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5「青い花」
「で、君の名前は?」
「ミドリ」
「おれらっだぁ!…ってもう言ったか」
おれたちは談笑を続けながら旅に出た。
ほとんどおれが喋ってたけど。
「これからどこ行こうか」
「サァ。好キニスレバ?」
「…んー……じゃあこのまま真っ直ぐでいいか」
行くんなら、とことん真っ直ぐ行こう。
世界の果てに辿り着くまで。
ミドリによると、世界はとても広いらしい。
未だその果てを見た者はいないのだとか。
それなら見てみたい、と思った。
「ミドリはさっきの石に何を願ったの?」
「…ナイショ」
「えぇ〜⁇」
「ハハ。ソンナコトヨリ、ソノハナ、何?」
「はな?」
「花」
ミドリは足元の小さな青い花を指差した。
さっきまではなかった場所に、いつの間にか花が咲いている。
青鬼の森にもあった、優しくて逞しい花。
「え?なんだろ。おれ、花詳しくないから分かんない」
「ソウジャナクテ。ラダオガ咲カセテルンデショ?」
「咲かせてる?おれが?」
「ダッテ初メテミタ花ダモン」
見れば、また増えている花。
確かに成長スピードが尋常じゃないみたいだ。
仮におれの能力なんだとしたら、なんて平和な能力なんだろう。
「綺麗だからなんでも良くない?支障ないし」
「ソリャイイケド」
ひとつ千切って手に取る。
摘まれてもなお命の輝きを放っていた。
「…花冠とかにできたら綺麗だろうけどな」
ぼそっと独言て、その場を後にした。
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