攻略不可 の 図書室
-—————————–
「……あ、また死んだ」
静まり返った放課後の図書室。窓際の席で、研磨が小さく呟いた。
手元のゲーム画面には「GAME OVER」の文字。
彼はふぅ、と息を吐いてから、向かい合わせで宿題を解いている私に視線を向けた。
「……ねぇ、〇〇。そこ、公式間違ってる」
研磨の細い指先が、私のノートの一箇所を指す。
「えっ、どこ? ……あ、本当だ。ありがとう研磨」
「……別に。見てただけだし」
彼はそう言うと、またゲームを再開しようとして……少しだけ迷うような仕草を見せた。
いつもなら、すぐに次のステージに進むはずなのに。
「……あのさ」
「ん?」
「……明日の練習試合、終わったら……新作のゲーム、一緒にやらない?」
視線は画面に落としたまま。
だけど、猫のような切れ長の瞳が、心なしか期待に揺れているのがわかる。
「いいよ! 楽しみにしてるね」
私が笑って答えると、研磨は少しだけ口角を上げた。
「……うん。じゃあ、明日の試合、早く終わらせるから。……待ってて」
そう言って、彼は今度こそ集中するように、ゲームの世界へと戻っていった。
西日に照らされた彼の横顔が、いつもより少しだけ赤く見えたのは、きっと夕陽のせいだけじゃない。
ボツった






