今日俺は兄ちゃんと喧嘩した
喧嘩の原因は兄ちゃんだ
俺の大事なプリンを食べた
それだけならまだ…いや許せねぇけど
買ってくれたら許してた
なのに謝りもしねぇし悪いとも思ってない
なんなら名前を書いてない俺が悪いとか言ってきた
俺はプリンが大好きだ
しかも今回のは普通のプリンじゃ無い
部下に朝早くから並ばせてやっとの思いで手に入れたプリンだ
俺と部下の努力を踏みにじるなんて…
流石の兄貴でもひどい
「兄ちゃん、俺のプリン食べたでしょ?」
「ん~?知らね~w」
兄貴はスマホをいじりながら答えた
「今日プリン食べた?」
「プリンは食べたけど~?」
それが俺のプリンだよ なんてこの年なら普通分かるはずだろ…
そんなことも思ったがあの兄ちゃんだ
普通が通じないのが兄ちゃんだと長年弟をやってきたから分かる
「それ俺のプリンなんだけど…?」
少しだけ怒った表情で言う
「え~?竜胆のっていう証拠は?」
え…?と少し固まる
俺のっていう証拠?
そんなの簡単だ
兄貴はプリンなんて滅多に買わないし俺はレシートを持ってる
「…俺レシート持ってるし?」
「レシートなんて証拠にならなくねw」
「は…?なんでよ」
俺は悪そうな素振りも見せない兄貴に少しずつイラついてきた
「レシートなんて値段と個数と時刻が書いてるだけじゃん」
「…時刻書いてあるなら証拠には充分じゃない?」
「同じ時間に買ってる可能性だってあるだろ」
「…同じ店に居たなら部下は教えてくれるはずだけど?」
「俺も他の奴に頼んでる可能性は?w」
兄貴はスマホをいじりながら答えると俺を馬鹿にするように笑う
「あるけど…」
「そもそも竜胆が名前書かないのが悪くねー?」
その言葉にイラっとする
「名前なんて書かなくても2人暮らしなんだから分かるでしょ?!」
「そんな大声出すなってw近所迷惑だろ?」
そんな余裕そうな兄貴に俺は怒った
「兄ちゃんが食べてなかったらこんなことにはなって無えの!」
「食べていいやつかな~って思ったんだもん」
その言葉に続けて信じられない事を言う
「説明しない竜胆が悪くね?
食べちゃ駄目って言えば食べなかったし」
は…?
もう我慢できねぇ…
「兄ちゃんはいつもそうやって!!」
「俺が全部悪いの?!食べた兄貴が悪ぃだろ!」
「はーうるせぇ~w」
「プリンごときで騒ぐとかガキかよw」
「プリンごときじゃ無えの!」
「部下が朝早くから買ってきてくれたんだよ!」
「大人気のプリンなの!
買えたのはすごい幸運なんだからな!!」
「あっそ~」
兄貴は俺の訴えを興味無さそうに流すとソファーに横になりスマホをいじる
「…兄ちゃんが謝るまで口聞かねえから!」
そう言うと少し足早に部屋へ戻る
「え、」
スマホをいじるのを止めこっちを向いた兄貴を見ないフリをして部屋に帰る
「マジ兄ちゃんありえねぇ…」
俺は1人の部屋でベッドに横になり呟いた
「食べたかったなぁ…」
泣きそうになりながら眠りについた
今日は少し早めに起きた
まだ朝の5時だ
朝食食べて今日はゆっくりするか…
そんなことを考えながら階段を下りてリビングへ向かう
リビングに行くとそこにはソファーで寝ている兄ちゃんと見覚えのある袋がテーブルに置いてあった
あの兄貴のことだ自分のために買ってきたのだろう
俺のために買ってきたとか期待するのはやめよう
喧嘩中だがたった1人の大切な兄貴だ
風邪を引かせたいわけでもない
そう思い寝ている兄貴に毛布をかける
さて、今日の朝食は何にするか…。
リビングから移動し、キッチンに立つ
冷蔵庫を除くと卵と牛乳を見つける
棚を開けるとホットケーキミックスがあった
「ホットケーキ作るか…」
ホットケーキは休みの日によく兄貴と食べた
最近は前より喧嘩が増え休みの日も別々に朝食を食べていた
久しぶりに兄貴と食べたいなぁ…
そう思った時にはもう兄貴の分を作り始めていた
少しして朝食が完成する
フルーツも盛り付けて少しお洒落にしてみた
肝心な兄貴は起きているだろうか
お皿を両手に持ち再度リビングへ行く
すると兄貴が体を起こし目を擦っていた
今すぐ『おはよう!』と言いたかった
だが兄ちゃんが謝るまで口を聞かないと言ってしまったからには謎のプライドなのか喋れない
「竜胆~…」
俺が何も言わないからか、それか昨日喧嘩したからか
理由ははっきり分からないが兄貴は少し弱った声で俺の名前を呼んだ
「…何?」
やはりプライドなのか少し怒った声で問う
「昨日はごめんな~?」
兄貴はそう言うとしょぼんとする
…なんだかんだ俺は兄貴に弱い
今この瞬間に改めて思った
「…いいよ。俺が説明しとけばよかった」
「ん~ん、食べた俺が悪い…」
珍しくしょぼくれてる兄貴にか素直になれない自分にか
自分でもはっきりと分からないがため息をつき
「もういいから。朝食食べよ、な?」
と優しく言う
「うん…!」
兄ちゃんは返事をすると急ぎめに席についた
「「いただきまーす」」
手を合わせてそう言うと食べ始める
食べ始めて少し経った頃に兄貴が言った
「プリン買ってきたけど…食べるか?」
あれは俺に買ってきた物だったのか
少し驚いて答える
「た、食べる…!」
「ん、じゃあ食後のデザートな!」
満足そうに笑うと兄貴は食事を再開した
これは俺が兄貴と喧嘩して仲直りして前よりもっと兄貴を好きになる話
ここまで読んでくれてありがとうございます!
小説は初心者なので大目に見てください…
ここまで本当にありがとうございます!
コメント
1件
やばい尊いしか出てこない💞