「しょうた……っ…!」
俺の舌が、翔太の甘い口内を貪ると、翔太は苦しそうに喘ぎ、後ろへと重心を逸らした。すかさずその細い腰に腕を回し、さらに奥へと口付ける。翔太の白い頬が紅く染まり、握り拳が飛んでくる……
んっ!?
握り拳?
気づいた時には、目から火花が飛び出していた。
「いって!舌噛むだろ!!!」
堪らず抗議すると、翔太は荒い息遣いのまま、俺を可愛らしく睨みつけた。その視線に、『あん、可愛い♡』と見惚れているうちに、ぷいっと踵を返し、形の良い小尻をフリフリさせながら、廊下を曲がり、去って行った。
俺は痛む可哀想な頭を摩りながら、その後ろを追って行く…。
グループの大切な頭脳だぞ……もっと敬えよ。
と、言うわけで、ここは局の廊下。
俺たちの熱烈なキスを目に留めて呆気に取られ、立ち竦んでいた若いADの女の子に、すれ違いざまにウインクをする。
新顔だな。
俺たちの番組のスタッフは、もう、俺と翔太が抱き合ってようが、キスしていようが、驚きも冷やかしもしない。既に日常。
番組のプロデューサーには、阿部ちゃん、程々にしろよなどと苦言を呈されている。
その度に、ごめんごめん、うちの奥さんが可愛くってね、と左手の指輪を煌めかせ、笑顔で返している。
9人が集う騒がしい楽屋へと戻ると………
「「阿部……ちゃんっ!!」」
目黒と照の汚い二重奏が俺を出迎えた。
2人とも首元を押さえて、しかめっ面をしている。
ああ、飲んだのね。
2人の化粧前に、俺が独自にブレンドした超苦いお茶を『ミラノでのお仕事お疲れ様♡おかえりなさい、どうぞ♡♡』と可愛らしくメモ書きを残して置いておいた。
ミラノ帰りの2人への俺からのせめてものプレゼントです。喜んでくれたようでよかった♡♡
2人がいつまでもうがいをしたり、口内の苦味を洗い流そうと水を飲んでいる姿を見て、康二は『俺、ロンドンでよかったわ、ほんま』などと同情している。めめは涙目だ。深夜に俺の翔太と散歩デートなんかしやがったから、照の倍は苦くしておいた。
「なべ、腰いてぇのか?湿布いるか?」
楽屋脇のソファでうつ伏せになり、涼太に腰を揉んでもらいながら、翔太はふっかに心配されている。
………昨夜、ちょっと溢れる愛をぶつけすぎたのかもしれない。
翔太がミラノにいた数日、俺は寂しくて寂しくて仕方がなかった。おまけに、阿部ちゃんにレザージャケットをあげたいなんて公に言うもんだから、そこの動画は繰り返し再生して、何度も心に焼き付けたよね。
ありがたいことに、ファンの方の中にも、阿部ちゃんにもアンバサダーをと言ってくれる声をいくつか見掛けた。俺は自分の裏垢でいいねを押して、自分でもいくつかファンのふりをして阿部ちゃんをよろしくと発信しておくのは忘れなかった。ああいうの、結構企業さん、見てらっしゃるから…。
別にブランドのアンバサダーとか、招待とかどうでもいいけど、同じ時期に同じ国に翔太と行きたい。関係各社の方々、どうぞよろしくお願いします。これ以上哀れな被害を広めないためにも…。
Snow Man 阿部亮平より愛を込めて……♡
コメント
11件
読むの遅くなってすみません💦 あべなべ最高です💖
あべなべッッッッ(最高です) まきぴよさんの書くあべなべ大好きッッッッ(海老反り)
親指が吹っ飛ぶまで♡押したい笑 めっちゃ好き!!!!! お昼休みに1人悶えてます。