみ、 一息ついてから 話た
「あいつの祖父も果実を腐らせたよな…」
コメント
5件
うわっ、これは面白い引きですね!第12話、読み終わって「え、そこで終わるの!?」って声が出ましたよ。 修行の末にようやく辿り着いた果実、得た能力が「かすり傷」ってギャップがもう…渡辺さんの「俺、どれだけ修行したと思ってんだよ!」には思わず笑ってしまいました。でも、プラトンとソクラテスの会話から「凶悪な能力」「過去の罪人」「祖父も」ってキーワードが出てきて、明らかに何か隠されてる。地味なだけで本質はヤバイやつですよね、これ。伏線の張り方が上手いなあ。続きが気になりすぎます!