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#普通
野々さくら
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ありあ
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焔垂は茜の手をそっと握り返し、大きく息を吸った。
覚悟を決めたように顔を上げる。
「菅生茜さん!」
突然名前を呼ばれ、茜は少し肩を震わせた。
「は、はい・・・」
焔垂は真っ直ぐ茜を見つめる。
「ずっと──」
一度言葉を飲み込み、それでも想いを押し殺すことはしなかった。
「ずっと好きでした・・いや、好きです!」
その場にいた誰もが息を呑む。
焔垂は深く頭を下げると、右手を茜へ差し出した。
「俺と・・・付き合って下さい!」
屋上が静まり返る。
茜は何も言わず、ただ焔垂を見つめていた。
信愛は思わず固唾を飲み込む。
誰もが、茜の返事を待っていた。
やがて茜は、ふっと笑みを浮かべる。
「あんたってさ・・只のオカルトオタクだし」
焔垂の肩がぴくりと震えた。
「いちいち口うるさいし」
追い打ちをかけるような言葉に、焔垂は黙って俯く。
「高校生にもなってまだまだガキだし」
沈黙だけが返ってくる。
茜は少し照れくさそうに笑った。
「そんな奴とさ、付き合ってくれる
心優しい人居ないっしょ?」
焔垂はゆっくり顔を上げる。
茜は一歩、焔垂へ近づいた。
「どうせ、これから先もずっと
彼女なんて出来ないんだろうし」
焔垂は困惑した表情のまま立ち尽くす。
茜は小さく息を吸い、優しく微笑んだ。
「だから──」
次の瞬間、茜は一歩踏み出し、そのまま焔垂へ抱きついた。
焔垂の目が大きく見開かれる。
信愛はその光景を見つめ、胸の前で両手を握り締めた。
茜は焔垂の胸に顔を埋めたまま、小さく笑う。
「一生彼女できないなんて可哀想だし
仕方ないから彼女になったげる♬」
焔垂は信じられないという表情で茜を見つめる。
「え!?マ、マジで!?本当に!?」
茜はいたずらっぽく笑った。
「まぢだよ❤︎」
そう言うと、茜は背伸びをして焔垂の唇へそっとキスをした。
信愛と真っ先に歓声を上げる。
「きゃー❤︎」
続いてさくら、朝陽、美月も嬉しそうに声を揃えた。
皆は互いに手を取り合い、子どものように飛び跳ねながら喜ぶ。
焔垂はまだ夢でも見ているような表情だった。
「あ、ありがとう・・・茜」
茜はにっこりと笑う。
「浮気とかしたら殺すからね❤︎」
焔垂は苦笑しながら何度も頷いた。
「あ、ああ・・・絶対にしないよ」
その様子を見ていた美月が、満足そうに手を叩く。
「よし! 今日は二人が付き合った記念で
ご飯食べに行きましょ!」
そして笑顔で続けた。
「私が奢るわ!」
さくらが驚いて目を丸くする。
「え!?本当に!?」
「ええ、もちろんよ!」
美月は照れ笑いを浮かべた。
「それにみんなには
累を助けてもらった恩もあるしね♬」
「やったー♬」
茜は焔垂の腕に自分の腕を絡め、幸せそうに見上げる。
「ね?焔垂♬」
焔垂は照れ隠しに人差し指でこめかみをぽりぽりと掻いた。
「あ、ああ・・・」
朝陽が明るく手を叩く。
「さぁ♬食べに行きましょ♬」
こうして、美月の相談から始まった霊貴冥孤逮捕の一件は、焔垂と茜が長年胸に秘めてきた恋を実らせるという、誰もが笑顔になれる結末を迎えた。
コメント
1件
わあっ、ついに告白…! 焔垂くんの勇気、本当に尊かったです😭 茜さんの「仕方ないから彼女になったげる」って照れ隠しのツンデレっぷりが可愛すぎて、最後のキスで完全にやられました。周りのみんなが一緒に喜んでくれる空気も温かくて、読んでて自然と顔がほころびました。おめでとうございます、お二人とも…!