5、拝啓、天国の君へ。
 
 
 ( そよちゃん、題名似ちゃってごめんよ、)
 
 
 
 
 拝啓、天国の君へ。
付き合ってから、五年が経ちます。
今年君は、20歳ですね。
結婚、していたかな。同棲もしてたかもね、笑
俺は、ずっと一緒にいたかったよ。
出会いと、別れはいつまでも、忘れない。
 
 
 
 ____
 
 
 
 
 
 
 
 深「お、翔太、?」
 
 
 渡「……ん、?」
 
 
 深「ここの先生になんの?」
 
 
 渡「ん、」
 
 
 深「大学で出会ってからまた再会、なんて映画みたいだな、わら」
 
 
 渡「ん、」
 
 
 宮「相変わらず無愛想だなぁ、笑」
 
 
 渡「涼太、!?」
 
 
 宮「やほ、笑」
 
 
 渡「ん〜、笑」
 
 
 深「これ、翔太が持つクラスの名簿ね、」
 
 
 渡「んー、出席番号、一番は、愛澤、流奈。か、」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 深「今年もこの学校?」
 
 
 渡「ん、」
 
 
 宮「中学二年生を持つから、前回と同じ人もいる?」
 
 
 渡「んー、いる、かな。」
 
 
 出席番号一番  愛澤 流奈
 
 
 
 
 
 
 深「翔太、今日飲みに行こうぜ〜?」
 
 
 渡「今日は、無理かなぁ、」
 
 
 深「なんでだよ、?わら」
 
 
 渡「補習ある、」
 
 
 宮「誰?」
 
 
 渡「愛澤、流奈。」
 
 
 深「ん?優等生じゃないの?」
 
 
 渡「いきなり白紙で出してきて、」
 
 
 宮「そっかぁ、気になるなぁ、」
 
 
 
 
 
 渡「なんで、白紙だったの?今の勉強を見てると、実力はありそうなのに。」
 
 
 愛「……言えない、です、」
 
 
 渡「そ……」
 
 宮「かんぱぁ〜い、!」
 
 
 
 
 
 渡「いっつも、我慢してんだよ。色々耐えてんのに!」
 
 
 深「そういう子、いるよなぁ、」
 
 
 渡「…ぷはぁ、もう、頼ればいいのに、」
 
 
 宮「んー、頼りやすい環境を作る、ってやっぱ大事なんだよね。」
 
 
 渡「作ってんだけど、なぁ…」
 
 
 
 
 
 その頃の君は、全然頼ってくれなかったね。
君に頼って欲しくて、頑張ったよ。
知れば知るほど、強い子だった。
でも弱くて、誰にも、「助けて、」って言えない。
そんな君に、惹かれてた。
 
 
 
 渡「……助けてって、言えよ。」
 
 
 愛「……」
 
 
 渡「……リピートアフターミー。た」
 
 
 愛「た、」
 
 
 渡「す」
 
 
 愛「す、」
 
 
 渡「k……」
 
 
 愛「助けてッ、せんせッ、」
 
 
 渡「……よくできました、((頭撫」
 
 
 
 渡「もう、この子いじめたら容赦しないから。」
 
 
 
 好きになってた。
先生の立場上、認められなかったけど。
好きだった。
それから、俺が相談しやすくなるように、って始めた、放課後掃除。
 愛「先生、またね。」
そう言って、手を振って帰る君が大好きだった。
ある日、君は言った。寒い冬の日。
「先生、さようなら、」
って。
 
 
 
 深「なんかあったのかよ、浮かない顔してさ。笑」
 
 
 渡「愛澤さんのこと、なんか知らない?ようすがおかしくて、」
 
 
 宮「え?知らないの?」
 
 
 渡「うん、」
 
 
 宮「その子、明日手術なんだよ、」
 
 
 渡「……手術?」
 
 
 宮「うん。脳腫瘍だって、」
 
 
 渡「命に別状は、!?」
 
 
 宮「命に……」
 
 
 深「ちょッ、渡辺先生には言わないで、って言われただろ、?」
 
 
 宮「あ……」
 
 
 深「……んじゃね、笑」
 
 
 
 
 
 
 渡「……ッ、…(((タッタッタ、」
 
 
 
 
 渡「はぁッ、はァ、はぁッ、」
 
 
 
 
 
 
 
 渡「……愛澤さんッ、愛澤さんッ、!」
 
 
 
 愛「……?((振向」
 
 
 
 渡「ねぇッ、明日、手術なの、?」
 
 
 愛「……知っちゃったんですね、笑」
 
 
 渡「…脳腫瘍でしょ。…命に別状は、?」
 
 
 愛「……ない、です、」
 
 
 渡「…そう、よかったぁ、」
 
 
 愛「…ふふッ、笑」
 
 
 愛「失敗、しなかったら、」
 
 
 渡「……成功確率は、?」
 
 
 愛「……15%、」
 
 
 渡「15……%?」
 
 
 愛「……はい、」
 
 
 
 
 君は、震えていたよね。
 
 
 渡「……怖い、、?」
 
 
 愛「怖い、かも、です、」
 
 
 渡「……そうだよな、怖い、よな。」
 
 
 愛「……」
 
 
 渡「手、握る?」
 
 
 愛「……((こくッ、」
 
 
 渡「愛澤さんはさ、いっつも一人で抱えるよね。俺はッ、信用して欲しい。
 
 
 先生として、……人間として、一人の人として、そばにいたい。」
 
 
 愛「……?」
 
 
 渡「俺はッ、愛澤さんが、好きだから。」
 
 
 死ぬ前に、伝えたかった。
死ぬなんて、思ってないけど。
愛「私も、渡辺先生が、好きです、」
 
 
 渡「っ、」
 
 
 愛「……付き合いたかったです。私は、先生とッ、」
 
 
 渡「……なんで過去形なの?付き合おうよ。」
 
 
 愛「え?でもッ、」
 
 
 渡「……俺は、付き合いたい。」
 
 
 愛「私も、ですッ、」
 
 
 君が流した涙は、とっても綺麗だった。
 
 
 まだ、残っているくらい。
渡「今日で全部だ。名前で呼んで、手繋いで、」
 
 
 愛「渡辺……」
 
 
 渡「翔太。」
 
 
 愛「……翔、太、」
 
 
 渡「……流奈。」
 
 
 愛「名前、知ってるんですね、笑」
 
 
 渡「うん、笑」
 
 
 愛「……まだ、帰りたくないなぁ、」
 
 
 渡「俺もだけど、手術なら早くじゃ帰らなきゃだよね、?」
愛「6時まで、」
渡「あとちょっとか、」
愛「これ、」
君が 、渡してくれたネックレス。
渡「なに、これ、?」
愛「私の宝物です、私だと思ってください、笑」
渡「デートの時も一緒に連れて行こうね?」
愛「うん、ッ、笑」
渡「つけてい、?」
愛「んー、手術終わったらね、?笑 それまでは持ってる、笑」
渡「わかった、笑」
愛「じゃあね、先生さようなら、笑」
渡「……またね、だろ?」
愛「…先生、またね、」
渡「……((首振」
愛「……翔太、またね。」
渡「流奈、またな、笑」
愛「(((手振」
ポスんッ、 
渡「……ふぅ、」
渡「ベッド、落ち着くなぁ、」
……
いつの間にか、夢の中に入っていた。
ぷるるるる、ぷるるるるるるる、
渡「……なんだよ、」
深「須野玉病院行け、すぐ、」
渡「っ、!?」
ぅはぁッ、はぁッ、はッ、はッ、!
渡「……流奈ッ、!」
?「……渡辺、先生、?」
渡「流奈じゃない、愛澤さんはッ、!?」
?「どうぞ、」
渡「まだ脈はあるんですよねッ、!?」
?「はい、」
渡「……頼むよッ、」
……ぴっぴ、っぴっぴ、
手を握って、ひたすら祈る。
怖かった。
でも、流奈の方が怖かったよね。
ぴー、ぴー、………
医「……天国へ、行かれました。」
渡「………」
声も出なかった。
涙も、流れなかった。
渡「……このネックレス、もらいます。」
?「はい、流奈も言ってました、」
渡「……((取」
渡「……あった、かい……」
渡「っ、ふぅッ、泣、ぅあぁぁぁぁぁ……」
さっきまで生きてたんだ、と思うと、涙が出てきた。
止まらなかった。
今でも、愛してる。
いつまでも、愛してる。
俺は、いつまでも、君の彼氏でいる。
天国で笑ってる君に、もうすぐ会いに行くよ。
流奈 、またね。
敬具 渡辺翔太
(失敗しました、すんません)
コメント
10件
なんかすごい。泣ける
感動した
こんなん泣いちゃうって。まじで2人とも推せるなぁ...めっちゃ感動した。