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#妖怪パロ
黒音
87
ruruha
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それは、母さんが亡くなる前の記憶だ。
澄んだ空気と整えられた芝生。等間隔で固定された的。そして改装したばかりでキレイな弓道場。そこには、決勝戦で勝ち残った5人がいた。たしか、優勝したのは…。
「福来!起きろ!」
「ん‘’〜っ、今何時?」
「8時!入学初日から遅刻するよ!」
ムダに高く大きな声に俺の脳は強制的に目覚めた。そして顔は青ざめたと思う。
「笑花車で送って! 」
「はぁ?なんでアタシがわざわざ車出さないといけないのよ」
「マジで頼むから!今度飯奢る!」
『今度飯奢る!』
繰り返された俺の声に耳を疑う。得意げな顔をした姉の顔を見て、俺は眉間にシワを寄せた。
「言質はとったからね」
どうやら、スマホで動画を撮っていたようだ。
「そういうとこだけ頭回って…」
「やっぱ車出さなーい」
「ごめんて!」
俺は急いで白清高校の制服に腕を通した。
紺色がベースに灰色のチェックが入ったズボンとネクタイは他校からも人気を寄せている。ブレザーはズボンと同じ色がベースで、襟のところに白いラインが入っている。胸ポケットについている校章は少しゴツいと、個人的に思っている。
まだ慣れない制服に身を包み、俺はギリギリの時間で教室に到着した。知らない人ばかりで少し緊張する。なんとなく、周りの緊張した空気が伝わってくる。すこし教室の雰囲気がピリピリしているようだ。
自分の席に座り、荷物を机の横にかける。すると、隣から声をかけられた。
「ねねっ、和平虎一って言います!君は?」
座ってすぐに声をかけてくる性格もそうだけど、顔を見るとさらに犬みたいな人だなと思った。
天パのようなふわふわの髪は、元々色素が薄いのか少し茶色だ。短髪で切りそろえられた髪型を見ると、この日の為に美容室に行ったのだろうと思われる。目はたれ目で、どこか優しい雰囲気を持っている。だから俺は安心して応えることができた。
「藤原福来です。福来って呼んでね」
「じゃあ俺のことはトラって呼んでよ。いい?福来」
「うん。トラ」
入学初日から新しい友達ができた。これからの学校生活、上手くやっていけるのかもしれない。
「福来は部活どうする?」
「んー、弓道かな。トラは?」
「俺はバスケ!小学校の頃からやってんだー 」
「そっか。白清ってバスケ強豪校だったね」
去年の冬に白清高校のバスケ部が全国出場したと笑花が言っていたのを思い出す。
「福来はなんで弓道?」
「あ、俺経験者なんだよ。中学から」
すげぇ、と言いながらトラはおそらく同じ中学だった人と話し始める。
俺は同じ中学で白清に来た人はいない。通学するには少し遠くて不便だからだ。
「体育館に移動するので着いてきてくださーい」
若い女の先生が声をかける。教室の全員がそれに従って廊下に出た。俺も廊下に出ると、隣のクラスから出てきた男子生徒にぶつかってしまった。あわてて謝ろうとすると、あることに気づく。
「もしかして、あの弓道場にいた人ですか」
「…なんのことですか?」
片目を髪で隠した男子生徒は首をかしげる。でも、俺は自分の目を疑ったりしなかった。
あの弓道場で見た決勝戦。最後まで中て続け、最終的に優勝したあの人だ。
「弓道、したことありますよね!」
「無いです」
キッパリとそう言われ、俺は他人の空似だと思った。
でも、後にこの出会いが俺と彼の人生を大きく変えるとは誰も思っていなかった。
コメント
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おおお第1話からすでに気になる展開すぎる〜!!✨ 弓道経験者の福来くんと、絶対弓道やってるのに「無いです」って言い切ったあの男子…! この後のすれ違いとか再会とか、もう想像しただけでエモさ爆発しそう😭💕 トラくんも犬系でかわいいし、姉・笑花さんのツンデレ感もたまらん♡ 続きが気になりすぎて夜しか眠れないんだけど!?!? 福来くんの過去とか、優勝した日の記憶とか、どう繋がっていくのかな…🌸