テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
6「荒野の堕天使」
お久しぶりです。らだおです。
森を抜けてはや2週間。
僕たちは今窮地に立たされています。
「迷った〜〜〜!!」
「……」
ここは砂漠。
前後左右を砂に囲まれたおれたち。
そして、照りつける太陽と、それを凌駕する冷たい視線。
戻ろうにも道がわからない。
本当なら青い花を手がかりにしようと思ってたのに、暑さのせいか咲いた花はすぐさま枯れて消えてしまった。
おれの能力なのは確かだが、肝心な時に役に立たない。
…なんてミドリに言ったら“ラダオミタイ”とか言われるんだろうなぁ。
悶々と歩いているうちに本日3度目の標識に再会する。
どうやらまた、一周回ってしまったようだ。
この標識の通り歩けばいいだろうと言うかもしれない。
だが、ミドリもおれも、字が読めないのだ。
なんてこったい。
「ラダオ?」
「なんだよ」
「鳥イル」
「え…鳥?」
ミドリが指差した先、標識の真下にはワシがいた。
いや、タカか?
分からない。
取り敢えず、デカい鳥だ。
そういえばおれ、小鳥と会話できるんだったな。
藁にもすがる思いでワシ(?)に話しかけた。
「あのぉ〜…鳥さん。道、教えてくれませんかぁ?」
鳥は丸い目でこちらを一瞥し、ぱかっと口を開けた。
「俺は鳥やない。天使や…もっとも、堕ちた天使やけどな」
「喋ッタ⁉︎」
「…?……どうみても鳥なんですけど」
「いや、これには深ぁい事情があってなぁ…。そんなことよりお前さんら、道知りたいんやろ?」
「はッ‼︎もしや救世主か…?」
「一つ頼みたいことがあるんや」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!