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「藤本……なんでお前がここに?」
「なんでかって?自分で考えてみろよ」
藤本は地面に足をつけ、無防備に直樹の前に立ちはだかる。藤本は教室で見た時とはまるで別人のように雰囲気が変わっていて、異世界の気配も感知できる。そして直樹に向けられる明確な殺意も。
藤本がここにいる理由、そんな事聞かなくても直樹は最初から分かっていた。
「藤本、あの時助けられなくてごめん。謝って済む話じゃないのは分かってる、全部俺が悪いんだ。俺に罰を与えてくれたって構わない。だけど、ここで死ぬわけにはいかないんだ」
「それは無理だ。俺は憎しみを晴らすため、復讐をしにここに来た。だから今お前を殺す」
自分を殺せば気が済むなら、直樹はそれで構わない。だけど、今の直樹には託されたものがある。彼らを裏切るような真似はしたくない。だから今死ぬわけにはいかない。
「俺を殺したっていい。だけど、俺はやるべきことがある。それが終わったらにしてくれないか?」
今の藤本には人を殺せるほどの得体のしれない力がある。つまり、直樹の生殺与奪の権は藤本の手にあるという意味がある。ミコットの力を借りて戦えば済む話だが、自分が招いた事なのだから、そうはしたくなかった。
「やるべきこと?なにがあるんだ?」
「……佐久間と拓海と里奈を探すことだ」
門については言わなかった。結局死ぬのが決まっているなら、門を閉じようとしたって変わらない。その途中で死ぬかもしれないから。
「へぇ、あいつ行方不明だったんだ。まあ、お前のほうが行方不明かもしれないけどな」
「あいつ?誰のことだ」
「佐久間だよ。あいつは俺より逃げることを優先した。つまり俺の命なんでどうでもいいって事だろ?だからあいつも殺すんだ。いくら探しても見つからなかったけどな」
「拓海と里奈は!?」
「うるせぇな、覚えてねぇよ」
空を飛べる藤本でも佐久間たちを見つけられないなら、自分で探しても不可能なのか?
「どうせどっかで死んでるだろ。諦めろ」
「諦めない」
直樹は藤本の言葉に瞬時に答えた。
「絶対に生きてる……。そして、佐久間を殺すなら、俺はお前を止める!」
友達を殺すと言われ黙っていられるわけがなかった。後悔してももう遅い。ミコットの力を借りて動けなくするのが直樹の戦略だ。
「いいねぇ……っ!自分から勝負を仕掛けてイキってる奴を倒した時が一番気持ちいいんだよ!それじゃあ……いくぜぇぇ!!」
「ミコット!!」
「分かった!!」
藤本は両腕を広げると、藤本と直樹を囲うようにドーム状のバリアが覆った。
「ナオキ!うっ、入れない!?」
「決めてたんだよ、お前を殺すときの方法を!だから部外者は引っ込んでろ!」
「ミコット!嘘だろ……っ!?」
ミコットがバリアの中に入れないと直樹は戦うことができない。ミコットが外から炎を撃ってもバリアに弾かれてしまう。
つまり、一対一の殺し合い。直樹は圧倒的な力を前に、生身で戦うしかない絶体絶命のピンチだった。
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