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雲雀side
起きたら隣にKNTも寝ていて。
渡「うわっ!」
素直に驚いて声を出したけど、
KNTは爆睡してるのか起きなかった。
目眩も無くなってて、
冷えピタのおかげで熱も下がっていて。
体を起こして、グルっと部屋を眺める。
ほんとに懐かしい。
3年も来てないしな⋯。
高3の5月。
KNTに家に誘われてここに来た。
まぁ、高校生男子が家にいてする事といえば。
的な感じで。
俺の初めてはここだった。
そんな思い出が一気に蘇ってくる。
寝ているKNTを見つめていると
そういやKNTって俺の寝顔みて
一目惚れとか何とか言ってたよな。
あん時はなんで寝顔?!って思ったけど
今になってわかるわ。
寝顔⋯いいな。
そっと頭を撫でる。
「⋯ひば⋯⋯り」
撫でた瞬間、KNTの口から発された言葉。
雲雀
間違いなく俺の名前。
もう一度。なんて願ったけど、
それ以降は呼ばれることはなかったし
起きてからのKNTは普通に
『ひば』そう呼んできた。
でも嬉しかった。
もう呼ばれることは無いと思って名前。
たとえそれが夢の中だとしても
たまたま俺の事を下の名前で
呼んでる設定の夢だとしても。
それでも、呼んでくれた。
それが嬉しかった。
次の日には体調は戻っていて、
また始まる就活。
夏。
やっと、やっと内定を貰った。
セラおとアキラが内定を貰ったところだった。
内定を貰ったってことが嬉しくて、
すぐにKNTに⋯!
と思ったけどまだあいつは就活中だし
追い詰めるかも⋯なんて思って
連絡するのを辞めた。
心の中で頑張れ。
そう、応援をしながら。
9月。
KNTから【内定 GET】というメッセージ。
嬉しくて、嬉しくて。
すぐに会う約束を取り付けて、俺の家に呼んだ。
酒とかつまみとかめちゃくちゃ買って。
渡「おつかれ〜!」
乾杯!とお酒を1口口に入れる。
久しぶりのアルコール。
風「まぁじ疲れたぁ⋯⋯」
なんて2人してお酒を開けて。
缶半分を飲んだところで、
KNTがぐたあっと机に伏せた。
渡「⋯それな、マジ疲れたわ」
そんな様子を俺は見て笑う。
お酒もいい感じに入ってきたころ
KNTが突然「最近不思議な夢見んだよね」
そう切り出した。
渡「夢?」
風「⋯そう、夢。なんか顔は見えないけど
︎ ︎ ︎ ︎ ︎男子2人で、海で楽しそうに 話してたり
︎ ︎ ︎ ︎ ︎祭り? かなにかで腕引っ張って
︎ ︎ ︎ ︎ ︎歩いてたり」
それから今まで見た夢全部を話していた。
⋯で気づいた。
多分それは、俺たちのこと。
KNTの中に残ってるはずのない
俺たちの思い出ってこと。
KNT自身は覚えてないけど、
脳は覚えてる⋯ってこと?
難し。
風「⋯幸せそうだった」
最後にポロッとそれだけ言って潰れた。
幸せだったよ。
そう思いながら
寝たKNTにブランケットを掛けて、
俺は片付けを始めた。
すげぇ飲んだわ⋯。
缶を片付けながら思う。
渡「KNT、KNT!」
さすがにソファーじゃ。
そう思って起こしてみたけど起きる気配無し。
渡「⋯はぁ、ったく」
気持ちよさそうに寝るKNTを
所謂お姫様抱っこしてベッドまで運んだ。
高校生の時よりは少し重くなってたけど、
軽いのは相変わらずって感じ。
俺より多分軽いな。
首に手を回して落ちないようにホールドすると
胸の当たりに顔を埋めてくるKNT。
くすぐったくて、愛おしくて。
風「⋯ひ⋯ば、す⋯き⋯⋯」
そのまま俺の名前を呼んだかと思えば、
好きと言ってきて。
ああ、夢見てんだな⋯
これはKNTであって、奏斗じゃない。
そう思えば思うほど悲しくて。
KNTをベッドに乗せたあと、
1人リビングで泣いた。
そのまま俺はまたソファーで寝落ちをした。
次に意識が浮上したのは、
クシャっと撫でられる感覚が頭に来た時。
うっすらと目を開けると、
俺を愛おしそうに微笑んでいるKNTが見えた。
起きたことに気づいてないのか
そのまま撫で続けるKNT。
なんで⋯
好きなやついんじゃねぇの。
俺にそんな顔すんなよ⋯。
耐えきれなくて
渡「⋯⋯んっ⋯」
と声を出せば、バッと離れていく手。
そして、何事もなかったかのように
風「おはよ、ひば」
そう挨拶してくる。