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そのあと何気ない話をしながらご飯を終えて、お互いソファーでコーヒータイム。
「で、仕事の話って?」
「あぁ。プロジェクトの話なんだけど」
「うん」
「透子、REIジュエリーは知ってるよね?」
「もちろん」
「今進めてるプロジェクトで今度そこと一緒にしようかなって思ってて」
REIジュエリーは業界ではなかなかの大手。
私も実は好きで何個か持ってる。
「そうなんだ!私あそこのジュエリー好きでファンなんだよね!社長もすごく素敵だしホント憧れ」
このブランドの女性社長は女性だからこそ届けられる素敵なジュエリーをたくさん世に出してきている。
長年一線で活躍してきたその社長はその宝石の輝きに負けないほどの美しさだと世間では有名で。
何を隠そう私もそのブランドと社長のファンでもある。
「へぇ~そうなんだ? 透子あのブランドそんな好きなの?」
「もちろん!女性なら皆憧れのブランドだよ~。すごいね、うちのプロジェクトで一緒にやるなんて」
「あぁ。ちょっと知り合いがいてさ。で、実はそこ今度新しいブランド立ち上げるみたいでさ」
「へ~、新しいブランドなんて今までなかったよね?」
「今まではね。それであのジュエリー今年創立20周年で、今度その記念パーティーがあるからって誘われてて。で、透子も良ければ一緒に行かない?」
「えっ、いいの!?」
「新ブランドの立ち上げもプロジェクトも今はまだ準備中だし、後々の予定ではあるんだけど透子もプロジェクトのリーダーだし、今後そことも付き合っていくことになるから、透子も一緒に行ってほしいなと思って」
「行きたい!でも、私がそんなとこ行っても大丈夫?」
「もちろん。せっかくなら、透子をパートナーとして連れて行きたいし」
「それは嬉しい」
憧れのブランドのパーティーに行ける嬉しさと、樹のパートナーとして参加出来ることが素直に嬉しくて笑顔が込み上げる。
「よかった」
そして樹も同じように嬉しそうに笑顔を返してくれる。
「実は私初めて自分で買ったネックレスがそこのネックレスなんだよね。あと自分への頑張ったご褒美で買ったネックレスがすごくお気に入りで」
「へ~まさかのここのジュエリーだったんだ」
樹には今は言えないけど、涼さんと別れて自分一人で頑張ろうって決めた時に、たまたま見かけたそのネックレスがホント素敵で一目惚れで買ったネックレス。
それを身につけたら、これからの自分もそのネックレスみたいに綺麗に輝けるようなそんな気がして。
そこからそのネックレスが似合う女性になれるように、自分らしく輝けるように頑張れた。
私にとっては、頑張れるパワーや自分らしさを与えてくれた特別なネックレス。
「うん。だから私には特別なネックレスで。それつけていこかな・・」
「いいねそれ。喜ぶと思うよ」
それをその会社のパーティーに着けていけるのは、私にとってはちょっと感慨深い。
「なんかそれ縁感じるね」
樹が言ったその何気ない言葉。
だけどホントそうかもしれない。
私にとっては力をくれたネックレス。
きっとまたそのネックレスが新しい素敵な道に導いてくれるはず。
「また日程わかったら伝える。一応今からその予定だけしといて」
「うん。了解」
今は何気ない時間をこんな風に過ごすだけで充分。
仕事とプライベートそれぞれで充実してるっていうことは、やっぱり正直一人でいた時よりも時間の濃さが違う。
職場で恋愛モードになるのは苦手だったけれど、でもやっぱり職場でたまに会えた時は嬉しいし、プライベートでは隣に住んでることで好きな時に会える。
こうやってこれからじっくり、この関係を育んで楽しんで行けたらいいな。
何気ない幸せを、これからもずっと一緒に過ごせていけたら・・・。