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なんか、最後だからこそ正々堂々と面と向き合うの千紗ちゃんらしいなー!!笑 そっかー、ちゃんと先のことも考えながら行動する千紗ちゃんはほんとに凄いな…笑
「千紗…」
「朔間くん?!」
また熱愛報道が出ないだろうか…心配だったがそんなことは無さそうだ。
「やっと、気持ちに素直になれたんだね。僕のことを好きになってくれてありがとう。」
「ほんとは2回目も僕の口から言いたかったんだけど…」
唾を飲み込む音が喉から聞こえる。
「こちらこそお願いします。」
私の視界は涙でぼやけて、でも朔間くんの形だけははっきり見えて、それは私を抱き締めるような仕草を見せた。
暖かくて優しくて、そんな包容力のある人。この時間がずっと続いていたらいいのに…
そして私たちはキスをした。仕事じゃなくって、恋人として。
それからというものの、仕事は順調に進んで行き、時も過ぎて私達は26歳になった。
「もう付き合って3年か…早いねぇ(笑)」
「うんそうだね…」
それにしても最近さつきの様子がおかしい。もしかしてこれが俗にいう倦怠期というものなのかと少し不安になる。
「話したいことがあるから少し座ろうか。」
付き合って3年だと言うのにここで別れ話かぁ、と少し落ち込んでいる私をみてさつきはすぐ口を開く。
「そろそろ恋人辞めない?」
やっぱりそうだった。
「そうだね…やっぱりさつきはそう思ってたんだね…」
「さつきがそう言うなら、別れよっか。」
笑顔で終わろうとしてたのに次の言葉は私の心を揺さぶった。
「結婚しよう。」
「えっ?」
私は少し間を置いて答えた。
「もちろん。」
と。
ある日、美沙都さんと飲みに行った機会があった。
「最初千紗が来た時、本当はここまで有名になると思って無かったのよねぇ、 」
「それは私も思ってました。まさかそんな今一番人気のあるアイドルだなんて…」
「そうよねぇ、そしてあなたも今年で26、私は37…歳取りたくないわよぉ…」
「そうですね(笑)」
「そういえば最近新しいアイドルが話題になってるらしいわよ。」
「へぇ!どんなアイドルですか?」
「確か名前は”みさき”で、芸名が”ミーこ”だったかしら」
「そういえばその子、千紗とライブバトルしたいって言ってたような…」
みさき、ミーこ…全部聞き覚えのある名前だ。
「私、そろそろアイドル辞めようと思ってるんですよね。」
「えっ?急にどうしたのよ…」
「”アイドル”を辞めるんです。芸能界からは引退しませんよ(笑)」
「たった今思いついた事なんですけど…」
「最後の卒業ライブ。その子とのライブにします。」
「つまりそれって…」
そうだ。美咲と面と向かいあってぶつかって、またアイドルをやる機会。絶対に逃す訳が無い。
「真剣な眼差しね。じゃあ引き受けて置くわ!!!」
「はい!!!!」
このライブが最高の最後のライブになることを願って_!!