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「お主、わしを頼れ。」
?ん?どういうことだ?
「わ、わしを頼れってどういうことですか?」
意味が全てわからなかったので、そのままの疑問を口にした。
「朱鳥、考えてみよ。わしは守護神じゃろう?じゃからわしは力になりたいのじゃ。」
「えっとー具体的には?」
「そうじゃ!わしがエルの戦い方を朱鳥に伝授してやるのじゃ!」
「えっ!?どうやるんですか?!」
私はエルの戦い方を伝授してくれると聞いて目を輝かせた。
「ふっふっふ!そんなに気になるか?」
「気になります!!」
早く教えてよ〜
「そんなに気になるのか〜?」
「はい!!」
ねぇねぇー早くしてよ〜
「じゃあ教えてやろう。それは…」
「それは…?」
ドキドキ。
「それは…朱鳥自身でやるのじゃ!!」
「ふえ?え、伝授してくれるんでしょ?教えてくれるんじゃないんですか?」
予想外の展開に、私は突拍子もない声を出してしまった。
「教えてやるが、わしの力はこのままではあまり使えないのじゃ。まあ、現実世界に出してくれれば話は別じゃが…」
と、チラチラと見てくる守護神様に、私は仕方がなく言った。
「仕方ない、いいですよ。出してあげますね」
「さすがなのじゃ朱鳥!ようわかっとるではないか!」
「あの、名前は?」
私は気になったことを口にする。
「名乗っていなかったな。わしは「未鈴(みすず)」と言うのじゃ。まぁ、お主の守護神じゃから、丁重に扱うのじゃぞ。」
「未鈴、私は今はエルなんです。エルって呼んでくださいね」
「わかったのじゃ。ではあす…じゃなくてエルはわしにタメ口で接するのじゃ。わしはお主の守護神。お主が主人でわしは従属じゃからな。」
「わ、わかったよ。よろしくね、未鈴。」
疑問なことはまだまだあるが、後々聞くことにしよう。
朝。
「んー」
まだ眠いな〜二度寝しちゃおっかな〜
「ほれ、早くしないと天使達に迷惑がかかるのじゃぞ。早くしないか。」
「え!?なんでいんの!」
「お主が言ったではないか、“いいですよ。出してあげますね”と。じゃから、わしは一人の神として表に出てきたじゃ。」
ほほーう?なるほど?
「エル、わかってないじゃろ?」
「はい!わかりませんね!」
「まあいいのじゃ。ほれ、訓練場にいくぞ。」
「え!?まだ起きたばっかだし!仕事あるし!ご飯食べたいし!まだ寝たい!」
「最後のは私欲じゃろ?」
うう、そうなの!そうなんだけどね!
「ほれ、いくからの?!『別空間の扉』」
と、未鈴に無理やり別の場所に行かされてしまった。
ここは…どこ?
「安心せい。ここはわしの魔術じゃ。」
まるで私の心を読んだのかのようにそう言った。
「魔術?」
「そう、魔術じゃ。魔術とはのぉ、魔法の上位互換。使えるのはごく少数なのじゃ。つまりわしはとっても強くて偉い守護神なのじゃ。」
「なるほどね、よくあるファンタジーものの説明と似てるのね〜」
「なんなのじゃ。そのやる気のない目は。」
「だって、私が創った漫画の世界とおんなじなんだもん。聞かなきゃ良かったなぁって」
「もう、お主はほんとに…」
「ん?なんて言ったの?」
なんて言ったのか声が小さくてよく聞こえなかった。
「な、なんでもないのじゃ!
(流石に言えんのぉ。エルの素直なところが仕えた時からずっと好きじゃ。だなんて。)
恥ではないか。」
んもう。焦らしちゃって〜
最後の言葉は漏れてたしね。ちょっと可愛いとこあるじゃん。
「てか、早く鍛錬しよ!時間が勿体ないでしょ」
「いや、この空間の特性は“即復活”と“現実世界時間停止”じゃから大丈夫じゃぞ。安心せい。」
「あ、そうなの?なんかすごいね」
「お主もこんな魔術はすぐに会得できるはずじゃ。なにせこの守護神ができるなら主人もできるじゃろ!」
「そんなわけないでしょ!」
私は元の世界ではイジメを受けていた。
それほど弱い私がそんな凄そうな魔術使えるわけないでしょ。
「よし、じゃあ始まるぞ!」
「は、はいぃ…頑張ります…」
それから私の新しい一日が始まった。
「ヤバっ」
「うむ、ヤバっじゃな。お主、今日だけでだいぶ出来るようになったではないか。」
「うん、ホントにヤバいよ。」
「エル、ちゃんとエルにならないとヘマしてしまうぞ?」
「そ、そうだね。気をつける。」
「では仕事に行くのじゃ。」
「うん。」
私は身だしなみを整えて、ドアを開ける。
私達天使の部屋は意外と広い。
そもそも天界自体が地球の100倍くらいあるので、無限くらいある。
「おはようございます!」
「あぁ、おはよう。」
私の部屋の前を通った天使達が私を見る。
「こ、今度!お相手して頂けませんか!?」
「突然だな。そうだね、シュエルは強いから良い相手になるだろう、良いぞ。」
「あ、ありがとうございます!」
毎日のように対戦を申し込まれる。
今の私はエルの感覚全てを引き継いでいるので、かなり強い。
でも、前のエルほどではない。
作戦や技の判断は私なので、ちょっと弱い。
「今日の仕事はっと。」
仕事は脳内にパソコンのように流れてくる。このシステムも少し慣れてきた。
えっと…ん?「天界に紛れ込んでしまった悪魔族がいる魔界に返せ」と…今日はこれにしようかな。
詳細は…「大魔神。あらゆるものからエネルギーを吸って生きる。即任務を遂行せよ」
なんて強く醜い大魔神だ。
「可哀想な大魔神だな。魔神は手慣れている。私が責任持って家に帰してやろう。さあ、逃がさないからな。大魔神。」