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大勢の執事が晩酌してる時に1人ガチャって入る時の気まずさよww
とてもいい天気の昼間。
こんな日は散歩をしたくなる。
なので…………。
『ムー!今から散歩に行かぬか?』
「はい!行きます!」
誘うとすぐに飛びついて来るのでとても愛らしい猫だ。
頭を少し撫でてから庭に行った。
実は外に出かけたのはもう一つ理由がある。
そう。
他の執事達と交流を深めようという考えもあったからだ。
悪魔執事の主になって結構日が経つが
中々他の執事と交流を深めていなかった。
他の執事と仲良くなりたい!
そんなかわいらしい考えも少しはあったのかもしれないが
大半は、主として他の執事と面識は持っておいた方がいいかという考えであった 。
庭に着くとまず目に映ったのは
辺り一面の薔薇、薔薇、薔薇。
どれも美しく咲いていた。
『綺麗じゃの…』
思わず見惚れていると
「綺麗っすか〜?」
後ろから囁かれた。
ムーもびっくりして
「うわぁっ!」
と声を発し私の後ろに隠れた。
「その明らかにもふもふそうなお耳主様っすよね?」
分かっていそうな声で言う。
『ああ、そうだが…お主は?』
そう聞くと彼は周りを見渡して一つの薔薇の方へと足を伸ばしていった。
そして薔薇を一つ摘むと
それを私に差し出してきて
「俺はアモン・リードって言うっす」
傍から見たらすごくロマンチックな自己紹介方法だ。
実際近くで見てもびっくりするほど美しい。
………というかこれ現代でちゃらい?とかいうやつだったような…。
うーんうーんと考えていると
「主様のお名前も教えてくださいっす」
と言われ
はっとしてアモンの方に向き合った。
『雪という…まぁ知っていると思うが狐の娘じゃ』
簡潔に自己紹介を終わらせると
「あ、アモンここにいたんだ」
優しそうな男が現れる。
手には本を持っていた。
「ありがとうございますっす!フェネスさん!」
「ふふ、あってよかった…」
そんな2人の会話のタイミングを伺って
「あの…フェネスさんでしたよね」
ムーが横から割って入る。
「うんそうだよムー」
微笑みながらムーの頭を撫でる。
『フェネス…というのか?』
私も会話に入る。
「はい。フェネス・オズワルドと言います」
私の瞳を見つめながら言った。
『………ぅ…フェネス…見つめすぎじゃ…』
あまりにもフェネスが見つめてくるので照れてしまう。
「あ、すみません主様」
「あれ?主様って意外と照れ屋さんなんですか?」
『むぅ……し、仕方ないのじゃ!お主らに出会ってから…何故か…』
そこから先の言葉が出てこなかった。
そんな私を見て察したようなアモンが
「そういやムーって喋れるんすね」
と話題を変える
変えた割には変な話題じゃが……
まぁこの状況を抜けれたのは救いじゃった。
「そうなんです!僕喋れるんです!」
「ふふ…そっか」
一回一回頷いて興味深そうに聞くフェネス。
平和な空間に私も話に入りながら
自分でも分からない感情を頭の中で必死に整理していた。
その夜。
ムーが寝たことを確認すると
屋敷を歩き回った。
夜が好きなのが理由…なのかもしれない。
ふと見た空はどんな黒よりも黒く散りばめられた星がとても魅力的に見えた。
しばらく歩くとある部屋のドアが少し開いていて、灯りが漏れ出ていたので
誰かが消し忘れたのか……?
と思いドアを開けると
中には数名の執事がいた。
どうやら晩酌中のようだ。
『………!す、すまないっ!』
と謝って開けたドアを閉めようとすると
「主様で良ければここにいる?」
ベレンのその優しい声に誘われ
いつの間にかその場にいた。
「主様何か飲み物いるかな?」
『では…何か酒を頼む』
と言うとその場にいた執事全員が驚いた表情をした。
『……まさかお主ら私が子供だと思うておるか…?』
そんな気がして聞くと
「ま…まぁ少し」
ルカスがそう答える
『はぁ……では、年でも言うておくか……確か…ちょうど400歳じゃったな』
「400歳か…」
とベレンが答える。
その目の前にはブルドッグ(カクテル)が置いてあった。
『……ありがとうなベレン』
「ねーねー主様〜俺もっと主様のこと知りたいな〜」
「もう…ハナマル君酔っちゃってる?」
「酔ってないってルカスさーん」
そんな大人(?)な会話が続いていた。
『お主…ハナマルというのか? 』
「そーそー俺カワカミ・ハナマルってゆーの」
そう言って私の髪を触るハナマル。
…その後ろで恐ろしい程殺気が立っている。
「ハナマルさん…?今日はどれだけ飲んだと思ってるんですか…?」
私も少し怯えてしまう程怖かった。
『………あの…ルカス…こやつは誰なのじゃ?』
「ああ…彼はシノノメ・ユーハン君…ああやって晩酌をしてるとよく怒りに行くんだよね…」
そう話すルカスの目は心配の感情があった。
「ユーハン…もうちょっと抑えたらどうだ…?」
『こやつは…?』
「彼はボスキ・アリーナス君だよ…普段はちょっとコワ…けど優しいよ」
怖いと言いかけたのは置いておいて目の前の会話をツマミに酒を飲む。
「主様ー止めてやってくれー」
そう言うボスキの声色は適当な感じが折り込まれていて思わず笑ってしまった。
「はぁ……ボスキの事は気にしなくていいですからね主様」
『む?お主は?』
「俺はハウレス・クリフォードです」
手にはウイスキーが握られていた。
『ハウレス…今私はこの会話をツマミにして酒を飲んでいるからの…少し邪魔はしないでくれるか?』
そう言うとはい、分かりましたとでも言うように頷いた。
「私もこの会話ツマミにしよっかな〜」
少し顔が赤いルカスが気を良くした声で言う。
「うーん俺は主様をツマミにしたいかな〜」
そんな衝撃的な事を言うのはベレン。
『どこをどうしてツマミにするのじゃ…』
少し呆れ声で言うと
あははっと笑うベレン。
その表情も優しい。
「私も主様ツマミにしたーい」
そう言って抱きついてくるルカス
『おぉ…お主酔ったのか?』
労りの念も込めてルカスを撫でようとすると
「いえ…主様それ多分ルカスさんのフリなので…」
と言ってウイスキーを一口飲んだ。
『そうか、ありがとうなハウレス』
と言って私も少し赤くなった顔で微笑んだ。