テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
牧原は、自宅に面している自宅の近くで三体のモンスターと遭遇し、一体を金棒の一撃で仕留めた。
長く考えている暇はなかった。両手が鎌の形のモンスター二体が残っている。
この金棒があれば、あと二体も倒せるかも。まぐれかどうかは、二回目以降で分かる。
モンスターの鎌による攻撃をバックステップで避け、攻撃が空を切ったのを確認する。そして、今度は前に踏み込み金棒で頭を殴りつける。
モンスターはまた一撃で倒れた。最後の一体も牧原の方へ迫る。
次のモンスターとの距離を詰め、金棒の一撃を頭に決めた。
最後の一体もそのまま倒れ、動かなくなる。
「嘘! 一人で三体倒しちゃった」
モンスターを倒して冷静になると、腰に差した剣が重たいことに気付く。
「剣の性能を試すのは、また今度だな」
新たなモンスターが現れる前に自宅へ避難する。
道路側の庭に戻って来ると、まだ未処理のモンスターの死体が残っていた。
コイツをさっさと処理して、魔法石の破片を取り出さないと。
藤田にもらった手斧を使うと取り出すのもアッという間に終わった。
「これなら実験もすぐに終わりそうだ」
牧原はニンマリする。
すでに元人間のモンスターの死体から元魔法石を回収していた。元魔法石を十二個持っていた。午前中に入手した元魔法石の欠片も含めると全部で十四個である。
通常の大きさのモンスターの死体を食べるモンスターに元魔法石を食べさせ、処分して魔法石の破片を取り出すのを、十二回繰り返し、元魔法石をすべて魔法石の破片にする。
こんな手早くできるのも藤田からもらった手斧のお陰である。
「実験はこれからが本番だ」
まず、牧原は十四個の魔法石の破片の近くに置いてある木箱の上に並べる。そして、それぞれの大きさを比べる。やっぱり、一つだけ大きかった。モンスターの死体を食べるいつもの直径七センチメートルの球体に目と口だけのモンスターを三十センチぐらいに大きくする破片である。
なぜ、この破片だけ大きいのか謎である。理由をいろいろ考えたが、答えが出るわけではない。
とりあえず、モンスターの魔法少女へ変身し、モンスターの死体を食べるモンスターを二体作る。
一体のモンスターに大きな破片を一つ、もう一体のモンスターに小さな破片を二つ食べさせた。すると、二体とも三十センチぐらいの大きさに巨大化した。
「やっぱりそうだ。大きい方は、小さい破片の二つ分の大きさだったんだ。でも、この小さい破片二つ分の破片は一体どこから来たんだ。どうやって作られたんだ」
そんな独り言を言いながら、黒髪の魔法少女へ変身し、小さな破片二つ食べたモンスターを手斧で処理する。
なんでだろう? 本来小さな破片二つ分の気配を感じないとおかしいのに一つしか感じない。ものすごく近くに隣り合うように存在しているから一つ分の気配しかないのだろうか?
手斧で丁寧に処理をして破片を取り出すが、予想に反して一つしか出てこなかった。そして、死体側にはもう魔法石の破片の気配は感じなかった。感じた気配の数と一致していたわけである。
牧原は溜息を吐く。
「貴重な破片を一つロストしてしまった」
出てきた破片に違和感を覚える。それで、庭にある水道、立水栓の場所へ行き、破片の血を洗い流す。綺麗に洗ったあと木箱の上に置き、他の破片と並べて大きさを比較してみる。他の破片と比べて大きくなっているように感じた。
「これってもしかして!」
モンスターの魔法少女に変身し、もう一度モンスターの死体を食べるモンスターを作る。そして、大きく感じる破片を食べさせと、小さい破片二つ分の破片を食べたときと同じぐらいまで巨大化した。
「小さな破片二つ分の大きさの破片が自然に発生したのではなく、元魔法石を二つ食べて、モンスターが体内で融合させたんだ。これは大発見だ!」
しばらく新しい発見の喜びに浸っていたが、新たな疑問を覚えた。
モンスターはこの魔法石をどれだけ結合できるのだろうか? 何個分か結合させると変身できる魔法石は作れるのだろうか?
今持っているすべての魔法石の破片を結合させたいという欲望に駆られる。考えが間違っており、失敗するかもしれない。失敗するだけなら別に構わないが、せっかくモンスターを強化することができる魔法石の破片を十四個も集めたのに、失ってしまうかもしれないリスクは負いたくない。
二つの破片が融合してしまったので、今持っている破片は十三個に減った。その内、二つは小さい破片二つ分の破片だから、小さい破片十五個分を所有していることになる。
まずは、魔法石の破片を使って自作モンスターの強化方法を確認しよう。
現在分かっていることを整理することにした。その為、木箱の上にある魔法石の破片を全部回収する。モンスターの死体を食べるモンスターを三体作り、処理したモンスターの死体を食べさせる。モンスターの死体を食べるモンスターを三体作り、処理したモンスターを食べさせる。そして、自分は家の中に入り、リビングに行くことにした。
リビングに行くと椅子に座る。魔法石の破片をもっと入手する方法はないか考えた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!