ちょっと(私にとってはだいぶ)読んでいて悲しくなる内容かもしれません😭
覚悟のある方だけお読みください!
秋も深まり、もう山間部では降雪の予報が出てきた頃。
蓮は病状がついに悪化してきて、俺が会いに行っても眠っていることが増えた。
今日も、蓮はまだ眠っている。
よっぽど悪い夢でも見ているのか、時折うなされたり顔をしかめたりしている。
俺が髪を撫でると、少しその表情は和らいだ。
それにしても、蓮はすっかり窶れてしまった。
黒く艶のあった髪は白髪が交じり、袖から覗く腕は、酷く痩せてしまっている。
正直、見ていられない。蓮の病状が、本当に余命が残り少ないのだと訴えかけてきている。
その事実が俺にはどうしようもなく苦しかった。
いちばん苦しいのは蓮のはずなのに。
手をそっと握ると、蓮の瞼が動いた。
💚蓮…
🖤亮平。来てたんだ。
俺が呼び掛けると、蓮はゆっくり体を起こした。笑っている目尻から、一粒の涙が零れ落ちた。
💚泣いてるの?
🖤いや、ちょっとね。
蓮は少し口ごもった後、苦しそうに端麗な顔を歪めた。
🖤夢を、見てたんだ。亮平と離ればなれになる夢。すごく苦しくて、辛くて。でも、現実ももうすぐこうなるんだって思うと、もっと辛くて…
また涙が頬を伝った。蓮の表情は、宣告をされたあの日より、遥かに絶望の色が濃くなっている。
🖤俺、もっと亮平と居たいよ。死ぬのが怖い。ずっと生きてたい。怖いよ、たすけて亮平…
嗚咽が交じる涙声を聞いていると、どうしようもなく胸が締め付けられる。
💚俺も蓮と離れたくない。怖いよね、ごめんね…
背骨が浮いた背中を撫でて、抱き締めあう。その腕には、力は籠らない。
できることなら、蓮と一生を共にしたい。ずっと一緒に居たい。
ふたりの願いは同じなのに、どうしてこんなにも叶わないんだろう。
「助けられなくて、ごめんね。」
そう言ってしまうと、俺はこれ以上蓮と過ごすのが辛くなってしまう気がして、言えなかった。
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コメント
6件
うわぁぁ!!読むの遅くなっちゃったぁ 最高だった!めめも阿部ちゃんも離れるの辛いのに未来には逆らえないものなんだよね… 続き待ってる!!

初コメ?失礼します!今回はもう、いろんな意味でヤバかったです!貰い泣きしそうです…泣

続き待ってます😊