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第1章 第十九話 ウカビルVSルシフェル
ウカビルの瞳には、ルシフェルの言葉など届いていない。
彼に見えているのは、ノヴァを手にかけたという憎き仇の姿だけだった。
「とぼけるなッ!! 貴様が裏で糸を引いて、ノヴァを殺したんだろ!」
ウカビルは【ブラスターエクリプス】を握りしめ、咆哮とともに地を蹴った。
「うぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!」
青白い閃光が雨を切り裂く。
ルシフェルは必死にコズミックディザスターで受け流し、金属同士がぶつかり合う凄まじい衝撃音が響き渡り、周囲の警備隊員たちがその余波で吹き飛んだ。
「なぜだ! なぜお前がそこまでして私を嵌める! !私は同じクラスメイトで友達でしょ!!」
ルシフェルの叫びは、悲鳴にも似ていた。
彼女はウカビルを攻撃したくない。
しかし、ウカビルは怒りで容赦なく剣を振るい、命を奪おうとしてくる。
「だまれぇぇぇぇぇえええ!!」
ウカビルは連撃を繰り出しながら叫ぶ。
「友達だと……? ノヴァを殺した奴が、どの口でそれをッ!!」
一撃ごとに、二人が共に過ごした学校での日々が、雨音とともに無情にも砕け散っていく。
ザシュッ!!
「うぅ」
ルシフェルは肩を深く切り裂かれ、泥に膝をついた。流れる血が雨水と混じり合い、赤く染まっていく。
それでもルシフェルは、ウカビルの目を見据えた。
そこにはかつての輝きはない。ただウカビルが私を罠に嵌めようとしているようにしか見えなかった。
意味がわからない。私が彼に何をした?
強さへの嫉妬か?それとも··········
「ウカビル…どうして…どうしてよぉおおおおおおおおおお!!」
パリィィン!!
ルシフェルの中で、何かガラスが割れるような音がした。
泥水に映る自分の姿を見る。
そこには、真実を伝えようとあがく無力で惨めな自分の姿がうつっている。
ルシフェルは立ち上がった。
その肩の傷からあふれ出ていた、傷は、みるみる回復し再生していく。
信じたい友に否定され続けた絶望が、彼女の中に眠る禁忌の力を呼び起こした。
「おまえたち…全員…絶望の中で朽ちろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ルシフェルが秘められた力をついに解き放つ。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおッ!!!」
とてつもない邪悪なオーラがルシフェルから放たれる。
その圧倒的な邪悪なオーラにより、辺りの建物はミシミシと音を立て、時の使者もどんどん気を失っていく。
するとルシフェルの頭から徐々に角が伸び、背中から悪魔のような翼と、尻尾まで生えた。
それはまるで堕天使の如く姿へと変貌を遂げた。
「世界を…滅ぼす!!!」
二人の力が真っ向からぶつかり合う。
空間が歪み、本部ビルが轟音とともに完全に崩壊する。
激しい爆風が雨を吹き飛ばし、光の奔流が夜空を焼き尽くした。
あまりの衝撃に、周囲のまだ立っている時の使者たちは防壁を張るのが精一杯で、何も見えなくなった。
土煙と雨が渦巻く中心地。二人の姿がようやく露わになったとき、広場の中央には直径数十メートルもの巨大なクレーターが穿たれていた。
ルシフェルは中心で片膝をつき、荒い息を吐いている。
「はぁぁあ」
対するウカビルは、数メートル後方で倒れ伏し、手から離れたブラスターエクリプスが泥の中で鈍く光を放っている。
「……トドメを刺すなと言うのか、ノヴァよ」
ルシフェルは星となったノヴァへ語りかけ、ふらつく足で立ち上がった。
そこに、無数の時の使者たちが銃を構えて飛び出してきた。
「そこまでだ、ルシフェル!!」
隊長の怒号が響く。
ルシフェルは倒れたウカビルを見下ろした。
時の使者の目には、倒れたウカビルを見て「ルシフェルがトドメを刺そうとしている」としか映らない。
ルシフェルは悟った。
この星の誰も、真実を見ようとはしない。
彼らが信じているのは、最初から用意された「ルシフェルという悪」だけなのだと。
ルシフェルの瞳から、かつての友や仲間への情愛が完全に消え去った。
#鬱展開
Mist-404
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古流斬
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コメント
1件
うわあ…第十九話、重かったです。ウカビルの怒りも、ルシフェルの戸惑いも、どちらも痛いくらい伝わってきました。特に「友達だと思ってたのに」っていうルシフェルの叫びが切なくて、読んでるこっちも胸が締め付けられました。最後に彼女の目から情愛が消えたシーン、すごく印象的です。ここからどうなってしまうんだろう…。次が気になります。