テラーノベル
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クロ、ウルフ、花子の三人が小窓のついた古びた扉をガラガラッと開けると、そこは古ぼけた教室だった。
「うげ、また学校?しかしここは随分オンボロだなぁ〜」
板壁は節穴だらけ。木の床は歩くとミシミシ音がする。
「……ここは……隣の分校ですね……もう放課後だから……誰もいないのかも……ここのトイレは……全部和式なので最高です……」
花子がブツブツ説明していると、誰もいないと思っていた教室のどこかから、笑い声が起こった。三人はビクッとして、聞き耳を立てる。
クククククッ、プププププッ
黒板の前の教卓に、誰かが潜んでいるようだ。
「おーい、そこに誰かいるのか?」
クロは思いっきり声をかけてみた。
「あらら、見つかっちゃいました?」
教卓の下に隠れていた二人がピョコンと出てくる。
「あれは……からかさお化けと一つ目小僧……一つ目兄弟です」
花子が解説した。兄弟は一本足を器用に使って飛び跳ねながら、目玉をギョロリと動かしてクロたちを見回す。
傘をかぶっていて、ププッと笑うのがからかさお化け。べろりと舌を出して、ククッと笑うのが一つ目小僧だ。
一つ目小僧は、いきなりクロの顔をペロっと舐める。
「あんた、苦味が効いてるね。死神だけに。ククククッ」
からかさお化けは花子の方を向く。
「早くトイレにいっといれー。ププププッ」
一つ目兄弟は次にウルフを見たが、黙り込んでいる。
「ねえねえ、僕のことはダジャレにしないの?」
「君のことは何も言わん!犬だけに。ププププ。クククク」
兄弟声を揃えてのウケ狙いに、流石のウルフも「犬じゃない。狼男だ」と言い返す気になれないようだ。クロは寒いダジャレに脱力しながらも、気を取り直して『楽ダ』を知っているか尋ねてみた。すると、からかさお化けが答える。
「ププププ、知ってるよーだ。馬から落っこちることでしょ?」
すぐさま一つ目小僧がツッコミを入れる。
「それラクバやろー。ラクダちゃうやん!ククククク」
「なぁ〜んだ、白い馬のことか。ププププ」
「ククッ、そりゃハクバやないかぁ!」
「ププッ、本当は分かってるって。死んだら行くところでしょ?」
「うまい!妖怪だけに……ってそりゃあ、ハカバや!ラクダと全然ちゃうやんけ!やめさせてもらうわ」
からかさお化けを一つ目小僧が舌でパシッと叩いた。
「……この人たち知らないみたいだね。行こう行こう」
呆れたクロたちはその場から去ろうとすると、兄弟が慌てる。
「ちょっとちょっとあんたら待てや!『ラクダ』のこと、教えたろ」
一つ目兄弟は階段をピョンピョン上がっていく。
「こっちやで〜。クククク」
着いたのは本がたくさんある図書館。
「ほら、これが『ラクダ』だよ。プププププ」
からかさお化けは、持ってきた動物図鑑を開いて絵をさした。クロはちょっと期待していただけに、頭にきてしまう。
「これはただのひとこぶラクダじゃないか!」
するとすぐに、一つ目小僧がからかさお化けにつっこんだ。
「これだからあんたは『からかさおバカ』って言われるんや。クククク」
「ププププ。そういう君は知ってるの?」
「『ラクダ』いうたら、今の時代ふたこぶラクダに決まってるやんけ」
結局兄弟は、何をいうのもウケ狙いなのだ。
「ダメだこりゃ」
残念ながら、ここにも『楽ダ』はなかったようだ。
コメント
1件
ふふ、第6話読みました〜🥀 今回も妖怪たちの個性が強烈で笑っちゃいました。特に一つ目兄弟の「何も言わん!犬だけに」からの流れ、ウルフが何も言い返せなくなってるの、めっちゃ好きですww でも、肝心の「楽ダ」にはまだ辿り着けなくて、クロたちの徒労感がじんわり伝わってきました。花子が「和式トイレ最高」って真面目に言うギャップもツボです。次が気になる〜!
#異世界ファンタジー
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