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転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。

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転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。

20 - 第20話 クリエイトの実験と美味しいご飯は大正解だぁ~

♥

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2024年01月21日

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二日から三日後には動きたいと言うけど、それまでに打ち合わせなのかな。

あまりゆっくりはできないかもね。

泊まりになるかもしれないと聞いて、食事は? と問えばそれぞれになるか誰かが作るか。それも話し合いになるらしい。

個別なら食堂に作ってもらおう。その方がいい。最悪、肉はあるから、それ以外の食材や鍋だよね。

そうだ、クリエイトの練習してみようかな。ご飯も炊けるかも!

うん、そうしよう。




ギルドに戻れば、ギルマスはさっきのメンバーと面接するらしい。

そろそろ皆が戻る時間だね。

「ナギ! ちょっと来い」

あれ? 買取カウンター?


「お前、オークの肉はいるのか? あまり小さいやつはおらんぞ。普通のやつ一体くらい持ってくか?」

うーん、どうするかな。オークっていろいろ部位があるんだよね。

「えっとね、部位別に切り分けてもらうことできるかな。それなら二頭くらい欲しいんだけど。もしかしたら、今度の依頼で泊まりになるかもだし」

そうなのか、と希望通りにしてくれるらしい。明日の昼には出来上がっていると聞いた。その時追加を出せと言われたので頼んでおいた。


さて。これからどうするかな。

フラットはお腹いっぱいみたいだし、夕食にはまだ速いよね。

じゃあ、クリエイトでおじいちゃんが言ってたフラットにのる椅子を作ってみようかな。


部屋に戻って身体をクリーンする。もちろんフラットも。

眠そうなのでベッドを明け渡した。

おそらくだけど、サイズは伸縮自在なら問題ないよね。

なめした皮はないんだけど、これってなめしもできたりする?

テーブルの上に毛皮を取り出す。

フォレストウルフの毛皮だ。でもこれをなめすのはもったいないね。じゃあ、こっちかな。

オークの皮を取り出して、両方おいてみた。

オークの皮を加工しやすいようになめしたい。


(クリエイト)


ぼわっと光ったあと、オークの皮が薄く、でもきれいになった。表は防具と同じ感じで、裏はきれいに肉片一つ付いてない。

これ、すごいな!

あとは、どんな椅子にするかだね。

おじいちゃんが籠って言ってたけど、さすがに籠はねぇ。

じゃあ、フォレストウルフの毛皮とオークのなめし革で作ろう。

紙に書いてみようかな。

えっと、その前にインクをつけなくていいペンが欲しい。

じゃあ、インクとペンをテーブルに置いた。


(クリエイト)


小さく光ったあと、そこにあったのは一本のペンだ。

できたのかな? まあ書いてみればわかるよね。

一枚の紙に、馬の鞍を書いてみる。

これは危ないだろうね。じゃあ、椅子にしようか。背もたれをつけて、アームレストをつけてみる。そして身体を支えるニ点式のシートベルトだ。

うん、これならいいかもね。

きれいに絵を描き直して、|鐙《あぶみ》も書いてみる。これはいらないかもとは思うけど、走ってる途中、脚がぶらぶらするのも考えものでしょう。あとは、椅子の前を少し高くして持ち手をつける。ベビーカーのグリップみたいなやつかな。こんな感じで、フラットに無理がかからず、外れないように取り付けする為のベルトを作りたい。

じゃあ、やってみようかな。

絵を参考に、さっき考えた感じで、伸縮自在にできるかな。


(クリエイト)


ぶわ~っと光がテーブルの上で膨らんで行く。

これは少々時間がかかったね。

時計がないからわからないけど、五分くらいかな。


光が収まったとき、テーブルの上にあったのは鞍みたいな椅子だ。それも俺が考えたとおりに出来上がってる。大きさは大型犬サイズくらいか。フォレストウルフの毛皮でできた椅子の部分は乗り心地良さそうだね。そしてベルトが数本出てるけど繋がってる。どうやってつけるんだろう。まあ、伸縮自在だから適度な締め付けでできるんだろうね。

とりあえず、前足と後ろ足を入れるんだろう場所は理解できたけど。

明日、フラットにつけてもらって乗ってみようかな。

どんな感じだろう、楽しみだね。

フラットは寝てるから、今はいいかな。

出来上がった椅子はアイテムボックスへ入れた。

明日は、草原へいこう。当然、食材や鍋を買って。そこで料理をしてみたい。クリエイトならどんなことができるんだろうね。本当に楽しみだ。





朝日に起こされた俺たちは、食事をとるために食堂に陣取った。

後で、ギルマスに店を教えてもらいたい。

野菜や米、調味料、鍋などを売ってる店だ。今日の調理のために必要だからね。


ギルマス情報では、俺の家の斜め前にある商会がいろんなものを扱ってるらしい。それこそ、パンから馬車まであるそうで、引っ越したらそこで買い物すれば野菜なんかもあると聞いて嬉しくなった。いい場所だね、やっぱりあそこは。

ミノタウロスはどうしようかと考えて、買取カウンターへ向かうことにした。

「おはよう、ナギ。丁度良かった。残りのオークを出してくれるか?」

おお! ナイスタイミングだ。そして二頭分の肉もゲットだ。

解体場に取り出したのは残っていたオーク全部だ。それとこっそりおじさんに告げる。

「ミノタウロスがあるんだけど、どうしたらいい? ギルマスに聞いてなかった。オークと一緒の場所で狩った獲物」

なに! とおじさんは焦った様子で階段を駆け上がった。

足取り軽いね、おじさん。さすが元冒険者だよ。


すぐに降りてきたおじさんは、シートを広げて、ここへと言ってくれた。

言われるままにバラバラになったミノタウロスを取り出した。

解体場は騒然となる。

じゃあ、お願いします、と手を振ってその場を離れた。あとはいいようにしてくれるよね。



外に出てからいつものパン屋でいつもの惣菜パンを買う。

それからゆっくり歩いて家まで行ってみた。

中を覗けばタンタンと音が聞こえている。

順調かな、と覗けば忙しそうに動いている皆が見えた。

そっと引き上げて、庭の隅でフラットに頼むことにする。

『ねえ、フラット。おじいちゃんに聞いてたフラットにつける椅子みたいなの、作ってみたんだ。ちょっとつけてみてくれる?』

『ほんと? いいよ。どうすればいいの?』

えっと、とここが脚を入れる場所だと思うんだけど、でもこれってすっぽりかぶるのかな。

フラットの前に置いた鞍は、どう取り付けるのか不明だ。

フラットは、匂いを嗅いだ後、くるりと周りを回っている。そして椅子の後ろを持ち上げて頭を突っ込んだけど?

すると、ぶわっと光ったあと、フラットの背には椅子があった。

ん? これはどういうことなのかな?

『あのね。この椅子に聞いてみたら、自動的につけられるらしいよ。だからうしろから頭を入れてみたんだ』

へ? フラット、椅子に聞いたの?

うん、と嬉しそうに話すフラットは心地よさそうだ。

乗ってみて、と言われて鐙を見たけど、どうやっても届きそうにない。

椅子のベルトに手をかければ、するすると鐙が降りて来る。ブーツの先をかければゆっくりと持ち上がった。このタイミングだねと脚を回して椅子に座れば、鐙は調整された。

すごい、と呟いてしまう。

『これ、魔道具みたいだよ。だから自動的に僕とナギに合わせてくれるらしい』

魔道具なの? それはすごいね。こんなのまで作れちゃうんだ。

両手でグリップを握れば、椅子が俺の身体にフィットした。

うん、すごいすごい!

『ねえ、フラット。そこのお店で買い物して、草原に行こう。おじいちゃんの言ってたクリエイトで食事を作ってみたいんだ』

うん、とフラットは静かに街道を渡った。そして店の前に停まる。

じゃあ降りようかな。

そう思って左足に力を入れれば、椅子が開いてゆく。体重を移動して片側に脚を回すと、鐙が伸びていった。

やっぱりすごいよね、魔道具。

それに伴って、フラットは身体を大型犬くらいにまで小さくした。でも鞍も小さくなってくっついてる。あはは、フラット専用だよね。



ギルマスの紹介だと話せば、商会の会頭と呼ばれたおじさんが自ら相手をしてくれる。どうやら元冒険者らしく、ギルマスとも一緒に活動したことがあるらしい。

俺も冒険者だと言えば、こんなに小さいときから? と驚いてた。そうだろうね、誰でも驚くと思うよ。でも、俺、中身はおっさんだから。最近、少々子供化してる気がするんだけど……


フラットの頭を撫でてくれる会頭さんは優しいおじさんだ。

依頼のとき、ご飯を作るんだと言えば、感心しきりだ。

何が欲しいと聞かれたので、米と小麦粉、塩、砂糖などの調味料、スパイス、油……

いろんなものを頼んでいるが、どうやって持って行くのかと聞かれたので、アイテムボックスのことを話せば、なるほど納得してくれた。

野菜や果物、パンなども大量購入。

それほどはいらないだろうと言うので、フラットを指さして、本来の姿は三メートル以上の大きさなんだと話せば納得だ。

そして鍋などの調理器具もそろえた。もちろん、屋外で使って問題ない丈夫で重たいものばかりです。ダッチオーブンみたいな何でも作れる系なのは助かったよ。焼き物から煮込み料理までできるんだ。これは便利。


この商会は何でも屋さんみたいだ。

瓶入りのとろりとしたソースまであった。トンカツやお好み焼きにも使えそうなので買ってみたよ、多めに。


これから依頼か? と聞かれたので今日は草原に遊びに行ってくると言えば、そんな時間も大切だと笑顔で頷いてくれる。

買い物全てをアイテムボックスに収めて支払いをする。

冒険者ランクを聞かれたので、Cランクだといえば再び驚くおじさん。それなら、とギルドカードを出せと言われた。なぜ? と聞けば、冒険者はカードを見せれば少しだけ割り引きしてくれるらしい。すごく良心的なお店だ!

それで納得した。こう言う商会ではあまり見ない冒険者がチラホラいるから疑問だった。パンや干し肉などもおいてあるし、冒険者用の服もある。納得だね。


じゃあ、行ってきますと店を出る。

おじさんは、この椅子に乗るのかと聞くので、うん、と子供らしく頷けば見せて欲しいと言う。

どうしようかな。でも知ってもらった方が後々楽だね。

じゃあ、とフラットに大きくなってもらった。

ググンと大きくなる身体と一緒に椅子も大きくなる。

すごいな、と呟くおじさんを見て笑顔で鐙に手をかければ、するすると降りてきた。

よっこらしょ、と脚をかけて椅子に落ち着けば、素晴らしい魔道具だ! と感激しているおじさんに手を振れば、フラットはゆっくりと歩き出した。


ギルドの近くでいつもの草原に向かうために角を曲がる。民家が見えなくなって、フラットからお知らせがきた。

『ここから走ってもいい?』

いいよ、と言えば爆速街道まっしぐらだ!


草原を斜めにつっきって駆けるフラットは気持ちよさそうだ。

『どこでご飯? 広い所?』

『そうだね。魔物がいないところがいいかな』

わかったぁ~と可愛い声が聞こえれば、どうやら探索してくれているみたいだね。それなら俺も危険を感じ取るために気配を巡らせた。


結局、いつもの場所の近くで止まって草の上に降り立つ。

やっぱりここが一番いいかな。最初に依頼に来たのがこの近くだったからか、馴染む気がする。

シートを広げて腰を下ろす。フラットも大型犬サイズで横たわった。

どうやら椅子はそれほど負担にならないらしい。それでも転がることはできないね、と外してアイテムボックスに収納した。

やっぱり気遣っていたのかな、ゴロゴロ転がって遊んでいる。

じゃあ、俺は今のうちに実験だ。

さっき買った、高さを調整できるテーブルを置いてシートの上に座ったままクリエイトに挑戦だ。

鍋をとりだして、周りに野菜とオークの肉を置く。そしてミルク、バター、小麦粉、などなど。

今日はシチューを作ってみたいと思ってるんだけど、上手くいけばいいな。


(クリエイト)


ぶわっと光ったのは数十秒かな。

テーブルの上には熱々に煮込まれたシチューがある。

すごい!

これなら旅をしてても、疲れた身体を引きずって何かをする必要がない。でも、この世界のものだけだろうか。日本で食べてたものもできるかな。


それなら試してみればいいじゃないか!

ダメ元でやってみよう。

キャベツ、小麦粉、塩、水、卵、オークのバラ肉塊などをテーブルに置く。そして鉄板代わりに使えると買っていた、浅めで底の厚い両手鍋を取り出した。

そう、お好み焼きを作りたいから。


(クリエイト)


俺の頭に浮かんだのは豚玉だ。

ふわりと数秒光ったあと、鉄板鍋と名付けた浅めの鍋にデデン! とお好み焼きがある。それもでっかい、鍋底サイズだ。

すご~い!

この世界と言うより、俺が頭に思い浮かべたものができるんだな。それならかなり便利でしょうよ。

「フラット! ご飯できたよ!」

くわぁん! と駆け寄ってくるフラットは徐々に大型犬サイズになった。

「これ、お好み焼きっていうの。俺の前世で食べてたお腹に溜まるやつだよ。食べてみる?」

『うん。美味しそうな匂いがする。食べたい!』

よし、それなら。

さっき買ったソースを取り出してかければ、まったくお好み焼きだよ。甘口ソースはなかなかイケる味だ。

ナイフでお好み焼きをカットしてボウルに入れてやれば、嬉しそうに食べ始める。

もぐもぐもぐもぐ……

『これ、すごく美味しいね。ナギの世界の料理なの? これならどれだけでも食べられるよ』

いやいや、どれだけ食べるつもりなんだよ。すぐになくなるでしょ。

じゃあ、と煮込まれたシチューも大きなボウルに注いでやる。そしてパンも取り出した。

日本のこたつ位の高さのテーブルの上では、フラットと俺の食事会が始まった。

なかなかイケる味だ。

これ、ご飯たいて、肉じゃがとかもできるか? いや、醤油がないか。でも、醤油も作れちゃうかな。豆がないか。大豆があればできるかな。麹? だっけ。アレはないだろうけど。まあ、何か考えようかな。

転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。

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