テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ルーシュと共にミッションをこなした数日後講義室に訓練兵が集められ座学が始まる。
「本日は座学となる!」
教壇に立ったリーマル教官ズバッとそう告げる。
「貴様ら訓練兵は近々新兵として任務に着くこととなる訳だが、いきなり実践に連れていくほど我々も鬼ではない。だから今回はとある映像を見てもらうわけになる。しかし、エネミュウに慣れてる我々がその映像を撮っては模範的な回答でしかなく、それが新兵となった貴様らに真似できるようなものではない。それも理解してる。なので今回は初日から大型エネミュウに襲われ生き延びたアレンを代表にとある任務に行ってもらい、そこでの戦闘シーンを録画させてもらった。今回はその映像を流しながら本人にどう言う考えで行動してたのかを説明してもらいそれに対し、我々が切り込んでいくという特殊な講義となる。心して聞くように。」
「だから今俺みんなの前に座ってるんすね」
「哀れな姿をみなに見て貰え」
「教官なのに訓練兵痛ぶりすぎじゃない?」
その後巨大スクリーンに当時の戦闘の映像が流れ出していく。
カメラを付けた状態での初戦闘。そこでのルーシュとの会話から録画もされており、アレンの自己判断で自身が巣を破壊しルーシュに取り巻きを対処してもらうというシーン。そのシーンに入った直前くらいで一度映像は止められる。
「さて、まずはここで一度止めよう。そしてアレン隊員に質問だ。」
「えっ?……」
「貴様はなぜ自身が巣を破壊しに行き、先輩であるルーシュ隊員を取り巻き処分にと回したのだ?」
「えっと〜……。正直なところこの戦闘の前に少しルーシュ先輩と会話をしてまして、そこでルーシュ先輩がグリーンベルという基地出身で非戦闘員のようなものだと仰っていたので、なら自分が切り込むしかないと思いそう判断しました。これが理由の八割くらいで残りの二割は単純に自身が今回の件について任されていたので何かしら戦果は出しておかないとという焦りもありました!以上です!」
「そうか……。バカ正直に語ってくれて助かるぞアレン隊員。では、ここで私から模範的な回答を先に提示しておこう。
まず、今回アレン隊員が巣を破壊しに行動したこと。これは理由はどうあれ正解だ。映像を少し見てもらったらわかるがバディを組んでるルーシュ隊員の装備はプラズマガンであり巣を破壊するには適していない。しかしアレン隊員はメイン武器にサブマシンガンを持っているのが確認できる。
単発威力は確かにプラズマガンの方が大きいがそれは**最大チャージ**をした時の話だ。相手を処す速度、分かりやすく言うためにキル速と言わせてもらうが、この速度はサブマシンガンの方が僅かに早い。工夫次第ではサブマシンガンの方はさらに時短できるな。よって今回はアレン隊員の判断が正しかった。こういった役割分担をする際の注意事項はバディや味方の武器がなんなのかを把握することだ。作戦開始前に確認し敵との接敵前にも再度確認しておくこと。武器によって適材適所は違う。実戦に行く際はここを忘れるな!では、映像を続けてみるぞ。」
そう話すとリーマルは再び映像を動かす。役割分担した後アレンがセプルの合間を縫ってセプルアまでたどり着くとブーストの勢いを殺さず逆に活かした蹴りを入れてそこで傷を付けた箇所にサブマシンガンをお見舞いする。さらに確実に処すためにサブ武器の速射ミサイルも撃ち込んで最短でキルをする。その後ルーシュの状況を確認するために振り返るが特に問題が無さそうだったので同じ方法でセプルアを破壊して残ったセプルも蕾のような箇所が開いたところを撃ち抜いて最初の戦闘の映像は終了する。
「これがまず最初の戦闘だが、開始早々アレン隊員はブーストを使いセプルの合間を縫ってセプルアまで距離を詰め、さらにその勢いを利用し蹴りを入れていたわけだがこれは自己判断でそうしたのか?」
「は、はい…。正直戦闘中はあれこれ考えてる事はまだなかったんですけど、やった理由をこうして第三者目線でみて見ると恐らく理由は二つあります。」
「言ってみろ。」
「一つはシンプルに先制攻撃を繰り出したかったという点だと思います。今回相手がセプルアではありましたが、急速に距離を詰められては大抵の生物は対処に時間を有するはずなのでそれを利用したものです。
もう一つの理由はブースト停止時の後隙を極力減らすための行動です。パワープレイではありますが相手を蹴り飛ばす事で緩衝材的な役割を相手にしてもらいブースト停止時の僅かな隙を攻撃に変え、更にそこから追撃も出来るという風に繋がるような立ち回りが出来るのではと判断したためです。」
「なるほど。なかなか良い判断だ。まず、我々の扱う銃火器は特別な仕様になっており、エネミュウを倒した際に発生するエネルギーを特殊な機械に吸収しそれを弾薬として消費したり、貴様らはまだ使えないが特殊な武装のために消費したりするわけだが、その弾薬節約としてこのような行動は正解である。」
「そ、そうなんですね…。」
「しかし、当たり前だがこれを使う場合は相手を見極めることだ。セプルやセプルアなどであれば問題ないがそれ以上の中型、大型エネミュウにはむやみにやったところで効果はなく寧ろ自身が危険に晒される。なので時と場合をしっかりと見極めることが大事だ。一流の隊員はこのブーストによる攻撃を利用し3次元的な動きができる者もいる。例としてあげるなら【サクシャス】なんかがそうだ。」
「サクシャス?」
「君らがここに来る前、先にここに降り立った隊員の一人で、既にベテラン隊員とともに行動する才ある青年だ。
彼のメインウェポンはライフルであり、高所を取って的確に相手の弱点を射抜く人材であり、その高所を取るために先程話したブーストを活かした3次元的な動きをするということだ。もちろん貴様らにはこんなものをやれとも言わんしやれなくても何も文句は言わない。あくまでそういうことをするやつがいる。その認識で結構。」
(サクシャクか…。3次元的な動きをする奴ならそいつにお願いして俺もアクロバティックな動きしたいな)
その後映し出されたのはセプルではなくその強化個体と言われるセプライアとの戦闘シーンになる。
1,038
「映像を見てもらって分かると思うがこの時アレン隊員に同行していた隊員はグリーンベルから異動してきたルーシュ隊員である。
グリーンベルはエネミュウを研究する機関として位置しており我々よりもより詳しくエネミュウに対しての見聞が深い。
その彼が話していた通りセプルの進化系セプライア乃特徴だが、外殻がとても硬いためサブマシンガンや上級隊員が使うアサルトライフルですらダメージは入らない。だが、外は硬くとも中は脆い。蕾が開いたところを狙って撃てばサブマシンガンでも充分戦えるものだ。しかしそれをやるにはリスクがある。
セプル同様体液を飛ばしてくるのだがセプライアは麻痺属性を有しているため当たると少しの間身動きが取れなくなる。誘発する際は確実に避けることができる状況なのを確認した上で行うといい。その後は蕾が開いたところにサブ武器でも撃ち込んでおけば映像の通り倒せる。
今後貴様たちはセプルだけでなくセプライアなどの進化態とも戦闘することを念頭に起きより訓練に勤しむといい!では、本日の講義はこのくらいにしておこう。この後はまた模擬戦をやるので少しの休憩の後準備をしバトルエリアに来るように!では解散!!」
ノートをまとめたものから席を外していきアレンも席を立とうとした時リーマル教官から呼び止められる。
「アレン隊員。」
「は、はい!?」
「同行したルーシュ隊員からなにか聞いてないか?」
「…と、言いますと?」
「なにか不吉な事などを漏らしてなかったかどうかを知りたい。本来なら本人に聞くのが一番だが今は別の頼み事をしてここにはいないからな。」
「不吉な事、ですか?う〜ん……。あっ!そういえばなんか最初のセプルア駆除してた時何かを見ておそらくこの感じは……、的なのを語ってましたね。今思えば恐らくそのセリフってこのセプライアがいたかもしれないって言う事を何となく確信しててそれを俺に伝えようかどうかを迷ったのかなって感じでしたけどね。」
「……そうか、確かにセプルやセプルアの痕跡を見てそう呟いのだな。分かったアレン隊員も休憩を挟みバトルエリアに向かうといい。」
「了解です!」
(基地近辺にセプライアが現れる、か。事はどうやら我々が思っていたよりも深刻なのかもしれんな……。今の訓練兵をじっくり育てる時間も無さそうだ。彼らには酷だが実践を積ませるか………。)