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蓮Side

「フフフ……いいのですか、2人を行かせて?」

🖤「ああ」

「加勢していただかなくて良かったのですね」

🖤「……俺より、みんなを助ける方が先だから」

二人がみんなを助けてくれるまで、俺が持ち堪えればいいだけだ。汗が頬を伝うのを感じながら、俺はフリーズを睨みつける。


時間を少し遡って、俺があべちゃんとふっかさんを助けた時のこと。 俺はフリーズから薬品を渡された意味を、もっとよく考えておくべきだったんだ。

パペットを二人とすり替えた俺がフリーズの部屋に戻ると、部屋に控えていたであろう兵士たちが俺を素早く取り囲んだ。

🖤「……え?」

「うっかり騙されましたよ、目黒様」

奥の暗闇から姿を現したフリーズ。声は楽しげだったが、その目は全く笑っていない。

「あなたが私たちの仲間になりたいと言った時はさぞ驚きましたが……こんな裏があったなんて」

フリーズの言葉を脳内で繰り返す。“こんな裏があったなんて“……?まさか、

「……お気づきになりましたか?」

フリーズは俺の方へゆっくり歩きながら言った。

🖤「……見てたんだ、俺のこと」

「あなたにお渡ししたあの薬には、特殊な効果がありまして。私の水晶玉から、あの薬に映った景色を見ることができるのですよ。そしたらまあなんと、こちら側についたはずの目黒様が、敵であるはずの阿部様と深澤様を救出しているではありませんか!」

……しまった。こいつの水晶玉と薬が連動してるなんて。

「……どういうことでしょうか」

フッと俺の隣に移動してきたフリーズは、俺の首筋にステッキの先端を突きつけながら言った。

その声色は、さっきまでとは比べ物にならないほど冷たかった。

絶対絶命のピンチ。一体どうすればいいものか……ここで弁明したって、どうせすぐにステッキで首を刎ねられるだろう。ならいっそのこと……?

ここまで考えたところで、俺は一つの正解に辿り着いた。

“目黒蓮“で対処できないのなら……


🖤「……ふはっ、どういうことって、もうわかってるんでしょ?」

「……はい?」

🖤「だーかーら、俺に聞くまでもないでしょってこと!」

そう言って、俺は氷の術……周囲に氷柱を放つ術を出して攻撃を仕掛ける。俺を疑い続けていたフリーズには避けられたけど、隙をつかれた兵士たちには命中して消えていった。

部屋の真ん中で、俺とフリーズが対峙する。

「……あなたの目的はなんですか」

🖤「……あべちゃんを、みんなを助けて、お前を倒す。それだけだよ」

「そんなことできるわけがない……」

🖤「俺はやるって決めたらどんな手段を使ってでもやり遂げるよー?……俺のわがままは、世界一だから」


俺に憑依させたのは「天王寺陽」。いつだって余裕げで頭が切れる陽になれば、フリーズたちを混乱させれるんじゃないかと……。

俺はニヤリと笑うと、素早くフリーズの懐めがけて槍をつく。避けた隙に術も打ち込み、ひたすらスピードで追い打ちをかける。

「なかなかやりますね」

一瞬顔をしかめるフリーズ。大打撃とはいかないけれど、そこそこ俺の攻撃も効いているようだ。


互角の戦いが続いて少し息も上がってきた頃、突如フリーズの雰囲気が変わり俺は動きを止める。……何か、おかしい。

「……このままだと埒が明かないので。少しお楽しみを用意しました」

パチン、とフリーズが指を鳴らすと、水晶玉を通して壁に映像が映し出された。そこには、

🖤「みんな!!」

椅子に縛られているしょっぴー、舘さん、ラウールと、獣人相手に苦戦している岩本くん、佐久間くん、康二の姿が。

「下にいる6人はこのまま、私たちの配下に加わっていただきます。今ならまだ助けられますが、時間が経てば……」

🖤「……そんな!」

俺は走って階段に向かう。でも、

🖤「え、なんで……」

体が何かに遮られて、外に出られなくなっていた。フリーズを振り向くと、不適な笑みを浮かべて言う。

「もう一つのお楽しみです。あなたはここから出られません……私を倒さない限り」

🖤「くっそ……」

短時間でこいつを倒せるわけがない……でも、みんなは絶対に助けないと。例え俺がどうなっても……!

🖤「……だったら倒してやる、お前なんて!!」

フリーズとの戦いはさっきまでよりも激化する。陽の憑依はいつの間にか外れてしまったが、俺は気にせず戦い続けた。

そうして、今に至る。作戦を続けてくれたふっかさんのおかげであべちゃんを助けられたし、来てくれた二人に6人を助けに行ってもらえた。

これでとりあえずは一安心だけど……このフリーズが次に何を仕掛けてくるのか。それが心配だった。

一対一ではあるけれど、フリーズは疲れた様子を一切見せず始めと変わらないスピードと表情で攻撃してくる。

🖤(マジ化け物だな……)

フリーズの攻撃を避けてすぐさま反撃する。みんなのことが心配で少し集中力も切れてきたしまっているけど。せめてみんながここに戻ってくるまでは、持ち堪えないと……!

そう、思っていたのに。

「考え事をしていて良いのですか?」

ハッと気づけば目の前からフリーズがいなくなっており、自分の背中に重い衝撃が走ったのを感じた。

🖤「グハッ……!」

吹き飛ばされた俺は十数メートル先に叩きつけられ、床を転がる。槍を支えに立ち上がると、表情を一切変えることのないフリーズが言う。

「仲間のことよりも先に、もっとご自身の体力をお分かりになった方が良いのではないでしょうか……」

長時間の戦いで、集中力よりも先に俺の体力の限界が来てしまった。いつもはラウールに回復してもらっているから持ち堪えられていたけど、今は俺一人。回復用のポーションももう無い。

🖤「うるせえ……」

図星を疲れてそう答えるしかできなかった俺。フリーズはニヤリと笑みを浮かべる。

「ふふっ、ではそろそろ、終わりにしましょうか」

そう言ったかと思えば、足元から黒い触手が出てきて俺の首を締め上げる。

🖤「ぐっ……!?」

咄嗟に首回りの触手を凍らせ、ギリギリのところで首が締まらないように持ち堪える。

「このまま消えてください」

フリーズが拳を強く握るほど、だんだん強く締め付けられる首。体も持ち上げられたことで余計に首が苦しくなる。

まずい、このままじゃ俺……

💙「目黒!」🤍「めめ!!」

諦めそうになった時、バーン!と大きな音を立てて扉が開き、8人が部屋に駆け込んできた。

(続く)

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コメント

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うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! めめが無事でよかったのとメンバー9人揃ったことが何より嬉しいです😭✨ もう言葉に出来ないほど続き楽しみピーマンであります!!!

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