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涌井 明里
ん……
明里はゆっくりと目を開ける。
涌井 明里
…………
水木 陸
……!
水木 陸
涌井さん
明里は保健室のベッドで眠っていた。
ベッドの近くで陸が椅子に座っている。
水木 陸
よかった…
涌井 明里
あれ…
涌井 明里
ごめんなさい、私流れ弾に当たったんだ、よね…?
明里はむくりと体を起こす。
水木 陸
……ごめん
水木 陸
俺のスパイクが当たって__
涌井 明里
水木さんの__
涌井 明里
ごめんなさい。ぼーっとしてたから
水木 陸
ううん
水木 陸
なんか力んじゃって……
水木 陸
ほんとごめん!
陸はバッと頭を下げた。
涌井 明里
えっ!?
涌井 明里
だ、大丈夫だよ!ほんとに!
水木 陸
失神するほどに痛かったんだよね…
涌井 明里
ううん!水木さんのスパイクの威力が強かっただけ!
涌井 明里
痛くなかった!ただの衝撃で……!
水木 陸
……
水木 陸
ふっ
陸は笑みをこぼした。
涌井 明里
……え?
水木 陸
ははっ、必死すぎ涌井さん
水木 陸
俺が悪いのに、怒ればいいじゃん…
涌井 明里
だから、悪くないもん!
水木 陸
…………
水木 陸
優しいね
涌井 明里
や、優しくなんて……
涌井 明里
……
涌井 明里
そういえば、みんなは?
水木 陸
凌たちはまだ練習試合してる
水木 陸
日坂…特に凌は
水木 陸
「俺が明里見るからどっか行ってろ」っつってたけど
水木 陸
どうにか追い出してやった
涌井 明里
すごいね……
水木 陸
俺が涌井さんに当てた張本人だし
涌井 明里
……うん。ありがとう
涌井 明里
……眠ってた時よだれとかたれてなかった…??
水木 陸
…………
水木 陸
たれてた
涌井 明里
うぇえっ!?
明里の顔は赤くなる。
水木 陸
……ふっ
水木 陸
うーそ
涌井 明里
……っ
涌井 明里
もー……
涌井 明里
よかった…
水木 陸
かわいかったよ?
涌井 明里
…………
涌井 明里
っだから、そんな恥ずかしいことサラッと言わないでよ……
水木 陸
……
水木 陸
…ごめんね、今日ぼーっとしてたの
水木 陸
昼俺が変な話したからだよね
「涌井さんも凌のこと、好きなんでしょ」
涌井 明里
……っ
水木 陸
…やっぱり
水木 陸
ごめん。
涌井 明里
いやっ、
涌井 明里
……
涌井 明里
水木さん、謝ってばっか
水木 陸
……
涌井 明里
昔の私みたい…
水木 陸
…なにそれ?
涌井 明里
全部自分で溜め込んじゃうんだよ
水木 陸
……
涌井 明里
わかるよ
涌井 明里
自分の中で溜め込んじゃうのが1番楽だもん
涌井 明里
でもそれが1番苦しい…
水木 陸
…そうだね
水木 陸
そうかもしれない
水木 陸
溜め込んでたはずなのに
水木 陸
今日の昼、思わず涌井さんの前だと口に出ちゃった…
涌井 明里
……いいよ
昔の私は凌くんに助けてもらった
……だから、私は
涌井 明里
(水木さんを助けてあげたい)
辛い気持ち、苦しい気持ち
涌井 明里
(私が1番分かってるから__)
涌井 明里
私の前だけでも
涌井 明里
素直になってみてほしい……
水木 陸
……
涌井 明里
1つ、どんな小さくてもいい
涌井 明里
溜まった辛い気持ちを吐き出せる場所があれば
涌井 明里
少し気も楽になる…と思う
涌井 明里
(……って、私なんかが言っても何もないけど……)
水木 陸
…………
水木 陸
はぁぁ〜〜〜……
陸はため息をつきながら俯いた。
水木 陸
…………
水木 陸
いいの?
陸はちらっと明里を見る。
涌井 明里
うん!
明里は優しく微笑んだ。
水木 陸
…………っ
水木 陸
ありがと、涌井さん
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水木 陸
俺、中学の頃から凌と2人戦ってきたんだ
水木 陸
みんな俺たちふたりはすごいっていうけど
水木 陸
そんなことない
水木 陸
すごいのは凌なんだ
涌井 明里
……うん
水木 陸
俺は凌に追いつくので精一杯
水木 陸
アイツの何倍も練習して
水木 陸
やっと一緒の土俵に立てる
涌井 明里
……
水木 陸
だから逃げた
水木 陸
また辛い思いをしたくなかったから
水木 陸
月葉にきたんだ
涌井 明里
……うん
水木 陸
でも……それは結局は”逃げ”
水木 陸
月葉に来て凌みたいなライバルがいなくなって__
水木 陸
……日坂…いや、凌と試合する度
水木 陸
アイツの成長速度に圧倒される
水木 陸
インターハイに勝ったのだって柳家先輩や関先輩のおかげだ
水木 陸
俺個人では凌に勝てない
涌井 明里
…………
明里は俯く陸の頭を撫でていた。
水木 陸
えっ
涌井 明里
……えっ
明里はバッと手を離す。
涌井 明里
なな、なにしてんの!?
水木 陸
こっちのセリフ、なんだけど…
涌井 明里
(なんで!無意識に__)
陸の耳はほんのり赤くなった。
涌井 明里
ご、ごめんね……
水木 陸
……
水木 陸
慰めてくれたの?
涌井 明里
……わ、わかんない
涌井 明里
でも、
涌井 明里
そんなに自分を否定しないでほしいなって……
水木 陸
……!
涌井 明里
凌くんはたしかに凄い
涌井 明里
でも水木さんも絶対負けてない!
水木 陸
……何も知らないじゃん
涌井 明里
知ってるもん
明里は自分の前髪をかきあげ、赤くなって額を見せた。
涌井 明里
今日、体張って体感した
水木 陸
…!
涌井 明里
私を気絶させちゃうくらい
涌井 明里
水木さんは強いよ
水木 陸
……
水木 陸
っく
水木 陸
っはは!
陸は腹を抱えて笑いだした。
涌井 明里
……へ
水木 陸
……ふふ
水木 陸
確かにね
水木 陸
俺のスパイクの強さは涌井さんが1番知ってるよ
涌井 明里
うん!
水木 陸
……あーやば
水木 陸
泣きそう
涌井 明里
えええっ!
涌井 明里
だめだめ!
水木 陸
……
陸は明里の手をぎゅっと握った。
水木 陸
ありがと、涌井さん
水木 陸
めっちゃ元気出た
涌井 明里
……!
涌井 明里
よかった〜…
私も凌くんみたいになれたような
……そんな気がして嬉しかった
👋👋👋