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16時30分。
蕗の葉の佃煮風と、蕗の炒り煮が完成した。
「よし、洗って終わり。それにしても結構作ったな」
葉っぱの方が、小さめのタッパー1個分。
茎の方が、そこそこ大きいタッパー1個分ある。
「いや、つい採るのが楽しくて」
「私も」
そう、美洋さんだけでない。
僕も、そして彩香さんも、気分良く採取してしまったが故に。
ちょっとばかり多めに採ってしまったという訳だ。
「あそこの蕗は、放っておけば生えてくるし問題無いだろ。他だと、ちょっとは持続性とか考えないとならないだろうけれど、今回は問題無し。ところでこれ、味見どうする。カフェで夕飯食べながら、皆で味見するか」
美洋さんが頷く。
「皆さん、よろしければそうしたいです。でも、よろしいでしょうか」
「いいんですか。お醤油とか味醂とかも、全部美洋さんが用意してくれたのに」
「いえ、実は昨日、あのフキが全部食べられると聞いて、どうしてもやってみたくてたまらなくなったんです。だから、こうやって料理になって皆で食べられれば、それが一番嬉しいです。それに鶏肉は、先輩に買ってきていただいてしまいましたし」
「自転車があるから、スーパー往復も辛くないしさ。どうせなら、皆で美味しく食べたいだろ」
「彩香さん、どうする」
彩香さんは、結構毎日節約しているように見える。
普通に過ごせば奨学金だけでも何とかなるのだが、衣服等は家で買って貰う前提。
彩香さんの場合は、衣服を含めて色々節約している感じなのだ。
それは、何となく見ていて感じる。
そして、夕食をカフェで食べれば、セットで最低350円はかかる。
パン2個で済ませば、200円以下。
更に、彩香さんはカフェの精算機が苦手。
だから、聞いてみた。
「私は大丈夫です。悠君は」
「ならOK。なら、片付けたら一緒に行こうか」
「鍋や調理器具は、ここに置いておいても大丈夫ですよ。下の棚が開いています」
お言葉に甘えて鍋や包丁、まな板は下にしまう。
醤油等は冷蔵庫へ。
課外活動制限時間ぎりぎりの16時55分に、部屋を出た。