コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⚠️嘔吐シーンがあります
朝の光がカーテン越しに差し込むころ、隣で寝ていたはずのふっかが、小さく身じろぎした。
「……ん?」
寝ぼけた頭で振り返ると、ふっかが額に汗を滲ませながら、眉をひそめていた。
「ふっか?」
呼びかけるとふっかはゆっくり目を開けたが、次の瞬間急に体を起こし、口元を押さえる。
「やば……っ」
「待ってて!」
慌ててベッドを飛び出し、部屋の隅に置いてあったビニール袋を掴んで戻った。
間に合え、と願う間もなく、ふっかの肩が震え、「おえっ……」という音が静けさを破った。
何も言わず、ふっかの背中を支え、袋を持つ手を安定させながら、もう片方の手で背中を優しくさすった。
吐き終わったあと、ぐったりとしたふっかが、申し訳なさそうに目を伏せた。
「……汚いとこ、見せてごめん……」
「何言ってんの。気にすんな」
ふっかの汗で濡れた髪をかきあげ、もう一度背中をなでた。
「大丈夫、大丈夫。吐けて楽になった?」
「……ちょっとだけ。けど、だるい……」
「今日はもう、寝てろ。俺がマネに連絡しとくから」
そう言って、ふっかの額に自分の額をコツンと合わせる。
いつもより少し熱を持っている気がした。
「もしかして、昨日から体調悪かった?」
優しく囁くと、ふっかが小さくうなずく。
「……うん。低気圧でだるいだけかなって思ったんだけど、、」
「そっか。気づけなくてごめんな」
そう言って、もう一度優しく背中を撫でると、その動きに合わせるようにふっかの目が静かに閉じられた。