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stpl 紫赤 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
部屋の明かりは落として、間接照明だけ。
外は雨が降っていて、窓に当たる音がやけに大きく聞こえる。
彼はソファに座って、膝の上で手を組んでいた。
いつものメガネをかけてる。
……俺の“好きなほう”の顔だ。
「……緊張してる?」
そう聞くと、彼は小さく笑った。
「……ばれてますか」
「分かりやすすぎ」
隣に座ると、距離はすぐに埋まった。
触れていないのに、体温だけで分かる。
「……あの」
彼が口を開く。
でも、すぐに閉じる。
「……やっぱり……」
「いいよ」
遮るみたいに言ってしまった。
言わせたら、戻れなくなる気がしたから。
それでも、彼は逃げなかった。
むしろ、俺の袖を掴んだ。
「……最近……こったんの前だと……」
声が震える。
「……役のことも……仕事のことも……どうでもよくなります……」
胸の奥が、ぎゅっと締まる。
「……あなたに触れられると……全部……」
そこで言葉が切れる。
目が潤んで、唇を噛んでる。
(……それ、告白だろ)
でも彼は言わない。
言えない。
俺も、言えない。
代わりに、抱いた。
強くじゃない。
でも、逃げ場を残さない抱き方。
「……っ」
驚いた声が、胸に埋もれる。
「……言わなくていい」
低く囁く。
「今は……これでいい」
彼の背中に腕を回して、ゆっくり撫でる。
安心させるみたいに、何度も。
「……ずるいですね……」
「俺が?」
「……はい……」
それでも、離れない。
むしろ、彼のほうから腕を回してきた。
キスは、静かだった。
欲を煽るためじゃない。
確かめ合うため。
触れると、彼はすぐ反応する。
でも今日は、いつもより声が少ない。
「……大丈夫?」
「……大丈夫……です……」
嘘じゃない。
ただ、必死なだけ。
夜は、ゆっくり溶けていった。
行為は深くて、優しくて、どこか苦しい。
彼は途中、俺の耳元で囁いた。
「……もし……」
一瞬、息が止まる。
「……もし……あなたが……」
そこで、また止まる。
俺は、彼の唇に指を当てた。
「……それ以上は、言わないで」
彼は目を見開いて、でもすぐに理解した顔になる。
「……はい……」
小さな返事。
終わったあと、彼は俺の胸に顔を埋めて、動かなかった。
心臓の音を聞いてるみたいに。
「……ね……」
「ん?」
「……今の……夢じゃないですよね……」
「現実」
即答すると、彼は少し笑った。
「……よかった……」
事後は、ただ抱き合ってた。
キスも、言葉も、最小限。
でも、指は絡んだまま。
(……完全に、好きだ)
分かってる。
彼も、分かってる。
それでも今夜は、
告白しないことで、関係を守った夜。
でも――
次は、きっと無理だ。