Caro mio ben (カロ ミオ ベン=イタリア語。和訳=愛しい女(ひと)よ)
二〇二四年のクリスマス。
谷岡純は、大手事務機器メーカー、向陽商会本社からの帰り、立川駅前で容姿端麗な女性と、思いっきりぶつかってしまう。
勢い余って転んだ彼女の手を差し伸べながら目を合わせると、一目惚れしてしまった彼。
互いに謝り、純は職場へ戻るが、女性の事が忘れられない。
何気ない、よくある事と思っていた彼は二日後、職場近くのカフェで、ぶつかった本人、相沢恵菜と再会。
次第にカフェで昼休みを過ごすようになり、挨拶を交わす仲になるが、彼女は辛い過去を抱えていて──。
『散々女と遊んできた俺が、一目惚れした女が前にいるだけで、こんなに緊張するなんてな……』
恋に臆病な男女のラブストーリー。
谷岡 純(たにおか じゅん)
34歳。向陽プリントテクニカル 東京事業所 所長
相沢 恵菜(あいざわ えな)
27歳。ファクトリーズカフェ ホールスタッフ
※ Caro mio ben:トンマーゾ・ジョルダーニ作曲。作詞者は不明のイタリア歌曲。
数あるイタリア歌曲の中でも、とても有名な独唱曲。
愛する女性に想いを告げ、自分の事を想って欲しいと願う、男性目線の楽曲で、旋律がとても美しい。
声楽を習得されている多くの方が、この楽曲を歌った事があるのではないでしょうか。
高校の音楽の教科書にも載っているようです。
※この作品は、フィクションです。
作中に登場する団体名、名称、人名は全て架空のものであり、実際のものとは一切関係ありません。
※ 私の中で、勝手に開催している『過去の長編3作で登場した脇役を主役にしたい! 第1弾』は、
『ただ、それだけの関係……』で登場した豪の親友、谷岡純です。
男性目線中心の恋愛小説になります。