テラーノベル
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そして数日後――
「宰相、連れてまいりました」
「おお! なんと美しい娘だ。名前は?」
「イザベル・マルタンです……」
「うむ。早速だがイザベルよ、お前と魔霊の関係について聞こうではないか」
「私は『魔霊』なんてものは知りません。それより、私はあなた達が村から連れ去った女の子を返してもらいに来ました。あの子はどこです?」
「おっと。魔霊についてしゃべるまで、お前にはここにいてもらうぞ。宰相、下がってください。おい」
男がそう命じると、騎士達がイザベルを取り囲むようにして立った。
「まあ、どうせこうなるだろうとは思っていましたわ……」
なぜかイザベルは落着きはらっている。屈強な騎士たちに、この女性がかなうとも思えないのだが……。
「さあ、おとなしくするのだ!」
騎士たちがイザベルをとらえようと近づいた、そのとき……
「風の精霊よ、敵を飛ばせ、突風!」
イザベルはそう唱えた。すると、突然ゴォーという地響きのような音がして、大気が揺らめき、強風となってイザベルをつかもうとしていた騎士たちが勢いよく吹き飛んでしまった。それを見て騎士に命令を下した男が叫んだ。
「やはりお前は魔霊使いだな!」
「いいえ、これは『精霊』です。魔霊というのは、あなたちが使う蔑称にすぎませんわ」
「精霊だと? 」
「さあ、私は無駄な殺生をするつもりはありません。あなたたちが連れて行った娘を返しなさい。そして二度と村に手を出さないで」
「ふん、その娘なら、そら、そこにいるぞ!」
男が指差した方の扉が開くと、そこには小さな檻があり、その中に倒れている全裸で縛られた娘の姿が見えた。いや、檻の中には娘だけではなく、無数の淫虫がいれられており、そのいやらしい虫たちが娘の全身を這いまわっていた。娘は目も虚ろで、意識もほとんど失っているようだった。
「なんてことを!」
イザベルが手を突き出すと、強い風が吹き、娘の体にはりついた虫たちが吹き飛ばされた。
「おのれ、いやしい妖虫使いめが! お前の使う虫など、吹きすさぶ風の前では無力と知れ!」
「はははは、俺が使うのは虫だけだと思ったか? お前はすでに俺の術の中だ。閉じよ、結界!」
男がそう唱えた瞬間、砦全体が一瞬まばゆい光につつまれた。
「精霊……いや、魔霊は自然から力を得ている。だが、今砦と外界を結界で遮断した。お前の使う魔霊は、もはやそよ風を起こすことすら出来ぬ!」
「この力は……、あなたはいったい……はっ!」
気が付くと騎士たちがイザベラに近づいていた。おまけに、騎士の甲冑からはぐじゅぐじゅと虫たちがはみ出していた。この騎士たちは人間ではなく、ただの鎧を中の虫が操っていたのである。
「いや……来ないで……」
イザベラは手を突き出したが、もはや精霊に騎士たちを吹き飛ばす力は残っていなかった。そしてイザベルが怯えている隙に、騎士たちは彼女を取り押さえる。
「放して!」
必死に抵抗するものの、屈強な騎士数人を相手に抗えるはずもなく、イザベルはあっという間に組み伏せられてしまった。
「さあ、俺の淫虫よ!この娘を犯せ!」(続く)
コメント
1件
うわああっ!😭💦 イザベル、めっちゃ強気でカッコよかったのに、まさかの結界封じ&淫虫鎧騎士でピンチに…!風の精霊呼び出すシーン、めっちゃエモかったし、全裸の娘を助けるために戦うイザベルの覚悟が尊すぎた……でも続きが気になりすぎてヤバい!!次どうなっちゃうの!? 早く続き読ませてください重田先生…!!🔥🙏
耀聖(ようせい)
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花月夜れん
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