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宿についた。
手続きを終わらせて部屋へと向かう。
👾「えーっと、26階だっけかな。」
⚡️「ここ結構高いとこまであるんだな。」
👾「まぁ、この辺では有名な旅館らしいし。」
26階の126号室、無事に着いた。
🍯「んわ〜〜〜!!めっちゃひろーい!!」
部屋は8人用と、少し余裕を持って大きめのところにした。
旅館らしさがよく出ている、畳から出る和の香りが心を休める。
🫘「すごい良いところ取れたんやな。」
👾「まあこれが勇者の特権ってやつっしょ。」
両サイドの壁沿いに3つずつ、計6つの敷布団を並べる。
👾「もちろん俺は真ん中だよな。」
🫘「俺はいつでもトイレ行けるように右端で寝るわ。」
🌙「私は窓側にしときます…(夜空見たいし。)」
🍯「んじゃ私も真ん中貰っちゃお!!」
💭「端っこしか残ってないじゃん、ちょっと寒いけど窓側でいいや。」
⚡️「じゃあ俺は余ったところにしよ。」
各々、布団に入る。
🍯「せっかくの旅館泊だし、なんか盛り上がるトークでもしない!?」
💭「ありー!!めっちゃあり!」
時間帯はもう深夜。
疲れてるやつは疲れてるし、テンションおかしくなるやつはおかしくなる。
この時間帯は極端に分かれる。
👾「マナトとごまめはもう寝てるくない?」
💭「え、うそ。」
🍯「ごまめ!おーい!寝てんのか!」
反応しない。
めっちゃ寝てる。
🫘「………萎え…るー……。」
寝言を言っている。
なにかに萎えてるみたい。
可哀想、でも何故か俺まで萎えてきた。
なんで?
🍯「これ録音しとけばよかった(笑)」
呑気な奴だな。
💭「マリさんは起きてる?」
🌙「起きてます、正確には“寝れない”です…。」
💭「なんでなんで。」
🌙「緊張?みたいな…、夜空見てる内に眠くなると思うのでお気になさらず…(笑)」
💭「わ、わかりました!!」
相変わらず慣れないマリさん。
疲れてるはずなのにお気の毒。
👾「盛り上がるのはいいけど、明日も早いんだからそろそろ寝なよ。」
🍯💭「はーい。」
日が昇る。
誰もカーテンを閉めずに寝たから朝日の光が部屋に差し込んできた。
🌙「っは〜〜、おはようございます。」
⚡️「おはよ、みんなちゃんと寝れたか?」
🫘「寝た寝た、結局トイレ行かんかったわ。」
⚡️「そうか、よかったな。」
こいつらは起きるのが早い、生活の規則正しさがよく表れている。
残りの3人はと言うと…。
⚡️「はるー、ユメ、はにけーきはまだ寝てんのか?」
🌙「昨日の夜、遅くまで話してたみたいだし、まだ寝不足なんじゃない?」
⚡️「ったく、だから早く寝ろって言ったのに。」
🫘「いやたぶんそれ言われたの俺やで。」
⚡️「あれ?そうだっけ?」
👾「ごめんごめん、おはよ。」
残りの3人も遅れて目を覚ます。
全員、支度を終わらせて部屋から出る。
フロントに着いた辺りで館主のお爺さんに声をかけられた。
「お前さんたち、勇者の一行じゃろ?」
👾「そうですけども、どうかなさいました?」
「1つ頼みがあってのう、この辺にちょいと大きな城があっての、そこに凶悪な魔物が住み着いておるのじゃが、」
👾「凶悪な魔物?」
「そうじゃ、この街から出た人間を無差別に殺傷していく恐ろしい奴なんじゃ。この辺では有名な噂なんじゃが知らんかの。」
👾「知らないですね…。誰か知ってる?」
⚡️「いや知らん。」
🌙「知らないなぁ…。」
🫘「聞いたこともないわ。」
誰も知らんのかい。
誰もこの辺の出身じゃないのか。
「そうか、とりあえずその魔物を倒して、この被害が出ないようにしてほしいのじゃが、任されてくれんかの。」
💭「この後の予定も決まってなかったしいいんじゃない?」
👾「まぁそうだね、任せてください、今から向かいます。」
「本当か!助かるわい…、こっちができることは精一杯やらせてもらうぞ。」
こうして俺たちは凶悪な魔物とやらを討伐するために城へと向かうことになった。
さすがに誰も知らないところに足を踏み入れるのは少々恐れがある。
🍯「ちょっと怖いね。」
⚡️「街人を無差別に殺傷するって言ってたしな。」
🍯「んね、なんかあったら僧侶なんだから助けてね。」
⚡️「あんま頼りにすんなよ…。」
旅館や温泉でゆっくりした分、また歩き始めることに対する疲労のリバウンドが激しい。
しかし、しばらく歩くともう城が見えてきた。
思っていたよりも本当に近いところにあった。
俺が初めに目を覚ましたあの城と変わらぬ程の大きさだったが、何故か妙に古い。
壁や屋根にはツタやコケが生い茂っていて、窓なども割れ、ボロボロになっている。
本当にこんな所に住み着いているのだろうか。
門の前までやってきた。
塔に行った時もそうだったが、やはり大きな門を開けるのは勇気がいる。
何が待ち受けているか分からない恐怖に駆られる。
⚡️「早く行くぞ。」
👾「う、うん。」