日本家の朝は味噌汁の匂いから始まる。
今日も6時半ぴったりに味噌汁が出来上がる。味噌汁とおかずを食卓に置いて、にゃぽんを起こしに行く。
ドアをノックする。
「おはよう、にゃぽん。朝だよ。」
すぐに返事が返ってきたため、リビングに戻り、もう一度食卓の準備をしていると、数分後ににゃぽんが眠たそうな目を擦って起きてきた。
「おはよ…今日の朝ごはんはなに?」
「おはよう。今日はわかめと豆腐の味噌汁と焼き鮭だよ。骨あるから気をつけて食べてね。」
鮭と聞いた瞬間、眠気が吹っ飛んだのかキラキラした目ですぐ食卓に来て、手を合わせて食べ始めた。
「いただきまーす!」
ものすごいスピードだが綺麗にバランスよく食べ進めていく。
「やっぱり日本の料理が1番だね!」
褒めながら食べてくれるにゃぽんにありがとうと言いながら、自分も箸を取ってきて食べる。
……バランスよくといえば、日本人が習う三角食べは日本文化らしい。この前、アメリカさんと一緒に和食店にいって三角食べをしたら、驚かれた記憶がある。
…そんなことを思い出していたら、母さんが部屋から出てきた。
「おはよう、母さん。ご飯できてるよ。」
「…あぁ。」
すぐに同じ食卓について一緒に食べはじめる。
その直後にはにゃぽんが食べ終わっていて、学校に行く準備をしに部屋へ向かう。
「ごちそうさまでしたー!」
「はーい。」
母さんも母さんで、元陸軍だからか食べるのが早く、自分より先に食べ終わりそうなレベルだった。
「…母さん、今日の調子はどう?」
母さんは少し前まで体調を崩していたのだが、今日は顔が割と穏やかだ。
「…まぁ、それなりに。」
「よかった。」
母さんが食べ終わって数十分すれば、にゃぽんが部屋から出てきて、すぐさま玄関に向かう。自分も見送りするために共に玄関に向かう。
「いってきまーす!」
「はい、行ってらっしゃい。」
にゃぽんを見送ってリビングに戻ったら、母さんは新聞を読んでいた。
「僕も準備してきますね。」
「嗚呼。」
母さんは元陸軍で、今は仕事もしていないが、たまに家の掃除や家事を代わりにやってくれていたりする。有難い。
数分したら準備が終わったため、出ようとしたら、さっきまで新聞を読んでいた母さんが見送りに来てくれた。
「じゃあ、いってきます。」
「行ってらっしゃい。」
…僕がドアを閉め終わるまで手を振って、その後はまたリビングで新聞を読み始めた。
これが日本家の朝だ。
コメント
2件
好き、そんで文才あるわぁ
先に言う、神作、好き