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ムダ先!空から…俺!?

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ムダ先!空から…俺!?

4 - 4話「蛍雪之功」

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2026年01月04日

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ムダ先!空から…俺!?

4話「蛍雪之功」


01


あぁ、死ぬなぁ。次こそは上手くやらないと。あーあ。せっかく和平結べるとこまで来たのに。やっぱ桃と鬼がいる限り戦争は完全に無くならないよなぁ。

俺は今桃に拷問されていた。鬼神の回復力も間に合っていない。右眼が抉られた。両手両足を切断された。最初は再生してたけどもう追いつかない。多分これから心臓もやられる。助けは来ない。なぜなら今回のループは一人で動いていたから。仲間など作らなかった。もう意識が落ちる。次は、次こそは…皆を助ける。


俺の意識はそこで落ちた


02


え、今これ落下してる?まってこんなループの仕方今まで無かったはず。あー。これ落下の勢いでめっちゃグロいことなるかなぁ。まぁいっか。それぐらいなら回復できる。あれ、なんか下に人が。背を地面に向けてるからほぼ見えないからよくわからないけど誰かいる。潰されなきゃいいなぁ。

そのことを考えた次に来たのは衝撃だった。俺はまた気を失った。


03


誰かの話が聞こえる。この声は聞き覚えがある。俺の大切な人達の声。誰か俺に触ろうとしてる…?


「誰だ…ってチャラ先にムダ先!?」

「あ、やっぱ俺たちのこと知ってるんだ」


どういうことだ。これいつの時間軸にループしたのだ。


「そりゃ知ってるもなにも…え、俺?!なんで?!」


どういうことだ。俺。俺がいる。もしやこれは…


「説明する前に一つだけいいか?」

「え、あいいけど」

「お前は一ノ瀬四季か?」


あぁ。わかった。これループのバグだ。たまに不思議なループがあったけど同じ時間軸に俺がいると言うループは初めてだ。まぁムダ先達もまだ事情を知らないってとこかなぁ。多分こっちの俺にとっては俺は急に現れたもう1人の俺って思ってるはず。ならこっちの俺にとってここは1周目ってとこかな。ならこの嘘で突き通す。


「?うん一ノ瀬四季だぜ?23歳なったばかりの一ノ瀬四季だぞー!なんだムダ先急に確かめて…」

「23歳?!え。未来の俺ってこと?!」

「あ!思い出した!そうだこの日だ!いや〜懐かしい〜俺も当時はビビった!」

「てことは君の過去にもこういうことが?」

「そうそう!でも記憶曖昧だからちょっと説明頼む!」


バーカ。嘘だよ。こんな体験してないから一つも覚えちゃいねぇわ。我ながらよくこんな嘘がペラペラと出てくるもんだ。にしてもこっちの俺がイラつく。まだ何も失ってない幸せですよみたいな顔しやがって。そうだ。1周目の俺を殺したらこいつもループするのか?てかもう1人の俺がいるなら俺自身は必要なくないか?これは何もしなくていいってことか?そうだな、今までずっと頑張ってきたんだ。たまには息抜きで何もしなくていいだろう。好きなことをしていいだろう。


そんなことを考えていたら話は終わった。もう1人の俺は寮に戻った。この場はチャラ先とムダ先だけだ。


「ねぇ四季くん」

「ん?なんだ?チャラ先」

「その、身体の傷って…」

「…あぁ見たのか」


どうやら前回の拷問の傷が引き継がれているらしい。今回のループはほんと不思議だ。


「その傷は…いつできたものだ…」

「時期はもう忘れたんだけど…俺1回ヘマして拷問受けたんだよね。そん時の傷。」

「俺は、俺はその時何してた。お前をそんな目に合わせる場に俺は行かせたのか?」

「いやいや!ムダ先のせいじゃねぇよ!しかも卒業したあとのことだし!」


本当のことと嘘を交えて話す。そしたらよりリアル性が出てくるのだ。年齢も嘘。前回死んだのは17歳。つまりここの俺と同じだ。いや時期はいつだ?ワンチャン俺の方が下だったりするのかもしれない。


「…痛かった…よね」

「え?あ、まぁ痛かったけど助けてくれたし、もうほぼ痛まねぇよ。だから2人ともそんな顔しないでくれ」


これほんと。そんな顔はやめてくれ。苦しい顔をしないでくれ。あなた達は例え別の世界線だとしても大切なんだ。大好きなんだ。大好きな人がそんな顔をするとこっちまで苦しくなる。


「ごめんね、四季くん…それよりお腹空いてない?」

「めっちゃ空いてる」


これはまじ。めっちゃ空いた。食い意地は誰にだってあるのだ。昔に比べれば食べる量は減ってるけど食べることは大好き。


「じゃあ食堂行こっか」

「おう!!」


俺は頷きベットから立った。


「…四季。お前身長伸びなかったのか?」

「え?い、いやまぁなんと言いますか…鬼神の力の影響で身体の成長が止まったっていう…」


これもほんと。確か150回目ぐらいのループで19までは生きたんだけど身長は全く伸びなかった。多分鬼神の力のせい。てかよくよく考えてみれば俺って20まで生きたことないな。毎回10代で死んでる。


「だから2人ともそんな顔しないでって!俺生きてるんだし!それだけで十分!!生きてるなら身長なんてどうでもいいんだよ!な?だから…」

「そうだな…悪かった。」

「じゃあご飯食べに行こうか」


こうしてご飯を食べに食堂に行き、その後俺は保健室で寝ることにした。


04


次の日、俺は臨時講習という事で懐かしの教室前に来ている。いやほんと懐かしい。前回は羅刹に通わず一人で裏から支えてたから。羅刹に来るのは結果的に言えば約 20年振りぐらいなのかもしれない。ということで教室入ろー!!

俺は勢い良く扉を開けた。するとそこには懐かしすぎる顔!みんなちっさい!可愛い!真澄隊長も馨さんもいる!俺はめっちゃハイテンションで自己紹介した。そしたら真澄隊長から拳骨を喰らいました。普通に痛いけどこれすら久しぶりすぎて少し涙が出そうだった。そもそもこの人達と話すのはいつぶりだろう。あぁ。やっぱり羅刹は心地がいい。だけどここでは俺は異物なのだ。本物にはなれない。

そしてもう1つ。聞きたいことがあった。それは今が何月なのか。もし、俺の仮説が合ってるならここの一ノ瀬四季は殺した方がいい。ここの俺は弱すぎる。1度経験した身だ。このままだと最悪な結末になる。俺のせいで。まだ分からない。だから、仕掛けるなら夜。あいつが墓にいたら確定。その時は、殺す。


05


その後はかくれんぼをやった。だいぶ前のループでもやったことだ。今回俺が鬼と言うことである程度加減はするが流石に血蝕解放なしだと負ける。だからピストルと炎鬼の力。その2つだけで挑もうではないか。

俺がスタートの合図を出すとアイツらは森の方に走っていた。さて、5分間暇だ。


「おい一ノ瀬」

「ん?なに真澄隊長?」

「お前なにか隠してるだろ」


しまった。この人は勘がいいんだった。

この探ってくるような視線はいつまで経っても苦手だなぁ


「隠してるって…そりゃ隠すよ…未来のこと全部話したらバタフライ効果とか起きそうだし…」

「それ以外だ。未来から来たということもにわかに信じ難いがそこはもういい。」

「じゃあなんだよ…」

「お前の目だ。その目。俺たちを見るテメェの目が気色悪ぃ」

「き、気色悪い!?失礼すぎん!?」

「そうですよ隊長。少し失礼です。もっと言い方を丸くしてください。」

「そーだよまっすー!確かにあれだけど流石に失礼だよ! 」

「まって馨さんもチャラ先も俺の目が気色悪いって思ってること?」

「あー…いや…」

「なんというか…ねぇ」

「…お前は俺たちを確かに見ている。でも見ていない。」

「え?なにどういうこと?ムダ先…」

「俺たちを通して他の誰かを見てる…そんな目なんだよ」

「…なんだその事かwだって未来の真澄隊長達を思い浮かべてたんだもん」


悟らせないように頑張ってたんだけどな…やっぱり隠しきれない。もうほぼ覚えてない一回目のみんなと会いたい。少しそう思ってしまったのだ。


「…そーかよ。でもお前は他にも隠してるはずだ」

「…じゃあ隠し事を当ててみてよ。そしたらわかるでしょ?」

「え、なんかヒントとかないの?」

「えーヒントー?んー…じゃあ俺の実力がヒントってことで。5分経ったし探してくるわ」

「え、ちょ!」


流石にこれ以上関わるとボロが出てくる。だから少し逃げよう。そう思って俺は炎鬼の力を足に込め、森の方に走った。


さて、やっぱり1番最初に捕まえるなら俺かな。ほぼ八つ当たりみたいなもんだけど。

宣言通り俺は1番最初にアイツを捕まえた。こんなにも弱かったっかと少し思ってしまったがまぁ良い。それよりも皇后崎達だ



06


「ほらほら〜早く逃げないと追いつかれちゃうぞ〜」

「てめぇ反則だろ!!」

「え〜なんも反則になるようなことしてねぇんだけどなぁ」

「おい矢颪!左右で別れるぞ!」

「どっちかが追いかけられても助けねぇからな!」

「わかってる! 」

ん〜2つに別れるのはまためんどくさいなぁ…その前に捕まえればいっか。だからもう少し加速しよう。


「はいタッチ」

「は、」

「皇后崎も捕まえた!」

「は?」

「2人とも同じ反応…てかみんな同じ反応するなぁ。はいこれで俺の勝ち!お前らで最後だったからな」


結果5分で全員捕まえた。

その後は鬼と隠れる側を交代したりとした。もちろん俺の全勝…だけど皆もどんどん成長して40分は捕まえるのにかかったり、あと少しでも時間があったら捕まる程には急成長してた。うん。やっぱり皆強い。


07


時刻は夜。俺は墓に向かっていた。俺の予想が合ってるなら、今日も一ノ瀬四季は墓にいる。

結果は…うんやっぱりいた。仕方ない。殺すしか選択肢は無くなった。このまま行けば最悪な結末になってしまう。二度とあの思いはしたくない。だから、俺のため、アイツのためにも。

俺は独り言を呟く一ノ瀬四季に話しかけた。


08


「ころ、す?な、なんで。それじゃあお前だって…だって未来から来てるなら俺のこと殺したらお前だって、」


そういえばそんな嘘もついたな。今思ったら中々雑な嘘だ。


「あぁ、未来から来たって話は嘘。咄嗟の口実。いや、あの状況からよくあんな嘘ペラペラでたなって自分でも思うぜ?」

「嘘…?じゃあお前は一体…」

「俺さ、ループしてるんだよ。これで何回目だったかな…いや今回カウントしていいのか…?」

「ループ…?」


どうせ殺すんだループもバラしていいだろう。


「うーんもう500超えたとこからループの数なんて数えてねぇや」

「500!?」


ほんとに何回目だろうか500回ぐらいまではそれこそ羅刹にちゃんと通って、そこから修正しようとしたんだ。でも500を超え始めた途端にループのバグが起きた。バグというのは別世界線の一ノ瀬四季としてやり直すという意味で時には桃機関唯一の鬼として桃側としてやり直すこともあった。


「そうそう。前回はヘマして桃に捕まっちまって拷問されてさ、そのまま死んだんだよ。んで今回のループが傷治らないまま戻ったみたいでさ、」

「…し、死ぬことが怖くねぇのかよ」

「そんなものとっくに忘れちまった」


最初はもちろん死ぬことに抗った。でもループを繰り返すうちに抗うこともめんどくさくなって、死ぬなら死ぬ。その方が楽だと気づいたんだ。


「でも、なんで俺のこと殺すんだよ…」

「あー、こん時の結末がまじで最悪でさ、しかもその原因は俺。なら殺した方がこの世界の為になるかなぁって。」


最悪な結末…それは親父への甘えによる弱さ。そこを桃につけられたせいでみんなが殺された。俺の目の前で。


「はっ…そうかよ!でも殺されろって言われて黙って殺される訳にもいかねぇんだわ!全力で抗わさせてもらう!」

「おう。それでこそ俺だからな。」


そうだな。少しぐらい抗ってもらわないと困る。 俺たちは森へと向かってった。


09


なんの問題もなく決着はつこうとした。だがムダ先達もそろそろ来てしまうだろう。さっさとトドメなければ。それにしても案外粘られたもんだ。もっと早く終わるもんかと思っていたから。まぁそんなことはどうでもいい。

そしてトドメを撃とうと銃弾を撃った瞬間。見慣れた傘で防がれた。そして後ろに気配が来ると同時に俺は地面に押さえつけられた。

ムダ先と真澄隊長だ。間に合ってしまったのか。


「お前なにをやっている」

「…あーあ。タイムアップかぁ」

「おい一ノ瀬、なんで殺そうとした」


ん〜こりゃ困った。あ、そうだ。暴走させればいい。そしたらムダ先達も殺されざるを得まい。俺ならすぐ暴走するだろう。挑発すれば。


「むだ、先、ますみ、隊長も、」

「喋るな四季。今すぐに京夜がくる」

「まっ、て。まだ」

「お?殺させてくれるのか?そーだよな!お前が生きてるからみんな死ぬんだ!」


あれ、こんな挑発するつもりはなかったはずなのに…


「てめぇ…一ノ瀬挑発に乗るなよ」

「真澄隊長、ごめん。」

「おい四季。」

「大丈夫、頭は冷えてる」


おかしい。感情が溢れ出してきてる。なぜ?


「なぁ、お前。確か拷問受けたんだっけ?」

「は、急になに?そうだけど」

「そのせいで記憶飛んだんじゃねぇの。お前ほんと忘れすぎ。親父への思いも、皆の想いも、過去の思い出を!!全部そのせいで忘れてるんじゃねぇか?」

「…忘れてるのかもな。全部。」


ダメだ。それ以上は。止まれ。止まってくれよ俺の口。なんで喋らないはずだった本音も言ってんだ。あー。もう、これまずい。ムダ先達のせいだ。この人なら、この人達なら助けてくれるんじゃないかって勝手に期待しちゃってんだ俺。


「俺が拷問受けたのもう片手で数え切れないぐらいだぜ?そりゃちょっとやそっとは忘れるわな。分からねぇだろお前には。俺の気持ちが、俺の苦しさが!あと何回死ねばいい!?繰り返せばいい!?何回、何十回、何百回やってもダメだった!なんで!なんで!おまえが!お前がいなければ!お前を殺せば俺も終われるのか!?そうなら俺は何回でも殺してやる!!」


制御出来ない。体も、心も。


「何言って…まずい、無陀野!」

「わかってる」


真澄隊長の拘束を抜け出し俺は弾を撃った。


「四季!!」「一ノ瀬!!」


銃弾は確実にアイツの頭に当たった。はずだった。


「は、なんで、だってそれは」


だって1周目の俺は部分炎鬼なんて出来ない。もしこの世界線の俺ができたとしてもだ。もう炎鬼には入れないほどさっき出し切ったはず。炎鬼の調整なんて1周目でできっこない。


「だって俺だもん。お前ができることなら俺が出来ないはずがねぇ。」

「だとしても!炎鬼にはもう!」

「やっぱ忘れてんな。俺5回目だぜ?」


5回目…5週目!?あぁなるほど。辻褄が合った。ほんとに忘れてたんだな俺。馬鹿すぎて笑いが込み上げてきた。


「は、…はっ。ははっ。そっか、そうだ、そうだった」

「てめぇなんだ急に…」

「四季くん!!」


チャラ先と馨さんが来たようだ。でもそんなこと今の俺に関係ない。ほんとに俺はどうかしてた。そうだ5週目だ。さっき殺すのに手間取ったのも5週目だから。そうだ。確か最悪な結末は4週目に起こったことで5週目はケジメのループだった。そこは同じって訳か。ループのし過ぎでどうやら1周目やら5週目やら記憶が混じってた。


「酷い怪我…まずいな、」

「あー。まじで忘れてたわ。うん、ごめん。今度はちゃんと話そう」

「おう…」


一ノ瀬四季は返事をして意識を落とした。

さて、気づいたはいいもの、ここからが問題だ。


「てめぇ、こんなことして一ノ瀬とまた合わせられるわけねぇだろ」


だよね。俺もそう思う。


10


「いや〜わかる。俺もそう思うよ?でも1回でいいからチャンスくれね?」

「その前にだ。聞きたいことがある」

「いいよ。でも先にこいつ運んでりなよ?まじでこのままだと死ぬぜ?」

「その原因作ったやつが何言いやがる」

「まじでごめんって…」

「京夜、四季はどうだ?」

「ある程度回復はしてるけどそれでも治療が必要。馨くん、四季くんのこと抑えてて、今から俺の血入れるから。」

「分かりました。念の為輸血持ってきてて良かったですね」

「あの銃声だったし誰かは怪我してるよなって思ったからね。だとしてもこんな一方的なのは予想外だけど」

「あれ撃ったのこいつだけどな。いや、良かった。ちゃんと成長してて。それじゃなきゃ今頃こいつ殺せてたし。」

「てめぇは一回黙れ。」

「真澄隊長怖いからそんな目つきで見ないで〜ちゃんと説明するからさ、」


てか、俺もまずいな。さっき気づいたんだけど炎鬼の寿命も引き継がれているらしく、今日も炎鬼の力を使ったためかなり寿命が削れた。つまりボロが来てる。持って3日。3日後には絶対俺は死ぬだろう。


「おっけー。四季くんの傷もほぼ治ったよ」

「さて、四季くん。説明して貰おうか。」

「うん。…ッゴフッ」

やべ、ガタが来た。血を吐いてる。やっぱ吐血は何回経験してもなれない。喉がまじで焼け死ぬぐらい熱いんだもん。


「四季?!」

「は、」

「四季くん!?」

「だ、だいじょ、ぶ。ゲホッ、な、なれてる、から、少しした、ら。おちつく、から、まっ、て」

「な、慣れてるって…」


大丈夫。ちゃんと深呼吸すれば落ち着く。


11


「よし、落ち着いた。」

「お、落ち着いたって…顔色やばいよ?」

「大丈夫!でも心配してくれんなら外じゃなくて中で話さね?流石にキツイかなって」

「こんなことしたやつのこと信じられるわけねぇだろ」

「いやぁわかるよ真澄隊長?でもさ、もうほんとに限界でさ、血蝕解放もできねぇぐらいガタ来はじめてるから、そこは信じて欲しいなって…」

「真澄、今は四季を信じよう」

「うん。俺から見ても今の四季くんは死んでもおかしくないぐらい弱ってると思う。」

「チッ しょうがねぇな、ほら立てよ偽物」

「あはは…一応俺も一ノ瀬四季なんだけどなぁ…まぁここの真澄隊長達からしたら偽物なのかぁ」

「大丈夫四季くん?立てる?」

「馨さんはやっぱ優しいなぁ」


ダメだ涙が出てきそう


「うん…やっぱみんな優しいよ、どの時間軸でも、世界でも」

「あ‪”‬?てめぇ何言って…泣いてんのか?」

「ぅん…泣いてる…ごめん。一応精神的にはムダ先達より年上なんだけどなぁ」

「…後でその事も詳しく聞こう。」

「そうだね。ダノッチ四季くんのこと背負ってあげて。多分立てないし。馨くんはこっちの四季くん背負ってるし」

「わかった」


そうして俺はムダ先の背中に乗った。暖かい。ダメだほんとに涙が止まらない。もういい。こうなったら全て吐き出せばいい。


「あのね、ムダ先、俺ずっと頑張ってたの。どんなに拷問されようが黙って死を受け入れて、絶望しそうになったこともあったけど、みんなのこと思ったら、がんばらなきゃ、って。つぎもぉ、がんばろうって。でもどんなに頑張っても上手くいかなくてぇ、どうすればいいんかなぁ、気づいたら精神的には50 00歳以上なのかも。もう大人ってすら言えなくなっちゃった…ねぇムダ先…俺もう、生きてたくないよ」


次々涙が零れてくる。ほんとに何やってるんだろ俺。馬鹿だなぁ。ごめんなムダ先。こんなこと聞かせちゃって。

この言葉すら声に出なかった



「…四季。俺にはまだよく分からないがこれだけは言える。


お前は頑張ってるよ


あぁ。ほんと優しい。優しすぎるよムダ先


「ぅん…ありがとう…」


12


あの後俺は空き教室に移された。ちなみにこっちの俺は保健室で寝てる。

空き教室には皇后崎達もいる。どうやら後悔処刑のようだ。目の前には真澄隊長。ひぇ…怖ぇ…


「さて、洗いざらい吐いてもらおうか」

「いや全部話すんだけどさ…いやほんと皇后崎達には聞かせない方がいいと言うか…」

「おい。俺はお前らのせいで睡眠を邪魔されてんだ。だから俺達にも聞く権利はある。 」

「だとよ。言い逃れはできねぇぞ?」

「…わぁったよ…全部話すよ。俺が体験してきた人生。約5000年以上を。」

全て話そう。俺の人生を。


13


まずは俺が何者なのかだ。結論的にいえば俺も一ノ瀬四季。正真正銘の一ノ瀬四季だ。23歳って言ったけどあれは嘘。肉体的には17歳。精神的には5000歳。あれだよ見た目は子供、頭脳は大人。その名も名探偵一ノ瀬四季!…っておい誰が迷探偵だって?いやまぁ冗談はさておき、俺は人生をループしてる。ループの条件は俺の死。どうやったらループが終わるのかもわからない。でも多分鬼と桃の戦争が完全消滅することだと思う。1周目…つまりまだループのルの欠片も想像ついてない時は無事鬼と桃は和平を結べたよ?でもさ、鬼にも桃にも反対派閥がやっぱ居てよ、その戦争を止めに俺は駆り出されたんだけど…思ったよりやばくて殺された。もちろん最初は抵抗したり止めようとしたんだぜ?そしたら鬼と桃、どっち共に敵認定されて殺された。いやぁ今思ってもあれは結構痛かったなぁ。多分死体もグチャグチャにされたと思う!んで死んで目開けたら目の前に死んだ親父がいてよ、最初はなんの冗談かと思ったんだ。でも何となくで逆行だなってわかって、そのまま羅刹入って、炎鬼の力フルで最初からやってたらすぐ死んじゃった。あれは想定外だった。多分あれは身体が成長出来てなくてすぐにボロが来たんだと思う。そんで目覚めたら今度もまた親父が死んだとこからやり直し。まぁなんやかんやで失敗を繰り返して死んだ。毎回和平までは行けるんだけど戦争無くならなくてさ、そんで繰り返してるうちにこれ逆行じゃなくてループだなぁって。んで確か20回目ぐらいに初めて拷問で死んだ。いやぁ拷問もかなりされてきたけどやっぱ痛い。なにあれ。拷問って必ず四肢切断するって決まりあんの?まじで腹立つ。目は抉られるし。それに後実験もされたなぁ。しかも何回か犯されたこともあった。死ぬほどそれが気色悪くて…あちゃんと助けに来てくれたこともあったよ?

まぁ拷問の話はさておき、500回目ぐらいからループのバグが起こりだした。バグっていうのは謎のもんで俺が桃機関唯一の鬼として兵器にされたこともあった。チャンスだって思って桃の内部から鬼を援護してたんだけどバレて拷問されて洗脳されそうになったから自殺したよね。舌噛み切って死んでやった時のあいつらの顔ときたらざまぁないwまぁそんなバグもありながら繰り返してきたわけで前回は拷問だったなぁ。前回は羅刹に入らず野良鬼としてみんなのこと支えて和平まで行ったわけだけど反対派閥に捕まって拷問…そんで死んだら空から落下中!いや〜まじビビった!んで今に至るわけだけど…そうそう俺がアイツを殺そうとしたのはこのままだと最悪な結末になるからって理由だったんだけどそれが誤解だった!いや〜まじ俺忘れすぎなって話!申し訳ねぇ!

まぁでも炎鬼の力の使いすぎで俺の身体も持って後3日。だから安心してくれ。3日後に俺はいなくなるから。どっか遠いところで死んでやるから。

でもその前にアイツともう1回話し合いがしたいんだ。な?最後のお願い!


14


流石に図々しいかな…と思ってると


「死ぬことが怖くないのか?」

「あぁ、それこっちの俺にも聞かれた。もちろん最初は痛かったし怖かったけど…慣れって言うのかな。怖くなくなっちゃった。恐怖よりも次は成功させるって気持ちが強くて。」

「俺たちは何をしてるんだ。」

「いやムダ先達はちゃんとやってたぜ?ただ俺がループの事話さなかっただけで」

「子供にそんなこと…」

「いや馨さん。俺肉体的は確か に子供かもしれないけど精神的にはもうじじいなんだぜ?」

「それでも!それでも君は…僕たちから見たら子供なんだよ」

「俺たちから見たら君は迷子の子供だよ」

「迷子って…」

「さっき俺が背負った時に言ったこと覚えてるか?」

「あぁ。あれね。めっちゃ嬉しかった。嘘だとしても。死ぬほど嬉しかった」

「そうか。だがあれは嘘じゃない。」

「いやいや、俺はムダ先達から見たら偽物だろ?そんな偽物に優しくしなくていいって」

「…そんなこと言うくせになんだその顔は」

「え、どんな顔」

「…おめぇは助けてくださいって顔してんだよ。ガキが」

「…ガキじゃねぇもん」

「おうおう精々ガキは泣きやがれ」

「四季くん。いいんだよ泣いて。君は頑張ってるよ。ごめんね。俺たちがいながら君を苦しくさせちゃって」

「四季。お前は凄い。頑張ってきたことがちゃんと伝わってる。だから今は、今はゆっくり休め」

「君は偽物じゃないよ。本物だ。僕たちの知らない一ノ瀬四季でも、僕たちは君が大切なんだ」


そんな優しくしないで。その顔はこっちの俺に向けてあげて。俺に向けないで。泣いちゃうから。


「四季。」


皇后崎達も泣かないで。屏風ヶ浦なんてもう顔面すごいことになってるし。


「俺らはお前の味方だ」




あぁ。神様。ありがとう。このループは幸せです。俺もっと頑張れる。


その日、俺はめっちゃ泣いた



あとがき


10000文字超えました!同じ場面もあったりするので無駄に長くなりましたね。次回もちょっと似たような感じです。

それではまた次回。

ムダ先!空から…俺!?

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コメント

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涙流れたぁぁぁぁ あぁぁ!!!! 四季〜!あなた本当頑張ってるよ?しかもさ、自分のためじゃなくてみんなのためだし、次こそ成功させてやるって気持ちあるとかさ、本当いい子すぎるんだよ… ギャグとか、明るく言ってるけど絶対辛かったよね、、いっぱい泣きな!偽物じゃなくて本物!一ノ瀬四季は一ノ瀬四季なんだから! マジで感動作、、最高です✨

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