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#リゼロ
すず
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第94話『崩れない距離』
中華連合武闘場。
本戦一回戦・第五試合。
呉鳳明
VS
なおきり。
なおきりの動きが変わった。
不規則。
予測不能。
観客席がざわめく。
「さっきと全然違う……!」
「どこから来るんだあれ!」
呉鳳明は一歩下がる。
さらに半歩。
そしてまた半歩。
常に最適な距離を保つ。
なおきりが踏み込む。
斬撃。
しかし刃は届かない。
紙一重で空を切る。
「くっ……!」
なおきりはすぐに体勢を変え、連続攻撃へ。
だが呉鳳明は一切崩れない。
観客席で李牧が静かに言う。
「これは単なる回避ではありません。」
王翦も頷く。
「距離そのものを操作している。」
桓騎が笑う。
「面倒くせぇ戦い方だな。」
場内では、なおきりの呼吸が少しずつ乱れ始めていた。
攻めても当たらない。
距離が常に同じ。
まるで見えない壁があるようだった。
なおきりは一度大きく距離を取る。
「……やっぱり。」
「単純じゃないな。」
呉鳳明は静かに答える。
「戦いとは、相手を倒すことではありません。」
「勝てる状況を作ることです。」
その言葉と同時に。
呉鳳明の足がわずかに動いた。
ほんの数歩。
だがその数歩で、なおきりの位置が完全に制御された。
観客席がざわつく。
「また動かされた……!」
なおきりの目が鋭くなる。
「なら……壊す!」
一気に踏み込む。
これまでよりもさらに速い一撃。
だが――
呉鳳明は初めて真正面に立った。
「来ますか。」
次の瞬間。
なおきりの刃が振り下ろされる。
そして。
呉鳳明はそれを最小限の動きで受け流し、そのままなおきりの腕を軽く押した。
バランスが崩れる。
「っ……!」
足が場外線へ近づく。
観客席が一気に立ち上がる。
呉鳳明は静かに告げた。
「終わりです。」
次の一歩で、勝敗が決まろうとしていた。
コメント
1件
呉鳳明の「距離そのものを操作する」戦い方、すごくかっこよかったです!なおきりがどんなに速く踏み込んでも、一定の距離を保たれて空振りするもどかしさが伝わってきました。「勝てる状況を作る」という台詞も彼らしくて痺れましたね…次の一手で決着か、目が離せない展開です!