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Hoicoro
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ロボットの王
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成瀬りん
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コメント
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お館様、まさかの乙女心だったんですね……!触手でコッソリ家具を組み立てる姿にほっこりしたのに、最後の「二人で組み立てたかった」に全部持ってかれました。姿を見せられないもどかしさと、真希さんのまっすぐな想い。切なくて、でも温かい。続きがすごく気になります😌
なんだかんだありつつも、牧之原真希氏は館で暮らし続けている。彼女に、館を壊そうという気持ちがみじんもないのはうれしい。体が弱いならいくらでも手を貸すから、ずっと館にいてくれたら嬉しいのだが。 今日の真希氏は家具を組み立てたいらしくて、玄関先から四苦八苦して部屋に部品を運んでいる。そんなに頑張らなくとも、しばらく目を離しておいてくれれば私が運んで組み立てるのに。
彼女は部品を全部部屋に運び込み、パソコンより薄い板に漫画の少女が動いて喋る動画を映し、少女の喋りを聞きながら引き出しを組み立てたり家具の骨組みを作ったりしてヒイヒイ言っていた。しかし、組み立てはだいぶ難航していて、真希氏は改めて説明書をじっくり見て、愕然とした顔をし、それからすべてを放り出してベッドに倒れ込んでしまった。い、いったい何が……。
天井から見てみると、説明書には「二人で組み立ててください」の文字。な、なるほど……一人では組み立てられないと突きつけられてしまったのか……。
真希氏の様子を伺い、彼女が寝息を立てだしたのを確認して、私は、床に染み込ませた自分の体から触手を伸ばした。複数の触手を伸ばして、物音を立てないよう細心の注意を払いながら、家具の残りを組み立てる。出来上がったのは、たくさん物を入れられそうな引き出しがいくつもついた服掛。よし、これでいいだろう!
しばらくして起きてきた真希氏は、服掛を見て驚き、それから虚空を見て「お、お館様……?」とつぶやいた。彼女は私を祖父の霊だと勘違いしている。祖父が力を貸してくれたのだと思っているのだろう。
彼女は虚空にお礼を言い、それなら服掛を触り、そして机に置いておいた組み立て説明書に目を落とし、びっくりするようなことを言った。
「あの、私は……お館様にお会いしてみたいというか……二人で組み立てる家具だったから、二人で組み立てられたら嬉しかったんですけど、そういうのはダメなんでしょうか……?」
二人で!?
ど、どどどどうしよう、人前に姿を出すという発想がなかった。だって、だってこんな……透明な粘菌みたいな物が人前に出たところで、どうなる!? 悲鳴を上げられるだけじゃないか!?
私は真希氏に何も返事しなかったし、できなかった。真希氏はしばらくこちらの反応を待っているようだったが、そのうち諦めたらしくて、服掛にハンガーをかけだした。