音沙汰の無い空間に響く歌声とピアノの音
そこはまさしく2人だけの空間だった。
勇「この曲って….」
ここにいる人たちは皆知っているだろう
その世代を生きていたのだから
演奏が終わり、一瞬とまる時
その後に盛大な拍手が鳴り響いた
俺は「以上です。」と伝えお辞儀をしてその場を退出した。
その後の応募者も次々と審査を終え、
第三審査、最終審査が終わった。
『仁人もう駐車場に着いてるよ』
『今行く』
…
「どうだった?最終審査は」
「そこそこ楽しめたよ」
「それは良かった笑毅は?いたんだろ?」
「うん。見せつけてやったわ笑あの顔笑
あ、てか最後に審査員から一言ずつ感想貰うんだけど…」
「うん」
「あいつ、なんて言ったと思う?」
「なんでいんの?とか?笑」
「なわけないだろ笑おかしいわ笑
っていっても、ほんとに言ったこともおかしかったけど」
「で、なんて言ったん」
「歌ってくれませんか、だって」
「笑笑笑それは予想外だな!んで、どうしたん?仁人は」
「笑っちゃったよね、あいつ別室からピアノも用意してくるしさ。歌わざるを得ない空気で
だから、
何年かぶりに"歌ったよ"あいつと。」
歌ったのかよ笑
それは見たかったわ
周りの反応も
「そっか笑あとは結果待ちだな」
「落ちてるかもね笑」
「だいじょぶだろ笑」
久しぶりに仁人の歌声に合わせて弾いた
以前MVの狭間で弾いた時とは比べ物にならないほどの感触
周りなんて目に入らないほど、
あいつしか見えなかった。
演奏し終わり、会場を出ていく仁人の背に寂しさを感じながらも、次の審査へ切り替えた
『審査はこれで終了です!お疲れ様でした。』
終わりの合図とともに投げかけられる多々の質問を不躾ながらも聞き流し、荷物をまとめて颯爽と家に帰った。
家に着き、LINEを開く
一方的に送っていたメッセージに既読が付いていた。
返事が返って来ずとも、それだけで嬉しかった
大丈夫、
お前の居場所はちゃんとある
コメント
2件
遅くなっちゃった!まじ2人で久しぶりに歌ってるの見たらまじテンション上がる