「はぁ…はぁっ!他の連中は…どれぐらい先まで進んでいるんだ?」
更生プログラム開始から、
既に30分が経過しようとしていた。
受刑者番号17番、真鶴 詩織(まなづる しおり)との
出会いと別れを一度に体験した累は、
『KEEP OUT』と書かれた、
毒々しい黄色のテープに囲まれた奥多摩の登山道を一心不乱に駆け抜けていた。
「あいつ…死んだんだよな。あっけないぐらい、簡単に。」
むせ返るような自然の香りの合間に、
濃い血の匂いが混ざっているように感じる。
(もし、俺が強引に引き戻していたら助けられたのか?)
後悔と罪悪感に肩を叩かれ、
来た道を振り返ると――。
「ねえ、累くん…待ってってば。」
妙に明るい調子で話す詩織が、
今にも茂みの向こうから現れそうな気がするが、
そこには、風に揺れる緑があるだけだった。
「くそっ!何を弱*************
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