壊れていたのは、この世界だろうか。
間違っていたのは、この世界だろうか。
お前には、朝はもうやって来ないから、
俺が好きなお前の「おはよう」は、もう聞けないんだ。
『らっだぁ!』
「おー、」
あの、平和な時間に戻れたら、なんて、非現実的なことを思いながら、
俺はお前をこんなせまっ苦しくて、醜い檻に閉じ込めている。
声が枯れるまで俺が歌い続ければ、
お前はきっと、自身が壊れていることに、気が付いてくれるよな。
「〜♪」
『らだの声は綺麗だね、』
「そう言って貰えて光栄だよ」
またいつか、星の光が降る街を、
お前と子供の時のように手を繋いで歩こう。
『空ってどのくらい 青いんだろ』
「思っている以上に空は青いよ」
空の青さを忘れるなんてな、
まったく本当に、お前は変わらず馬鹿だな。
「もう、春夏秋冬の四季じゃないな…」
『うん』
分かってたんだ、
壊れていたのは、この世界ではなくて。
間違っていたのはお前だけれどさ、
嘘で、凝り固まれたこの世界でも
ごめん、お前には生きてて欲しいんだ
こんな自分に嫌気がさすわ、w
「……ッ、」
あの、平和な時間に戻れたら、なんて、非現実的なことを思いながら、
俺はもう少しだけ、諦めているんだ。
俺が声が枯れるまで歌い続けるのは、
お前のためだけじゃない。
『へー、!春はサクラっていうのが咲くんだな!』
「そうだ」
『見てみたいな、春の空とサクラ』
またいつか、お前と春の透き通った空の下を、
良い歳こいた大人、二人手を繋いで歩こう。
お前は何も知らなくていい
『らっだぁはさ、置いて行かない?』
「俺はどこにも行かない」
『じゃあ、指切りな!』
「嗚呼」
『らっだぁ、君の幸せなんてさ、』
『願っていたあの頃には、戻れないんだよ』
「ッ天乃!!」
知ってるんだよ!
もうどうにもならないことなんてさ、
でもお前の悲しそうな、顔みてるとさ、嫌いになんかなれないよ。
またいつか光を、救いを歌いながらさ、
お前と子供の時のように手を繋いで歩こう。
『明けない夜はないんだ!』
と教えてくれたこと、
俺の手を引っ張って闇から引き剥がしてくれたこと。
「お前は絶対に忘れないぞッ!」
「“天乃”!」
『らっだぁ』
「ん、?」
『ねえ、俺ほんとに、お前が好きだよ』
『らっだぁ』
「何だ、?」
『お前は、どう?』
「俺も」
お前が好きだよ
曲
あなたの夜が明けるまで
作詞作曲:傘村トータ様
タイトル
サクラ
花言葉⋯私を忘れないで
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