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隣でレインボーブリッジを見上げている拓人に、手を繋がれた優子は、夜景の明かりで青白く染まった男の表情を見上げた。
(やっぱり…………拓人って男は、かなりのイケメンだよね……)
冷たさと色香が織りなす顔立ちに、つい見惚れそうになってしまう。
二ヶ月ほど住んでいた立川のホテルを、拓人と一緒に出発して、まだ二日目。
けれど、長野へ行ったり、湘南の海へ寄ったり、赤坂見附、そしてお台場に辿り着いたのが、かなり昔のように感じてしまう。
「さて、俺が行っておきたい場所は全部行けたし、そろそろ場所移動するか」
隣にいる男が、気持ちの整理をつけ終わった合図のように、パンッと手を叩く。
「え? もう出発すんの!? せっかくお台場に来たのに……」
優子はウンザリしながら、拓人をジロリと軽く睨むと、男が苦笑しながら彼女を見下ろした。
「じゃあ…………少し歩くか」
拓人がさりげなく彼女の手を取り、海浜公園へ向かって歩き始めた。
パールのネックレスを思わせるレインボーブリッジを目の前に、二人は地面を踏み締めるように、海浜公園をゆっくりと散策している。
周辺には、多くのカップルが思い思いの時間を過ごし、中には顔を寄せ合い、キスを交わしているカップルもいた。
「やっぱりさ…………私たち、思いっきり場違いだよね?」
「そうか?」
「だってさ…………私たち、恋人同士じゃないし……その……何ていうかさ……」
しどろもどろに優子が口ごもると、拓人が口角の片側を器用に吊り上げ、揶揄うようにニヤッとさせる。
「…………セフレって言いたいのか?」
男が、クククッと笑いを堪え、彼女を見下ろす。
「もうっ! そんなにハッキリ言わなくてもいいじゃん。察してよ……もう……」
「まぁ…………俺が、あんたを拾って、すぐにヤリ友の関係を持ったワケだけどさ。今は……」
拓人が言葉を詰まらせ、黙っている。
けれど、長野の山小屋で見た時の、苦しそうな表情ではなく、柔和な面差しを優子に見せていた。
「…………セフレとも思ってないかもしれないな」
「じゃあ何なのよ……」
ゆっくりと歩みを進めていた拓人の足が、ピタリと止まる。
男の艶を、たっぷりと放つ微笑みを浮かべながら、優子を見下ろした。