【第21話・悪食①】
さすがに宿泊するわけにはいかなかったので、莉乃と優斗は二時間程でラブホテルを出た。
手を繋いで帰り道を歩く。
すでに午後十時を過ぎていて、月の輪郭がやたらと綺麗に見えた。
(満たされていると、この世は意外なほど美しく見えるんだな……)
(幸せな人間と不幸せな人間は見ている世界がきっと違うんだ)
それはもうそれだけで不幸なことだ。
つい先日までの莉乃自身がそうだった。
「本当に駅まで送らなくていいの?」
「うん。大丈夫ありがと」
吉村明日美から電話があったのは、莉乃が優斗とさよならのハグをした直後だった。
まだ下腹部に残る擦れた温かさの余韻を感じながら莉乃は電話にでた。
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