テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
3ヶ月で本気(マジ)になる恋。
🩷佐野勇斗
💛吉田仁人
🤍山中柔太郎
❤️曽野舜太
💙塩﨑太智
第9話 好きすぎて、なんにも。
恋人発表をしてから、初めてのライブ。
今までだって、
何度も同じステージに立ってきた。
隣で歌って、隣で踊って、
目が合えば笑って、ふざけ合って。
それは、
二人にとって当たり前のことだった。
……でも、今日は違う。
今日からは、
ファンのみんなが知っている。
勇斗と仁人が、恋人同士だということを。
今までと同じステージなのに。
今までと同じ楽屋なのに、
ほんの少しだけいつもと違って見えた。
ライブ開演前。
楽屋で衣装に着替えた勇斗は、
鏡越しに仁人を見つけた。
💛「……なに?」
🩷「いや、別に?笑」
💛「絶対なんかあるじゃん笑」
勇斗は笑いながら、仁人の隣に移動した。
🩷「今日、恋人発表してから初めてのライブだね。」
💛「……そうだね。」
🩷「なんか不思議じゃない?」
💛「うん。ちょっとだけね。」
仁人は自分の衣装を整えながら、
鏡を見た。
💛「……でも、ライブはライブだから。いつも通りやるだけでしょ。」
🩷「へぇ〜?」
💛「なに笑」
🩷「いや、仁人がそう言うなら、俺もいつも通りにしよっかなーって。」
💛「……うん。それがいいと思う。」
🩷「でもさ。」
勇斗が、少しだけ顔を近づける。
🩷「今日、いっぱい目合わせようね?」
💛「…………は?」
🩷「ライブ中!笑」
💛「分かってるよ!!笑」
勇斗は楽しそうに笑った。
🩷「だって、恋人発表してから初めてのライブだよ? みんなも楽しみにしてるだろうし。」
💛「……まあ、そうだけど。」
🩷「だから、いっぱい楽しませてあげようね。」
💛「……うん。」
仁人は小さく笑った。
その表情が、
いつもより少しだけ柔らかくて。
勇斗は、また思ってしまう。
……今日も可愛いな。
💛「……あと。」
🩷「ん?」
💛「変なことすんなよ?笑」
🩷「えー?俺、いつも真面目じゃん!」
💛「どの口が言ってんの笑」
二人で笑い合う。
そのとき、
少し離れたところから舜太が顔を出した。
❤️「二人とも、今日めっちゃ絡む気満々やん笑」
💛「いや、違うから!!」
🩷「えー?俺は仁人といっぱい絡みたいけど?笑」
💛「お前は黙って!!笑」
❤️「はいはい、さのじん尊ー」
舜太は棒読みでニヤニヤしながら言った。
仁人は小さくため息をついた。
💛「……ほんっと、調子いいんだから。」
🩷「でも、楽しみでしょ?」
💛「……まあ、ライブはね。」
勇斗はその返事に満足したように笑った。
🩷「よし。じゃあ、頑張ろうね。」
そう言って、仁人の肩をぽんっと叩く。
💛「……うん。」
今日のライブが、
二人にとって特別なものになる。
そんな予感がしていた。
開演。
ステージに立った瞬間、
会場いっぱいの歓声が二人を包み込んだ。
5色のペンライトが、
あちこちで揺れている。
恋人発表後、初めてのライブ。
ファンのみんなも、きっと特別な気持ちで
この日を迎えてくれたのだろう。
勇斗は客席に向かって大きく手を振った。
仁人も笑顔で手を振り返す。
そして、二人の視線が合った。
🩷「にこっ。」
勇斗が、いたずらっぽく笑う。
💛「……っ。」
仁人は一瞬だけ照れたように笑い、
すぐに前を向いた。
……あ、照れた。
可愛。
勇斗はそのまま、何事もなかったように
パフォーマンスを続ける。
……いや。
何事もなかったように、ではない。
曲の合間に仁人の隣へ行けば、
さりげなく肩を寄せる。
すれ違うときには、わざと目を合わせる。
仁人が別の方向を向いていると、
ちょんっと袖を引く。
💛「……ちょっと、近いって笑」
🩷「えー?いいじゃん笑」
💛「よくないわ!」
🩷「はいはい笑」
そう言いながらも、勇斗は離れる直前に
仁人の顔を覗き込んだ。
🩷「あとでね?」
💛「……なにが!?」
勇斗は答えず、楽しそうにステージの反対
側へ走っていった。
……なんなんだよ、ほんとに!!
けれど、
仁人の口元も少しだけ緩んでいた。
今日の勇斗は、
いつも以上に楽しそうだった。
そして仁人のことを、
いつも以上に目で追っていた。
ライブも後半。
次の曲が始まる。
『テレパシー』。
イントロはない。
会場に響き渡る、舜太の歌声から
始まった。
この曲には、メンバー同士がキスをする、
ファンにとって最高のファンサがある。
そして、そのときが近づくにつれて。
メンバーたちは、
互いの顔を見合わせ始めた。
誰が誰とするのか。
譲り合うのか。
それとも、押しつけ合うのか。
毎回おなじみの、ちょっとした攻防戦。
そして今回は勇斗の視線が、
明らかに仁人へ向いていた。
……仁人と、したい。
顔に出ていた。
それはもう、
隠す気があるのかと思うくらい。
仁人もその視線に気づいて、
思わず笑ってしまう。
……なに、その顔笑
そのとき。
💙「……ほらっ!」
太智が仁人の背中をぐいっと押した。
💛「えっ!? ちょ、太智!!笑」
不意に前へ出された仁人。
その先には、
待ってましたと言わんばかりの勇斗。
❤️「……ふふっ笑」
🤍「……っ、はは笑」
舜太と柔太朗は、
すでにニヤニヤしていた。
💛「……お前ら、絶対楽しんでるだろ!!笑」
けれど、曲は止まらない。
そして柔太朗のパートが響く。
🤍「好きすぎて なんにも 言えなかったあの tiny days」
その歌詞が終わった瞬間。
勇斗と仁人が、向かい合った。
勇斗は少しだけ顔を近づける。
いつもの、いたずらっぽい笑顔。
でも、その目は、
……あ。
……本気でやりたい顔してる。
仁人は困ったように笑った。
💛「……しょうがないなぁ笑」
そう言って、勇斗の顔へ手を伸ばす。
そして、二人の顔と顔の間に、
そっと手を添えた。
客席からも、メンバーからも、
二人の表情と唇は見えない。
仁人が少しだけ背伸びをする。
勇斗が顔を傾ける。
ほんの一瞬、二人の距離がゼロになった。
手が離れる。
仁人は照れたように笑いながら、
何事もなかったみたいにダンスへ戻った。
……一方。
勇斗も、ちゃんと踊っていた。
振り付けは、完璧。
立ち位置も、移動も、間違えない。
さすがはプロ。
けれど、表情管理だけが
完全に消えていた。
🩷「…………」
笑顔がない。
キメ顔もない。
いつもの、
ステージ上の佐野勇斗がいない。
ただ、放心したような顔のまま、
振り付けをこなしている。
…………え。
今……。
仁人と……?
…………。
やばい。
頭の中は、完全に真っ白だった。
その様子を見て。
……え、勇ちゃん!?笑
舜太はサビを歌いながら、
勇斗をチラ見した。
……やった?
柔太朗も、踊りながら勇斗を確認する。
一瞬、舜太と目が合った。
❤️ガチでやった?
🤍……あれ、絶対やったよね?
二人とも、顔に出すぎていた。
歌っているのに。
踊っているのに。
口元が、どうしてもニヤニヤしてしまう。
一方、太智は。
次、ここで移動して……
完全にダンスに集中していた。
さっき仁人を押した張本人なのに、
もう何も気にしていない。
そして仁人は。
💛「……っ、ふふ。」
少し赤くなった顔で、
照れ笑いしながら踊っていた。
勇斗と目が合う。
仁人は、また小さく笑った。
…………好き。
ほんと、好きすぎる。
さっきの柔太朗の歌詞が、
頭から離れなかった。
勇斗は踊り続ける。
表情管理を忘れたまま。
仁人は照れ笑いを浮かべたまま。
舜太と柔太朗は、
何かを確信したような顔で。
太智は、最後まで真剣に。
五人はサビを踊りきった。
会場は、この日一番の歓声に包まれた。
ライブ終了後。
楽屋へ戻るなり、勇斗は仁人を探した。
仁人はタオルで汗を拭きながら、
まだ少し照れたように笑っていた。
🩷「……仁人。」
💛「ん?」
目が合う。
🩷「……さっきのさ。」
💛「……なに?笑」
勇斗は言葉に詰まった。
本当は、嬉しかった。
嬉しすぎて、まだうまく言葉にできない。
💛「……なに、そんな顔して笑」
🩷「いや……。」
勇斗は顔をくしゃっとさせて笑った。
🩷「……嬉しかった。」
💛「…………っ。」
仁人は一瞬だけ固まって、
視線を逸らした。
💛「……あれは、ファンサだからね。」
🩷「うん。分かってるよ笑」
分かっている。
あれは、ファンサ。
仁人にとっては、
ライブを盛り上げるための一瞬。
でも勇斗にとっては、
好きな人が、自分の顔に手を添えて。
自分から、距離を縮めてくれた。
忘れられるはずがなかった。
💛「……ほら、着替えよ。みんな待ってるから。」
🩷「……うん。」
仁人は歩き出す。
その背中を見つめながら、
勇斗は小さく息を吐いた。
……あと2ヶ月。
この恋が終わる前に。
ファンサじゃなくても、
演技じゃなくても、
仁人が、
自分のことを好きになってくれたら。
そのときは、ちゃんと伝えたい。
ずっと前から好きだったこと。
3ヶ月が終わっても、
隣にいてほしいこと。
勇斗は小さく笑って、
仁人のあとを追いかけた。
その夜。
SNSは、予想どおり大騒ぎになっていた。
『恋人発表後初ライブのさのじん、絡み多すぎない!?』
『佐野さん、今日ずっと仁人くん見てたよね??』
『テレパシーのさのじん、何が起きた!?!?』
『太智くんが仁人くん押したの見たんだけどwww』
『仁人くん、手で隠してたよね!?』
『キスのあと、佐野さん振り付けは完璧なのに、表情管理だけ消えてて笑ったwww』
『佐野さん、魂どこ置いてきたの!?』
『仁人くん照れ笑いしてるし、舜太くんと柔太朗くんニヤニヤしてるし、太智くんだけ真剣なの何!?笑』
『今日のさのじん、彼氏面と照れ顔の破壊力がすごい』
『恋人発表後初ライブでこんなもの見せられるとは思わなかった……』
『さのじん、ずっと幸せでいてね😭💛🩷』
その日、二人の初ライブは、ファンに
とっても忘れられない一日になった。
けれど、勇斗にとって
一番忘れられないのは、歓声でも、
ステージの景色でもない。
あの歌詞のあと。
仁人が、照れながら笑って、
自分の顔に手を添えてくれた、
ほんの一瞬。
好きすぎて、なんにも言えなかった。
今もまだ、伝えられない。
それでも勇斗は、
今日も仁人の隣を歩いていく。
残り2ヶ月。
終わりが来る前にこの恋を、
本物にしたい。
ここまで読んでくださって
ありがとうございます!💗
第8話、たくさんのいいね
本当にありがとうございます😭✨
まさか700いいねまでいくと
思っていなくて、
すっごく嬉しいです!!🥹💕
これからもさのじんの二人を温かく
見守っていただけたら嬉しいです♡
よかったら、
いいねやコメントもお待ちしてます!
これからも、
よろしくお願いします!!🩷💛
コメント
8件
初コメ失礼します!m(_ _)m この物語大好きです! さのじんの絡みとかめっちゃ尊くて… いいねもいっぱい押してきます! これからもがんばってください!
流石に天才!! ここでテレパシー流してくるのもすごいし大ちゃんが押した張本人やのに「なんのことですか〜?」みたいな顔して踊ってんのちょっと想像ついてバリ面白い! 続き楽しみ〜〜〜〜〜〜!
いやー天才すぎてハート十回連打してしまいました! 多分だいちゃんは現実でも同じようなことするだろうなと思いましたw