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#omr
あの日をきっかけに、
少しずつ、
本当に少しずつだけど、
僕は変わっていった。
劇的に何かが変わったわけじゃない。
朝、また重くなる日もあるし、
ふとした瞬間に思い出して、
胸がぎゅっとなることもある。
それでも、
前より、
ちゃんと息ができるようになっていた。
「涼ちゃん、また考え事?」
リハの合間、
若井がひょいっと顔を覗き込んでくる。
「……ちょっとだけ」
そう言うと、
「ちょっとならセーフ」
って、軽く笑う。
その適当さに、
少しだけ救われる。
元貴はというと、
相変わらず無愛想で、
「また見てんの?」
ってスマホを取り上げてきたりする。
「見てない」
「嘘つけ」
「ほんとだって」
そんなやり取りをしてるうちに、
さっきまで頭の中にあった重たいものが、
いつの間にか薄れている。
「……なんかさ」
ぽつりと呟く。
「前より、大丈夫かも」
自分でも驚くくらい、
自然に出た言葉だった。
若井がすぐに反応する。
「お、いいじゃん」
元貴は、
「ふーん」
っていつも通りの反応。
でも、
「まあ、最初から大丈夫だろ」
って、さらっと言う。
「……いや、全然だったけど」
思わずツッコむと、
若井が笑う。
「でも今こうやって言えてる時点で、だいぶ回復してるって」
その言葉に、
少しだけ考える。
確かに、
前の僕なら、
こんなふうに口に出せてなかった。
全部ひとりで抱え込んで、
勝手に沈んでた。
「……ありがと」
小さく言うと、
若井は「どういたしまして〜」って軽く返して、
元貴は何も言わない。
でも、
その代わりに、
軽く肩を小突いてくる。
「痛っ」
「生きてる証拠」
「なにそれ」
くだらないやり取りなのに、
なんか、楽しい。
その瞬間、
ふと思う。
「……これかも」
「ん?」
若井が首をかしげる。
「いや……なんでもない」
でも、
心の中でははっきりしていた。
元貴の、言葉にしすぎない優しさ。
若井の、軽くてちゃんと寄り添ってくる感じ。
その両方が、
ちょうどよくて。
「……俺、多分さ」
小さく息を吐く。
「2人に、助けられてる」
そう言うと、
一瞬だけ静かになって、
次の瞬間、
「今さら?」
って若井が笑う。
元貴も、
「遅い」
って一言。
「いや今気づいたんだけど」
「気づくの遅すぎ」
「うるさいな」
そんなやり取りの中で、
僕は思う。
全部が全部、
消えたわけじゃない。
でも、
もう前みたいに、
ひとりで沈むことはない。
「……まあいいや」
少しだけ笑って、
前を向く。
元貴と若井の、
この距離感と、
この空気の中で。
僕は、
ちゃんとまた、
歩けていた。
ーENDー
とある方からのリクエストです。名前ド忘れしましたごめんなさい。
コメント
1件
コメント失礼します 。題名とか内容とか自由に変換してもらって結構で例えみたいな感覚で見てもらえたら嬉しいです 。題名「 儚くても僕は___ 。 」あらすじ⇒将来アーティストになりたいという夢を持つ🎹 。だがその夢は身内の人に沢山馬鹿にされて生きてきた 、アーティストの夢なんて諦めようかと思った時同じ夢を持つ🎤と🎸に出会った 。彼らは夢をどれだけ馬鹿にされようが強く生きた 。そんな2人を見た🎹の未来は _ 。 的なやつ時間あればで良いので書いてもらいたいです 。🙇🏻