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第10話 みんなで食べるカレー
「いただきます!」
五人の声が重なり、賑やかな夕食が始まった。
テーブルの真ん中には、大きな鍋いっぱいのカレー。
その横には仁人が手際よく作ったポテトサラダと、ふわふわのだし巻き玉子、彩り豊かなサラダが並んでいる。
「まずはカレー!」
舜太がスプーンを手に取り、一口頬張る。
「……うっま!!」
思わず立ち上がった舜太に、柔太朗が笑う。
「座って食べなよ。」
「いや、これほんまにうまいって!」
太智もカレーを口に運び、大きくうなずいた。
「せやろ?勇斗くん、途中まで作っとったんやんな?」
「うん。でも途中から仁人が『貸して』って。」
勇斗は笑いながら仁人を見る。
「味も火加減も全部整えてくれた。」
「……少しだけ。」
「少しじゃないよ。」
勇斗は首を横に振る。
「仁人が仕上げてくれたから、こんなにおいしい。」
「また褒める。」
仁人はスプーンを持ったまま小さくつぶやく。
「本当のことだから。」
「はやちゃん、また始まった。」
舜太がニヤニヤ笑う。
「今日も惚気全開やん!」
「ほんまや。」
太智も肩を揺らして笑う。
「勇斗くん、仁人のこと好きすぎやろ。」
「うん。」
勇斗は迷いなくうなずいた。
一瞬、部屋が静かになる。
「……即答。」
柔太朗が苦笑すると、舜太はテーブルを叩いて笑った。
「はやちゃん、そこ迷うとこちゃうん!?」
「迷わないよ。」
勇斗は穏やかに笑う。
「仁人のこと、大好きだから。」
「……。」
仁人はゆっくりとスプーンを置いた。
「勇斗。」
「ん?」
「今日は静かに食べろ。」
「え?」
「恥ずかしい。」
その一言に、みんなが吹き出した。
◇◇◇
「そういえばさ。」
柔太朗がポテトサラダを食べながら口を開く。
「これも仁人くんが作ったの?」
「うん。」
「おいしい。」
「ありがとう。」
仁人は少し照れながら笑う。
その笑顔を見た勇斗は、小さく目を細めた。
「笑った。」
「え?」
「今日はよく笑うね。」
「……。」
仁人は慌てて表情を戻す。
「気のせい。」
「いや、笑ってた。」
「笑っとった!」
舜太がすぐに反応する。
「仁人くんの笑顔、レアやで!」
「写真撮っとけばよかったわ!」
太智まで乗っかる。
「撮るな。」
「まだ撮ってへん!」
「これからも撮るな。」
「残念!」
舜太は肩を落とすふりをして笑った。
◇◇◇
食事を終え、勇斗が食器を運び始める。
「洗い物するね。」
「俺も。」
仁人が立ち上がると、勇斗は首を横に振った。
「今日は俺がやる。」
「でも。」
「カレー、一緒に作ってくれたでしょ。」
「……。」
すると太智も立ち上がる。
「ほな俺も手伝う!」
「俺もやるで!」
舜太が元気よく袖をまくる。
柔太朗も笑いながら食器をまとめた。
「みんなでやればすぐ終わるよ。」
四人がキッチンへ向かう姿を見て、仁人は思わず笑ってしまう。
「何笑っとるん?」
舜太が振り返る。
「……なんか。」
仁人は少し照れながら答えた。
「みんなでいるの、悪くない。」
その言葉に、太智がにやっと笑う。
「素直やん。」
「今日は珍しいね。」
柔太朗も優しく微笑む。
勇斗はそんな仁人を見つめ、嬉しそうに笑った。
「またみんなで集まろう。」
「賛成!」
舜太が元気よく手を挙げる。
「次も仁人くんのご飯な!」
「……考えとく。」
「それ、作ってくれるやつや!」
太智のツッコミに、部屋中が笑いに包まれた。
温かいカレーの香りと、気の合う仲間たちの笑い声。
その何気ない時間が、仁人にとって少しずつ「大切な居場所」になっていくのだった。
コメント
1件
「いただきます!」の声、めっちゃあったかい〜😭💕 勇斗くんの「仁人のこと、大好きだから」即答シーン、もう完全にキュン案件やった…!仁人の「恥ずかしい」もツボすぎて何度も読み返したよ笑。カレーの香りとみんなの笑い声が「居場所」になってく感じがじんわり沁みた🍛💗 ゆずなさん、今回も最高の1話をありがとうございます!
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