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夢の中だった。

過去という名の夢の中だった。

土砂降りの雨の中、私は城を抜け出した。

伯爵の息子がオカシイぐらい、しつこかった。

ドレスの息苦しさが嫌になった。

メイド達の猫なで声が気持ち悪かった。

魔王の期待が‥…‥お父さんの期待がとても重かった。

追ってくる兵士達を魔法で薙ぎ払った。

初めて誰かを殺した瞬間だった。

“殺した”と分かった私は城に戻れなくなった。

姉達にどんな目で見られるか怖かったから。

兄達の態度が変わるのが怖かったから。

側室の子とはいえ、王女だったからこその待遇だったのだろう。

私は私の”居場所”を失う事が怖かった。

漂うように。只、酔うように。

歩くだけだった。

歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いてアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテアルイテ?

時間がいっぱい過ぎた。時間だけが過ぎていた。

息をする度、血の味がする。

今、歩いてるのかすら分からない。

足の裏の感覚が無くなった時、私は倒れ、動かなくなった。

意識が暗くなっていく中、声が聞こえた。

『必滅者よ。何故、進む?』

「……ぇ…ぁ…?」

『何故、進むかと聞いている。』

「…ぁ……ぁ。」

声が出ない。

肺に穴が空いたように、息をしても体が空気を求める。

『情けない……これでどうだ?』

優しい緑色の光が私を撫でた。

徐々に私の意識が現実に引っ張られて、元に戻り始めた。

『答えろ、必滅者。オr、いや、我を待たせるな。』

「……いやだ…から。ぜん、ぶ……いや、だから。」

『随分と否定的だな‥…‥その…飴ちゃん食べる?』

姿の見えない声だけの存在にいまだに朦朧してる私は問いを投げた。

「あなッたは……誰?」

『オr、我は通りすがりの神……倒れてる必滅者を見つけ、声をかけた次第だ。』

「やさ…しいッです、ね……」

神……って、そんなのがいたら……違う私に生まれ変われるかな。

『君は素晴らしい必滅者だ。ナニカ欲しいモノある?何でもあげちゃうゾ☆』

失礼極まりないが、私は神はチョロいと思った。

「じゃぁ…○○が、ほしい……です。無理だと……思いますが‥…‥」

半ば自棄糞に私は望みを口にした。

『○○ね~、いいよ。君は見所もあるし……でも、オラはそれに代償を望むよ。何事にも、対価は必要だ。』

本当に叶えるとでも言う神の言い草に、私は信じてみることにした。

「何を……望むんですか?」

『まずは、君に加護を授けさせて欲しい。後はそうだね……僕も君の○○を望むよ。』

「……ズルいですよ……」

『神はズルいんだ。そこがチャームポイントさ!』

その一言の直後、右手が腐り始めた。

『あらら……加護が強すぎたみたいだね。』

「あぎっっっっっ!!!」

途轍もない痛みが右手を襲う。

『一先ず、これをつけてもらうよ。これで抑えられる筈だ。』

神さんが何もないところに指輪を現れさせて、私の中指に白い指輪をつけた。

つけられるのと同時に、激痛が去った。

『君って、どこに住んでるの?この辺に住んでる訳じゃないでしょ?』

ボロ雑巾になったドレスを着てる私を見て、神さんが言った。

「へ、ヘルエアウィムの……タ、タナトスに……住んで、ます……」

『めっちゃ遠いな……一応聞くけど、家出?』

「はい……」

『何があったかは聞かないでおくよ……目を瞑ってくれ。』

「はッはいッッ!」

しばらく目を瞑り、神さんの次の言葉を待っていたが、急に男の声が聞こえて、目をあけると、目の前には魔王が、……お父さんがいた。



私への評価は変わった。

期待は軽蔑に。優しさは厳しさに変わった。

しかも、私の腐った右手を見た医者達に、私は3年の余命宣告を受けた。

何が加護なんだが。

でも、なんだか、重い荷物が消えた気がした。


「こ、こうですか?」

右手を動かしたら、ナカユビさんが物凄く痛がるので、私は腐ってる右手を動かさないように魔王城の廊下を歩いてる。

『ああ、その調子で頼む。』

朝起きてみたら、中指が喋りはじめた私だけど、その中指はてんせーしゃー?っていう別の世界からきた人が生まれ変わったからだそうだ。

『ご飯っていつも、1人で食べるの?』

「ひ、一人で食べま、ますけど、そ、その、メイドさんが‥後ろで待機ぃ、してます。」

自分の中指とはいえ、やっぱり誰かと喋るのは恥ずかしいッ。

ナカユビさんに色々質問されている間、いつの間に廊下を通りきって、魔動機が目に見えてきた。

『なぁ‥…‥あれって……エレベーター…なのか?』

「え、えれべぇたぁ?あれは、ま、魔動機で、ですけど…」

『まどーき?』

「え、えーと、ま、魔動力ぅ昇降機を略し、して、魔力機ってよ、よびます。」

『なるほど……よく分からん。』

中指の中の人は、魔動機も知らないようだ。

さっきからの質問といい、本当に別世界からきたみたい……アスタロトの悪ふざけじゃないみたいだし‥…‥

私は左手で、魔動機の下から4番目のボタンを押した。

『食堂に行くのか?』

「は、はい。よ、4階に食堂がありますので……」

ナニカ大事なモノを言い忘れた気がする。

‥…‥‥…‥‥…‥‥…‥‥…‥‥…‥あ!

「あ、あのー……」『うん?』

「じ、実はわ、私病気なんです。」『え?』

「そ、それで…さ、3年後死にます。」

『マジで?』

「は、はい。」

『ちょ、ちょっと待て。じゃぁ、右手が腐ってる理由は‥…‥』

「ご、ご想像に、ま、任せます。」



どうも、ハラムちゃんです。

オッサンを釣る為にかけたセンシティブを解除した途端、いいね!が膨れ上がり、困惑しています。

たくさんのいいね!をぐださり、ありがとうございます。感謝しても感謝しきれません。

魔王の娘の中指に転生しました。

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