聞き覚えのある名前とともに
 ドアから出てくる見覚えのある顔
 
 
 毅「は…!?」
 
 玲「ちょっと、毅いきなりなに」
 
 毅「いや…なんでもない、、」
 
 
 
 なんであいつがここにいるんだろうか
 本当にあの仁人なのかという疑心と、
 そうであって欲しい期待が心を掻き乱した
 
 
 
 
 ドアを開け、中に入ると一番に目が合った
 
 が、それも直ぐに逸らしてしまった
 
 
 
 今までとは違う、増える真剣な眼差し…
 それもこれから共に歩んで行くかもしれない人達の,,
 
 緊張と不安でさらに体が恐縮した
 
 
 それでも自然と視界にはいるM!LKのメンバーたちがなぜか笑顔で俺を見てるから
 
 少しばかりか緊張も緩んだ
 
 
 『それでは、軽く自己紹介をしてからお願いします。』
 
 
 はい
 吉田仁人です。____.
 
 
 
 
 「はい。吉田仁人です。鹿児島県出身です。」
 
 
 
 
 不安そうな表情を浮かべながら
 自己紹介をするこの声は
 
 紛れもなく俺の横で歌っていた"吉田仁人"の声だった
 
 
 自己紹介を淡々とする仁人に
 久しぶりに歌声が聞けるという希望を抱きながら真剣に聞いた。
 
 
 
 しかし、俺の期待は簡単に裏切られたらしい。
 
 
 
 「僕はSUPER★DRAGONさんで"リトル・ラヴァーズ"を…」
 
 
 
 玲「お、俺らの曲だよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 "踊ります"
 
 
 
 
 
 
 
 毅「は…?」
 
 
 玲「お前さっきっから大丈夫か?」
 
 
 
 『では、音お願いします』
 
 
 
 
 未だに不安そうに見える仁人に曲が降りかかった。
 
 
 "踊る"と抉るような裏切られた感覚を
 
 治癒するような新たな裏切りが覆った
 
 
 曲がかかると、そこに居たのは
 今の今まで不安そうにしていた吉田仁人ではなかったから
 
 
 俺が昔見ていた
 俺の横で歌っていた
 あの吉田仁人だったから
 
 
 久しぶりに見る仁人のあの切り替えに
 心臓がビリビリと奮い立つのを感じた
 
 
 
 
 
 
 
 あぁなんだ…あの時と変わってねぇじゃん
 やっぱり…これがお前の才能だよ__,,,
 
 
 
 
 
 
 
 曲が終わり、盛大な拍手が鳴る
 
 
 次々と感想を述べていく中で俺は周りとは違うことを言った。
 
 
 
 「吉田さん…ですよね」
 
 
 「はい…」
 
 
 「突然で申し訳ないんですが…
 歌って貰えませんか?
 曲は"EBiDAN以外"でも、なんでも構いません」
 
 
 
 
 『…は?』
 
 
 
 俺の発言にその場にいたみんなが驚愕した
 それもそうだろう、ダンスしか選択していない人にいきなり歌えと、この空気の中、半ば強制にお願いしているのだから。
 
 
 
 玲「お前…何言ってんだよ!」
 
 
 
 しかし、みんなが驚愕したのは俺の異質な発言だけではない
 
 俺の頼みに黙りながらも口角を上げ、俺を見つめる仁人を見たからだろう
 
 
 毅「レコード室にピアノ,,ありましたよね…持ってきて貰えませんか?」
 
 玲「だからお前何言って…」
 
 毅「ピアノであればなんでも構いません」
 
 
 
 曲は俺が弾きます。
 
 
 …
 
 
 
 ピアノが運ばれ、セッティングされた
 
 
 
 
 あぁ、この感じだ…
 譜面台から横に視線を流すと合う仁人の視線
 
 自然と自分の口角も上がっていった
 
 
 お互いに言わなくても
これから披露する曲は分かりきっている
 
 
 楽譜なんていらない
 
 
 お互いに視線を合わせ、
 高鳴る鼓動とともに
 1度微笑みあって始めた
 
 
 
 
 
 "俺らの配信"
 
 
 
 
 
 
 それでは聞いてください。____.
コメント
3件

うわあああ2人でまた演奏とかイイじゃんすぎる

続き楽しみにしてます