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そんなこんなで、私達は楽しく暮らしていました。
 蘭華と一緒に過ごしていたからか、心の声は敬語じゃなくなった。
 「なぁ、欧華、ライラック見に行かね?」
 それは突然の事だった。蘭華がライラックの花を見に行こうと言い出したのだ。
 「ライラック、ですか?」
 私は、不思議そうにそう聞き返しました。
 「そうそう。私も最近花畑とか行って無くてさ、久しぶりに行きたいなぁってさ」
 ニカッと笑いながら「どう?」って蘭華は聞いてきた。
 「楽しそうですし、是非とも行きたいです」
 私がそう答えてから数日後、ライラックの沢山咲いている場所に来た。
 「綺麗」
 私の口からその一言だけが零れ出てきた。
 「だろ!」
 その時、心の中の何かが爆発した気がした。
 楽しい、幸せ、綺麗、素敵
 そんな感情だったと思う。
 「ッ!」
 蘭華は一瞬苦しそうな顔をして、笑顔を浮かべて、かと思ったら、直ぐに鏡の中に入って行った。
 私自身も何が起きたのかが分かっていなかった。
 それから数分、私の感情の高鳴りは収まっていた。
 不思議に思っていると、鏡の中から蘭華が出てきた。
 「さっきの、欧華の能力か」
 私の肩を鷲掴みし、蘭華はそう問いただした。
 能力を私はまだ使ったことが無く、自分自身でも良くわかっていなかった。
 「わ、分かりません」
 私は動揺を隠せなかった。
 「!いや、悪い。ちょっと、私も動揺してたみたいだ」
 そう言って、蘭華は何時も見せてくれる優しい笑顔を此方に向けてくれました。
 「取り敢えず、欧華、私達ドールのリーダー、、、愛華の元へ行こう。いや、行くぞ」
 今までに見せたことの無いような真剣な表情をしていました。
 リーダーの愛華さんの所へ行くのはもう決定事項のようだ。
 それから蘭華と出会った時のように、手鏡の中に入った。