テラーノベル
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佐久間はこの世界の魔王が倒されているということを知り驚愕した。つまり地球に現れた魔王はこの世界の存在ではなく全く別の世界に存在していたもの。そう佐久間は考えた。
だが、佐久間が考えていたことは間違ってなかった。その間違いに佐久間が気づいたはずっと後のことだった。
「あの中に入れてくれ!!」
「え!?は、はいっ!」
丘陵《きゅうりょう》を越え、御神木の入口にたどり着く。
御神木の内部は風化した石畳の天井、壁、床がドーム状に広がっている。
姫花が魔法で明かりを灯してくれる。そして、目の前にはまるでそこら辺で拾ったものを集めて作ったような簡素な祭壇があった。
「……これが、祭壇?なにかの間違いじゃないか?」
「いいえ、間違いないです」
姫花がそこまで言うのならこれは祭壇なのだろう。
祭壇にはなんの痕跡もなく、佐久間は元の世界に帰る方法を考え始めた。
「……別の世界に行く方法はあるか?」
「別の、世界にですか?……分かりませんが、その逆でしたら召喚でできるかもしれません」
「召喚……?モンスターを呼び出したりするやつか?」
「はい、召喚士が使う一種の魔法です。モンスターや悪魔を召喚したり、禁忌ですが別の世界の人間を召喚することが出来ます」
「召喚魔法は使えるか?」
「まさか、召喚魔法で強制的に別世界に行くつもりですか!?死ぬかもしれないですよ!?」
「まぁ、駄目だよな」
「なんで別の世界に行きたいのですか?」
姫花が別の世界に行く方法を探す佐久間を不思議がり聞いた。
「オレハガクシャナンダ」
佐久間はテキトウに嘘をついて答えた。
ふと姫花がなにかを思い出し言った。
「……遥か昔、ドラゴンは異次元空間を移動して別世界へ行く事ができると言われてました。もしそれが本当なら、可能……かもしれません。しかし、ドラゴンは伝説の存在。今現在、存在してるのかどうかも怪しいです」
数千年の寿命があると言われているエルフさえ別世界を行き来する方法を知らなかった。どれだけ探しても元の世界に変える方法は見つからず、佐久間は祭壇にある宝石に気づき触れた。
すると宝石が光だし周りが揺れ始めた。
「なんだ!?」
「足下が!」
祭壇の床下が開き、岩石が剥き出しになった空間が現れ、そこから下へと続く階段が現れた。揺れが収まり静かになる。階段の先は真っ暗で確認することはできない。
「こんな事初めてです……!一体なにをしたんですか?」
「いや、触っただけだが……」
姫花は階段を注意深く覗きながら言った。
「もしかしたら、これはダンジョンかもしれませんね」
「ダンジョン……」
恐らく勇者が作ったものだ。なにか求めているものがあるればいいが。しかし、危険を犯すつもりはない。
ふとダンジョンの奥から音が聞こえた気がした。いや、音ではなく声に聞こえる。まるで誰かが自分を呼んでいるようだ。
(なんなんだこれ……気味が悪い……)
だけど、なぜか不思議な感覚がする。この先に、何かがいる。
佐久間は階段の手前まで進んだ。
「ダンジョンに入るんですか?」
「ああ。姫花、一緒に来てくれないか?」
「えっえー!?……ど、どうしようかな~」
姫花は口を尖らせ顔を上げながら、何かを欲しそうにチラチラと佐久間を見始めた。
「……はぁ、わかった。できる事ならなんでも言うことを聞いてやる」
「なんでも!?分かりました、行きましょう!」
「……やっぱ変更──」
「だーめっ」
佐久間と姫花は階段を下り、ダンジョンの奥へと向かっていった。
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